高速度鉄道第1号線(高畑〜藤が丘間) 駅数:全22駅 営業キロ20.6km
所要時間40分 ATOワンマン運転 15.5m車×6両組成 ラインカラー:黄色
東山線 路線概要 |
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高速度鉄道第1号線,路線名「東山線(ひがしやません)」は,市西部の高畑から名古屋・栄など都心部を経て市東部の藤が丘に至る20.6kmの路線です.
名古屋の地下鉄の中で最も歴史が古く,昭和32年に名古屋初の地下鉄として名古屋〜栄町(現在の栄)間2.4kmが開業しました.
その後,東へ西へ路線延伸が続き,昭和57年に現在の路線になりました.
東部丘陵地帯では地上(高架)区間もあります.
名古屋の地下鉄の中では最も利用者が多く,名古屋市内交通の主役として主に東西交通を担っています.
ラインカラーの黄色は,導入当時の車両がウィンザーイエローに塗装されていたことから採用されました.

▲高架部を走る東山線車両 |

▲路線シンボルマーク |
正式名称 |
高速度鉄道第1号線 |
路線愛称 |
東山線(S44〜) |
営業区間 |
高畑駅〜藤が丘駅 |
営業キロ |
20.6km |
駅数 |
22駅 |
標準所要時分 |
40分(全線) |
平日昼間運転間隔 |
5分 |
最短運転間隔 |
2分5秒 |
営業時間 |
5:30(始発)〜24:30(終着) |
終車延長 |
休前日 〜25:15(終着) |
女性専用車両 |
平日(終日) |
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車両組成 |
15m車6両組成 |
在籍車両数 |
48編成288両 |
軌間 |
1,435mm(標準軌) |
電気方式 |
第三軌条/DC600V |
乗務員区所 |
東山線運転区 |
相互直通運転 |
なし |
工場・車庫 |
藤が丘工場・高畑車庫 |
最高速度 |
65km/h |
信号保安装置 |
新CS-ATC/CTC |
運転方式 |
ATO(自動)/ワンマン |
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東山線 沿線風景 |
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東山線の特徴的な風景を紹介します.
東山線の起点は市南西部のターミナルとなる高畑駅です.高畑駅から中村公園駅まで,中川区・中村区内を北上します.この区間は東山線で最後に開通した区間です(S57年).
豊国神社の大鳥居を望む中村公園駅から北東へ,次は中村日赤駅と区名を冠した2駅を過ぎると本陣駅から東へ,亀島駅からは南へと,中村区内では3回も進路を変え,名古屋駅に向かいます.

▲沿線地図 |

▲名古屋駅より西側は利用者は比較的少ない |
名古屋駅からは,伏見駅,栄駅と大ターミナルが続き,狭い車内が一気に混雑します.名古屋駅を出ると,名古屋の地下鉄最小曲線となる急カーブを曲がります.ここから池下駅まで広小路通ではなく,錦通の下を走ります.
伏見駅で鶴舞線と交差,続く栄駅は百貨店やファッションビルが立ち並び,広大な地下街が広がる市内随一の繁華街の中心に位置する駅で,名城線と名鉄瀬戸線との乗換駅です.
伏見〜今池間では他路線と接続する駅が続き,千種駅ではJR中央線と,今池駅では桜通線と接続します.

▲沿線地図 |

▲多客駅が続く(混雑する栄駅ホーム) |
池下駅から終点の藤が丘駅までは東部丘陵地帯の住宅街を進みます.
池下駅の先は名古屋初の(東山線唯一の)シールドトンネルを通り,覚王山駅からは広小路通を東に進みます.
再び名城線と接続する本山駅,路線名の由来ともなった東山公園駅,利用者の多い星ヶ丘駅を通り過ぎると,つり手を握る乗客の姿はまばらになり,栄からの賑わいはやや落ち着きます.

▲沿線地図 |

▲東山公園駅 |
一社駅を出ると線路は道路下を外れ,掘割から一気に高架橋へ駆け上がります.ここから終点までは明かり区間です.
名二環道のくぐると上社駅.ここから本郷駅までは河川の上を走り,本郷駅を出ると東名高速道路をオーバーパス,左右に広がる住宅地を眺めながら走ると終点の藤が丘駅に到着です.

