基幹1号系統(基幹バス東郊線)を紹介します.
概要 基幹1号系統「東郊線」 |
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基幹1号系統「東郊線」は,昭和57年3月28日に運行開始しました.
東郊線ルート(空港線・国道1号線)上には都市高速道路のオン・オフランプが道路中央部に配置されており,中央走行方式ではなく,路側走行方式が選択されました.
運行は名古屋市交通局のみで,均一料金のため,他の市バス路線と同じ前乗り・中降り方式となっています.
運行速度向上のための施策として,丸田町〜星崎間にカラー舗装のバスレーンが設置されています.平日と土曜の朝7時〜9時はバス専用レーンとして運用されています.
また,既存28停留所中22停留所のみ停車する急行運転を行なっています.
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走行方式 |
路側走行方式/急行運転 |
運行事業者 |
名古屋市交通局 |
運行開始 |
昭和57年(1982年)3月28日 |
区間(本線) |
栄〜星崎 10.46km |
乗降方式 |
前乗り・中降り(料金前払い) |
バスレーン |
丸田町〜星崎 |
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路線図/運行概要 |
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基幹1号系統の本線は,開業時より栄〜星崎間です.後に出入庫を兼ねて(支線イ号系統)栄〜鳴尾車庫間まで延伸され,現在では本線より運行本数が多くなっています.
これらに加えて,笠寺駅折返し(以前は総合体育館折返し)(支線ロ号系統)が概ね1時間に1本運行されます.
栄〜千竃通5間の運行頻度は,朝間ラッシュ時は5分間隔,昼間は10分〜12分間隔です.
(令和2年4月現在)
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系統記号 |
起点 |
経由 |
終点 |
路線長 |
所要時間 |
基幹1 |
栄 |
高辻 |
星崎 |
10.7km |
50分 |
基幹1イ |
栄 |
高辻・星崎 |
鳴尾車庫 |
12.2km |
54分 |
基幹1ロ |
栄 |
高辻 |
笠寺駅 |
9.0km |
41分 |
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系統記号 |
平日 |
日曜休日 |
備考 |
往路 |
復路 |
往路 |
復路 |
基幹1 |
27本 |
27本 |
24本 |
24本 |
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基幹1イ |
59本 |
58本 |
40本 |
39本 |
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基幹1ロ |
27本 |
28本 |
17本 |
18本 |
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運行担当は,鳴尾営業所です.
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担当営業所 |
鳴尾 |
営業係数(H30) |
85 |
H10再編前系統記号 |
基幹1 |
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沿線風景 |
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基幹1号系統の栄〜星崎〜鳴尾車庫間の風景を紹介します.
起点は名古屋の中心市街地「栄」です.
平成31年3月までは「噴水南バスターミナル」を発着していましたが,現在は「オアシス21」周辺の路上停を起点としています.

▲オアシス21西側路上のりば |

▲18番停は基幹1号系統専用 |

▲オアシス21東側の降車所兼待機所 ここで降車扱い後,折返し時間まで待機する |

▲平成31年3月以前の様子 旧噴水南バスターミナル時代 |
起点の栄停を発車したバスは,幅員100m道路の久屋大通を南下します.
途中の白川通大津停は通過です.
矢場町交差点で左折し,同じく幅員100m道路の若宮大通を東進します.
この間,片側3車線以上の幅広道路ですが,沿道駐車場の入庫待ち車両で1車線が塞がれたり,右左折を繰り返すこともあり,バスレーンは設置されていません.

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▲往路(南行) テレビ塔を背景に久屋大通を南下 (白川通大津停を通過) |

▲往路(南行) 矢場町停 |

▲往路 矢場町交差点を左折し若宮大通へ |

▲往路(東行) 若宮大通を東進する |
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▲復路(西行) 丸田町停を発車すると,一気に第1車線から第4車線へ |

▲復路(西行) 四季豊かな若宮大通を西進 |

▲復路(北行) 路駐車両を避けながら終点に向け久屋大通を北上する |
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丸田町交差点から地下鉄堀田までは空港線を,その先は星崎1交差点まで国道1号線を一直線に南下します.
道路中央には名古屋都市高速道路の橋脚が立ち並び,ランプ(出入口)も8箇所設けられています.
南行(往路),北行(復路)とも第1車線がバスレーンとなっています.
基幹バス専用ではなく,一般路線バスもバスレーンを走行します.

