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 トップページ市バス車両特定路線専用車(現役車種)[G]ガイドウェイバス第2世代
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 ツーステップバス/1形式(28両)/大森営業所配属(受託車両)

 このページでは主に車両の外観や内装を紹介しています.
 ガイドウェイバス特有の車両システムについては
ゆとりーとライン特集ページをご覧下さい.

 

車両ラインアップ(第二世代) 平成25年 〜

 名古屋ガイドウェイバスは専用道を案内輪の誘導で走るBRTの一種です.
 名古屋市守山区にて平成13年(2001年)3月より運行しています.
 車両は開業時に用意された第一世代25両が活躍していましたが,登場から12年が経過した平成25年度(2013年度)に一気に置き換えが行われ,現在は第二世代車両28両で運行されています.

 車両は第三セクター会社である「名古屋ガイドウェイバス(株)」が保有し,名古屋市交通局に貸し出しています.
 本来であれば車両更新もガイドウェイバス社が独自で行うべきところですが,同社の経営基盤は弱く,車両開発・更新ができず,名古屋市の負担で車両更新が行われました.

 日本唯一のシステムのため,全て独自開発が必要であることから,名古屋市が主体となって第二世代車両の開発が平成22年度より始まりました.
 当初はバリアフリーに対応した低床車両が検討されていましたが,床下に収納される案内装置や各種制御機器が支障するため,残念ながら現状では低床化は困難であるという結論となり,第二世代車両もこれまでと同様のツーステップ車両が採用されました.

 日野ハイブリッド車約3000万円に中扉リフト取付&2ステップ化などの車体改造に約1000万円,ガイド案内装置に約1500万円,車内各種機器に約600万,+諸経費税金で,1両あたり6230万円という超高級車です(市販車の2〜3倍).


▲主なガイドウェイバス特注仕様

▲営業用量産車と試作車

 

 平成24年4月に試作車が出場し,ガイドウェイ本線で試運転を行いました.
 これを受け本製造が行われ,平成25年(2013年)4月から導入が始まりました.
 平成25年度に旧形車の置換えとして25両が,平成26年度に増備用3両が導入されています.

 局番(車両番号)は,平成25年度導入車については第一世代車両を同時運用されたため,重複を避けてG01〜07,G21〜29,G31〜39が付与されています.
 第一世代車両引退後の平成26年度導入車は,第一世代車両と重複するG51〜53が再付与されています.

車両型式 導入年度 車両数 局番(車両番号)
GB-2110型 H25年度 25両 G01〜G07/G21〜G29/G31〜G39
H26年度 3両 G51〜G53

 

 当初想定では,12年更新を目標に令和8年度(2026年度)の次期システム導入と当車両の引退が計画されていました.
 しかしながら,自動運転等の次期システム導入には時間を要することから,令和8年度以降も稼働(延命)する見込みです.

 

 

GB-2110型 日野 LJG-HU8JLG(ツーステ/リフト車)

 第一世代のGB-2100型車両(日野リフト付き)の後継車として開発,製造されました.

 平成25年度(2013年度)導入車25両と,平成26年度(2014年度)導入車3両があります.
 同一車種,ほぼ同一仕様のため,当ページではまとめて紹介します.

 ベースとなった車両は,日野ブルーリボンハイブリッド(LJG-HU8JLGP)です.
 元は低床車ですが,案内装置など取り付けのため床下高を確保する必要があり,ツーステップバスに改造を行っています.
 軌道車両としての形式名はGB-2110型となりました.

車台 日野自動車 車体 ジェイバス架装「ブルーリボンシティ ハイブリッド」
型式 LJG-HU8JLG(HU8J) 仕様 ツーステップ(リフト付き)
機関 J08E-1M 総排気量 7,680cc 燃料 軽油
定員  人(座席24席) 車両重量 10.46t(総重量14.75t)
軸距 4,800mm 車体寸法 全長10,525×全幅2,490×全高?
変速機 5速MT ISS ABS

 

 

 外観・車体

 車体は,日野自動車製「ブルーリボンシティ ハイブリッド」です.
 特別改造されたツーステップ仕様です.