▲沿線地図 |

▲高架駅に進入する5050形 (画像はホーム柵設置前の様子) |
東山線建設史(路線の成り立ち) |
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東山線(1号線)の計画から建設・開業までの経緯. (解説図表は追って修正します.)
※戦前の計画は省略します. 詳しくは「地下鉄建設史」ページをご覧ください.
【第三次計画(昭和22年)】
戦後,地下鉄計画が再浮上し,名古屋市のほか国や私鉄が加わった「名古屋市高速度鉄道協議会」が昭和21年に設置され,翌年には6路線約55Kmの路線網計画が定められました.
この計画は市域を越えた広大な計画であったり,第三セクター方式の活用や相互直通乗入を前提とするなど先進的な計画でしたが,問題も多く,昭和28年になって相互直通が実施困難となり,市が独自で地下鉄路線を建設する事となりました.このため,東山線では建設費の安い第三軌条方式が採用されることになります.
【開業に向けて】
市はすでに免許を取っていた名古屋〜田代(現在の池下駅の南)間,市役所裏〜金山間の早期開業を目指しました.
そして昭和29年8月に名古屋〜栄町間が着工.地下鉄車輌の設計には3S(安全・迅速・静粛)を基本として検討が重ねられ,昭和31年に試作車を製作,市電下之一色線の狭軌路線に標準軌路線を併設し第三軌条もつけて先行試作車によるテストを行いました.このとき車体色は画家の杉本健吉氏によりウィンザーイエローと決定されました.

▲第三次計画(昭和22年) |
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【開業(昭和32年)】
ついに昭和32年11月15日,待ちに待った地下鉄「名古屋〜伏見町〜栄町間」2.4Kmが開業.100形2両編成が3分間隔で走りました.
その後も工事は続けられ,第二期工事分の栄町〜池下間が昭和35年6月15日に開通しました.この区間は当初は高架線での建設予定でしたが,住民の要望などで地下式で建設されました.
【都市交通審議会(昭和36年)】 昭和36年都市交通審議会では5路線約75Kmの路線網が答申され,1号線は長久手〜藤が丘〜池下〜名古屋〜八田の路線計画に改められました.
昭和38年には池下〜東山公園間が開通しました.この区間には初めてシールド工法が採られています.
昭和40年と昭和42年に2号線と東山公園〜星ヶ丘間が開通し,地下鉄網は栄を中心に東西南北に結び,名古屋の大動脈とゆきます.
その後,昭和44年4月1日に名古屋〜中村公園間と星ヶ丘〜藤が丘間が東西同時開通し,地下鉄の営業キロが20kmを越えたのを記念して,路線の愛称を募集しました.その結果,1号線(中村公園〜藤が丘)は「東山線」,2号線(市役所〜金山)は「名城線」と決定し,以後この愛称が使用されるようになりました.
▲地下鉄開業 |