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▲往路 丸田町交差点を右折し空港線へ |

▲往路 丸田町交差点(画像提供 ρさま) 上空は名古屋高速丸田町JCT |

▲往路(南行) 丸田町交差点からバスレーンが始まる |

▲自転車道とバスベイ,路側走行式バスレーン
上記は通過停(千代田5) |

▲平日・土曜7〜9時はバス専用レーン |

▲合流車両も第二車線に誘導 |

▲左折レーン |

▲往路(南行) |

▲往路(南行) 鶴舞公園前交差点 |

▲往路(南行) 鶴舞公園前交差点 |

▲往路(南行) 鶴舞公園停を発車 |

▲復路(北行) 鶴舞公園前交差点 |

▲復路(北行) 鶴舞公園停と路側走行式バスレーン |

▲復路 バスレーンと自転車専用道 |

▲千代田5停(通過停) |
他の市バス一般路線と比較してグレードの高い”基幹バスサービス”を導入するにあたり,基幹1号系統(東郊線)ではバスレーン以外の地上設備も整備されました.
急行運転を行うため,通過停には基幹バスが一般系統を追い越しできるよう,バスベイ(切り込み)が設けられました.
また,歩道幅員が広い空港線(丸田町〜地下鉄堀田)の一部停留所には,大型のバスシェルターが整備されました.
平成6年にはバスロケーションシステムも導入されました.(地上バスロケ施設は老朽化のため平成24年に廃止.現在はウェブバスロケのみ利用可.)

▲旧バスロケ付きF型標識柱とバスシェルター |

▲バスロケ廃止後の角型標識柱とバスシェルター |

▲バスシェルター内部の様子 ベンチのみのシンプルな構造 |
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地下鉄堀田までは,片側3車線+幅広歩道を有する空港線を走ります.
途中,名鉄堀田では名鉄本線と,地下鉄堀田では地下鉄名城線と乗換ができます.

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▲往路(南行) 東郊通1(通過停) 追い越し用のバスベイ付き |

▲復路(北行) 歩道幅員も広い |
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▲往路(南行) 名鉄堀田付近 |

▲名鉄電車と交差する(画像提供 ρさま) |
バス通りは一直線ですが,地下鉄堀田からは国道1号線に替わります.
国道1号線も片側3車線ありますが,歩道が狭いため,バスシェルターは設置されていません.

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▲地下鉄堀田付近 (画像提供 ρさま) |

▲地下鉄堀田付近 |

▲地下鉄堀田停(南行) 地下鉄出入口から屋根が伸びる |

▲地下鉄堀田付近 国道1号線合流地点 (画像提供 ρさま) |

▲R1を南下する基幹バス代走車 |

▲基幹バス通過停留所(千竈通7)のバスベイは,追い越ししやすいように切り込み型を採用 |
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基幹バス本線(国道1号線)の笠寺駅前交差点から西へ100m先に,中間終点の笠寺駅停と同回転場が設けられています.
JR東海道線の駅ですが,日中は閑散としています.

▲笠寺駅停留所,回転場,JR駅 |

▲基幹バス本線から西へ100m |
本星崎町停を過ぎると,丸田町から続いてきた第1車線のバスレーンが終わり,基幹バスは一気に第3車線から右折レーンへ進みます.
星崎1交差点を右折し,星崎町停とJR高架橋を過ぎると,星崎停です.
基幹1号系統の本線は星崎停が終点ですが,停留所標識以外に特別な施設はなく,平凡な中間停留所の装いです.
星崎停の先の交差点南西角に星崎回転場があります.基幹バスの終点らしく,折返し運用数の割に広大な面積があります.
鳴尾車庫行は星崎回転場のさらに先の交差点を左折し,戸建て住宅街の中の片側1車線道路を走ります.

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▲往路 星崎1交差点を右折しR1から離脱 |

▲多数の駐車スペースを持つ星崎回転場 |

▲復路 星崎回転場前を通過する鳴尾車庫始発便 現在は車庫始発便の方が本数が多い |

▲鳴尾車庫までは住宅街の中をゆっくり走る |

▲始発の鳴尾車庫停に停車中の栄行 |
その他/先進的な取り組み |
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基幹1号系統(基幹バス東郊線)のその他画像を紹介します.
車両の画像は 市バス車両ページに掲載しています.
市バス路線のフラッグシップ(市バス路線の代表格)である基幹1号系統では,これまでも先進的な取り組みが行われてきました.
平成13年(2001年)11月から平成16年(2004年)2月まで,国土交通省の「環境TDM実証実験」の舞台となりました.
名古屋市南部地域における渋滞緩和及び環境負荷低減を目的とし,
(1)市バスの定時運行が確保されるよう,道路管理者においてテラス型バス停を増設
(2)交通局が基幹1号系統バスにCNGバスを導入する
等の社会実験が行われました.
国土交通省TDM実証実験(H13年度公募分 )

▲TDM実証実験PRラッピングバス CNGバス |

▲鳴尾営業所内に設置されたCNGスタンド |
「環境TDM実証実験」の際に整備されたテラス型バス停は,(拡大設置には至りませんでしたが,整備済のものは)現在でも使用されています.
屋根が無く雨の日は濡れるといった課題はありますが,バス停付近の路駐停車車両の減少効果があり,利用者(特に高齢者)には好評です.

▲テラス型バス停 路駐停車の影響を受けにくい |

▲テラス型バス停 名鉄堀田停(南行) |

▲高辻(南)停(南行) |

▲高辻(南)停(南行) |

▲東郊通3停(北行) |

▲東郊通3停(北行) |

▲東郊通3停(北行) |
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令和5年(2023年)4月に,燃料電池バスが試行導入されました.
詳しくは 市バス車両トピックス「燃料電池バス」をご覧ください.
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