 【平成25年度導入車と平成26年度増備車の違い】
  →屋根上アンテナ台座の取り付け向きが異なる.
   (車両外観,内装ともに大きな変化なし)

 【登場後の主な外観の変化】
 (平成25年度導入車のみ)
  →平成26年度に屋根上アンテナ類の改造(旧システム用アンテナ撤去,アンテナかさ上げ)
 (全車対象)
  →平成29年度にヘッドライト(ロービーム)をLED化
  →令和6年度に行先表示器を更新(アンバー色LED→白色LED)

平成25年度式 25両 平成26年度式 3両

▲日野ハイブリッド車(GB-2110型)G-37
 (ヘッドライト&行先表示器更新前)

▲平成27年2〜3月導入 G-52
 (ヘッドライト&行先表示器更新前)

▲G-05 後部より
 (行先表示器更新前)

▲G-52 後部より 外観上の差はない
 (行先表示器更新前)

▲G-36
 (ヘッドライト&行先表示器更新後)

▲G-53
 (ヘッドライト&行先表示器更新後)

▲G-21 後部より
 (ヘッドライト&行先表示器更新後)

▲G-53 後部より
 (ヘッドライト&行先表示器更新後)


▲G-37 サイドビュー


▲導入年次による違い
 アンテナ台座形状と向きが異なる

 

 扉は前中2扉でグライドスライドドアです.
 中扉には折りたたみ式ステップリフトを装備しています.

 屋根上前方には,緊急無線や運行管理装置のアンテナが搭載されています.
 その後ろの大きな箱…バッテリー・インバーター・コンピューターなどハイブリッドシステムの機能をワンユニット化したPCUが載っており,「ゆとりーとライン」のロゴが大きく表示されています.
 その後ろは冷房装置デンソー製の電動式パッケージクーラーです.
 ISS(アイドリングストップ&スタートシステム)中も冷房が可能です.

 以上の搭載設備が大型化したため,車体重量の軽量化が図られており,前後ホイールはアルミ製を採用しています.
 これにより,車体重量は15,800kgと,ガイドウェイバスの上限16,000kgをギリギリクリアしています.


▲中扉 ツーステップ化改造を実施

▲アルミホイールと三菱マーク

 

 

 車内・内装

 車内は(ノンステではありませんが)国交省標準仕様に準じており,青系モケットの座席と橙色の縦手すりとなっています.
 座席は標準的なローバックタイプで,シートカバーは廃止されました.

 中扉直後までを前向き1人掛け座席を,後方は2人掛け座席を3列配置しています.
 最後尾は実質3人掛けで,運転席背後が荷物置き場になっていることもあり,座席定員は従来車より2名減少しています.
 中扉付近の座席4席は折りたたみ式になっており,これにより車いす2人分のスペースを確保しています.

 側窓は黒色サッシの逆T字窓とし,最後部は固定式です.
 ガラスは熱線吸収着色ガラスとし,横引きカーテンを廃止しています.


▲車内の様子 最前部から後方を望む

▲前向き1人掛け座席


▲最後部から前方を望む


▲中扉から前方を望む

 

 

 車内ワンマン機器類

 平成25年度の導入時,ワンマン機器類は第一世代車両の廃車発生品(平成22年度更新機器)が再利用されました.
 令和7年2月に後継機種に更新されています.(詳細は後述)

 運賃表示器は液晶式で,小児運賃が大人運賃の半額とならない料金体系であることから運賃が二段書きとなっています.

 前扉上には鉄道車両としての形式表示とともに,バス車両としての登録番号表示が並んで掲出されています.


▲車内 前扉付近の様子
 鉄道車両の形式表示とバス車両の登録番号
 (機器更新前/R6年以前の様子)

▲運賃表示機と料金箱


▲運賃表示機と表示例


▲中扉設置のICリーダと整理券発行機

 

 

 運転席

 運転席にも改良が加えられており,案内輪操作性向上のため,前部案内輪装置の展開・格納切換えスイッチに大型のT型レバーを採用しました.
 また,動作表示灯も大型化し,運転席前方に設置し,常に監視できるようになっています.

 モニター装置は2種類あり,1つは従来車にも搭載されている行き先を設定したり高架区間での運行ダイヤを表示させる装置です.新しく運転席上部に取り付けられたモニターは中扉監視カメラで,中扉リフト装置の死角を補っています.
 運転席右上には無線装置の操作表示器が取り付けられています.

 ミッションは従来車のATからMTに変更となったことから,高架区間では以前のように完全に手放し運転という訳にはいかず,変速操作が必要となっています.
 ニュートラルシフトロック機能付きFFシフトです.

 運転席背後には高架区間用の運行管理システム機器が,その下部には平面区間用の市バス用機器(バスロケ等)が取り付けられています.


▲運転席の様子

▲案内輪装置切換えスイッチ


▲走行案内装置表示盤
 


▲運転席上部の様子
 左上に中扉モニタ画面,右上に無線装置


▲高架区間用無線装置・表示器


▲運転席背後の機器類
 中段が高架区間用運行監視装置
 下段は市バス用バスロケ装置
 

 

 

車両配置表(第二世代) 平成25年 〜 平成26年

 当初の車両更新計画では,平成24年度末から26年度の3年度にかけて導入される見込みでしたが,車両開発の遅れに伴い平成24年度末導入予定の車両が平成25年春にずれ込みました.
 その結果,第一世代25両の置き換えは,平成25年度中に2期に分けて一斉に行われました.