▲都交審(昭和36年) |
【都市交通審議会(昭和47年)】
過去最大規模の計画となった昭和47年都市交通審議会答申では,1号線は八田を越えて,さらに先の港区汐止までの延伸計画が示されました.
ここから10年ほど間を置いて,昭和57年9月21日,東山線最後の延伸区間となる中村公園〜高畑間が開業しました.
東山線年表 |
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ダイヤ改正は最近のものを記載.
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昭和32(1957)年11月15日 |
1号線 名古屋〜栄町間(2.4km)開業 |
昭和35(1960)年6月15日 |
栄町〜池下間(3.6km)開業/栄町仮車庫を閉鎖し池下車庫を開設 |
昭和35(1960)年10月21日 |
自動運転(ATO)試運転を実施 |
昭和38(1963)年4月1日 |
池下〜東山公園間(2.5km)開業/2両組成から3両組成へ |
昭和40(1965)年12月〜 |
3両〜4両組成(混成運転) |
昭和41(1966)年6月1日 |
栄町を栄,伏見町を伏見に駅名称変更 |
昭和41(1966)年12月1日 |
4両組成に統一 |
昭和42(1967)年3月30日 |
東山公園〜星ヶ丘間(1.1km)開業 |
昭和43(1968)年9月1日 |
名古屋駅ホームを100m延長し乗降車を分離 |
昭和44(1969)年3月1日 |
池下車庫を閉鎖し藤ヶ丘工場を開設 |
昭和44(1969)年3月〜 |
4両〜5両組成(混成運転) |
昭和44(1969)年4月1日 |
中村公園〜名古屋間(3.5km),星ヶ丘〜藤ヶ丘間(4.4km)開業 |
昭和44(1969)年5月1日 |
1号線の愛称として「東山線」使用開始 |
昭和45(1970)年12月10日 |
一社〜本郷間に上社駅開業 |
昭和46(1971)年12月1日 |
5両組成に統一 |
昭和48(1973)年12月1日 |
5両組成から6両組成へ |
昭和49(1974)年3月31日 |
路面電車を全廃 |
昭和50(1975)年12月28日 |
老人・身障者用優先席を設置 |
昭和50(1975)年12月31日 |
大晦日終夜運転を開始 |
昭和53(1978)年8月15日 |
ダイヤ改正(終電を24時30分に延長) |
昭和55(1980)年6月2日 |
5000形(冷房車)竣工(運行開始は7月1日) |
昭和57(1982)年6月9日 |
初の廃車車両(101・102号車) |
昭和57(1982)年9月11日 |
ダイヤ改正(星ヶ丘折返しを藤ヶ丘まで延長) |
昭和57(1982)年9月21日 |
高畑〜中村公園間(3.1km)開業(東山線全線開業) |
平成3(1991)年4月8日 |
ダイヤ改正(夜間帯増発) |
平成4(1992)年3月31日 |
5050形竣工(運行開始は5月17日) |
平成5(1993)年4月1日 |
東山公園駅リニューアル |
平成6(1994)年4月2日 |
ダイヤ改正(土曜ダイヤ導入) |
平成8(1996)年9月2日 |
ダイヤ改正(夜間帯増発) |
平成8(1996)年12月〜 |
デザイン列車運行(255編成) |
平成12(2000)年3月〜 |
「さようなら黄電」運行 |
平成12(2000)年4月11日 |
藤ヶ丘駅で黄電引退式を開催(翌日地下鉄冷房化100%) |
平成14(2002)年4月6日 |
土曜ダイヤ廃止 |
平成14(2002)年9月30日 |
女性専用車両導入(始発〜9時)※本格導入は翌年6月 |
平成16(2004)年3月27日 |
保安装置をATSからATCに切替/運転指令移転 |
平成16(2004)年10月1日 |
八田管区,本郷管区を廃止 |
平成16(2004)年10月6日 |
ダイヤ改正/藤ヶ丘を藤が丘に駅名称変更 |
平成16(2004)年10月6日 |
駅番号導入/多言語表記を導入 |
平成17(2005)年4月28日 |
車内放送を多言語化 |
平成19(2007)年3月19日 |
メロディサイン導入 |
平成19(2007)年11月16日 |
N1000形竣工(運行開始は翌年3月26日) |
平成20(2008)年5月1日 |
地上区間昼間室内灯消灯 |
平成20(2008)年6月2日 |
女性専用車両の運行時間拡大(17〜21時を追加) |
平成20(2008)年12月 |
12月金曜夜間の増発運行開始(臨時列車扱い) |
平成20(2008)年12月 |
クリスマストレイン運行開始 |
平成22(2010)年3月1日 |
車内での携帯電話マナー呼びかけ内容変更 |
平成22(2010)年11月1日 |
ダイヤ改正(平日のみ 昼間削減,夜間増発) |
平成25(2013)年12月 |
終電延長の試行実施 |
平成26(2014)年4月1日 |
高畑駅を駅務区から運転区に移管 |
平成26(2014)年7月4日 |
終電延長(金曜日及び祝日の前日のみ) |
平成26(2014)年9月25日 |
名古屋駅浸水に伴う区間運休(岩塚〜池下) |
平成27(2015)年4月1日 |
女性専用車両の運行時間拡大(平日:終日化) |
平成27(2015)年5月1日 |
岩塚駅を駅務区から運転区に移管 |
平成27(2015)年8月30日 |
5000形引退記念イベント開催(翌日廃車) |
平成27(2015)年9月1日 |
ダイヤ改正(ホーム柵対応)/ATO運転開始 |
平成27(2015)年9月7日 |
ホーム柵供用開始(高畑駅より順次) |
平成27(2015)年12月1日 |
車内での携帯電話マナー呼びかけ内容変更 |
平成28(2016)年4月1日 |
駅業務委託(八田,中村公園,中村日赤,本陣,亀島) |
平成28(2016)年7月1日 |
池下,星ヶ丘,藤が丘駅を駅務区から運転区に移管 |
平成28(2016)年7月1日 |
一部区間ワンマン運転化 |
平成29(2017)年7月1日 |
全区間(完全)ワンマン運転化 |
令和2(2020)年5月25日 |
ダイヤ修正(早朝列車の一部) |
令和4(2022)年9月17日 |
ダイヤ改正(減便) |
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