 平成26年度末には増備分3両が追加導入されています.

 現在は,下記の1形式28両が活躍中です.
  ※G-30は欠番です.

平成25年式 LJG-HU8JLG 日野ブルーリボンシティハイブリッド
車両番号 製造 車両形式 登録番号 導入年月 車台番号
G-01 日野 GB-2110型
リフト車
名古屋200か3229 H25.4 国[01]054887
G-02 日野 名古屋200か3230 H25.4 国[01]054888
G-03 日野 名古屋200か3236 H25.4 国[01]054889
G-04 日野 名古屋200か3237 H25.5 国[01]054908
G-05 日野 名古屋200か3241 H25.5 国[01]054912
G-06 日野 名古屋200か3246 H25.5 国[01]054932
G-07 日野 名古屋200か3247 H25.5 国[01]054942
車両番号 製造 車両形式 登録番号 導入年月 車台番号
G-21 日野 GB-2110型
リフト車
名古屋200か3282 H25.9 国[01]060349
G-22 日野 名古屋200か3284 H25.9 国[01]060358
G-23 日野 名古屋200か3292 H25.10 国[01]060379
G-24 日野 名古屋200か3296 H25.10 国[01]060390
G-25 日野 名古屋200か3301 H25.11 国[01]060426
G-26 日野 名古屋200か3302 H25.11 国[01]060435
G-27 日野 名古屋200か3307 H25.11 国[01]065446
G-28 日野 名古屋200か3308 H25.11 国[01]065453
G-29 日野 名古屋200か3313 H25.12 国[01]065477
G-31 日野 名古屋200か3323 H25.12 国[01]065487
G-32 日野 名古屋200か3331 H26.1 国[01]065504
G-33 日野 名古屋200か3332 H26.1 国[01]065512
G-34 日野 名古屋200か3352 H26.2 国[01]065581
G-35 日野 名古屋200か3336 H26.1 国[01]065523
G-36 日野 名古屋200か3337 H26.1 国[01]065532
G-37 日野 名古屋200か3338 H26.2 国[01]065547
G-38 日野 名古屋200か3339 H26.2 国[01]065558
G-39 日野 名古屋200か3343 H26.2 国[01]065568
平成27年式 LJG-HU8JLG 日野ブルーリボンシティハイブリッド
車両番号 製造 車両形式 登録番号 導入年月 車台番号
G-51 日野 GB-2110型
リフト車
名古屋200か3465 H27.2 国[01]075210
G-52 日野 名古屋200か3470 H27.3 国[01]078546
G-53 日野 名古屋200か3473 H27.3 国[01]078553

  青文字の車両番号をクリックすると車両画像が別ウィンドウで開きます.
  ※改造前後など新旧画像が混在しています.

 

 

画像ファイル 登場後の改造・改良項目

 第二世代車両登場時(平成25年)から現在までの,外観・内装・機器等の変遷です.

 

 登場時〜平成26年当時の様子

 平成13年開業の名古屋ガイドウェイバスでは,平成25年の車両更新と同時に運行管理システムの更新も進められました.
 このため,平成25年4月から導入の始まった第二世代の新車には,新製当初から新システムの機器・アンテナ類を準備搭載するとともに,廃車となった第一世代車両から取り外した旧システム機器・アンテナ類を移設搭載し引き続き使用していました.
 以下に新旧システムを搭載していた平成25年度当初の様子を紹介します.

 前期(春)導入分7両と,後期(秋以降)導入分18両を比較すると,屋根上の旧システム用アンテナ(IRバスロケアンテナ)の取付台座の有無に違いがありました.


▲平成25年前期導入タイプ(G-06)
 登場時の姿

▲平成25年後期導入タイプ(G-27)
 登場時の姿


▲上:H25前期車/下:H25後期車の屋根上
 IRバスロケアンテナ台座の有無


▲旧システム用の乗務員IDプレート挿しを搭載

 

 平成26年2月をもって世代交代が完了したことから,平成26年春に新システムへの切り換えが行われました.
 以降,旧システム機器の撤去や新アンテナのかさ上げ改造が行われ,現在の姿となっています.


▲平成25年度前期導入タイプ(G-05)
 新アンテナ等改修後

▲平成25年度後期導入タイプ(G-37)
 機器改造により前期導入タイプと同じ外観に


▲現在の屋根上アンテナの様子
 IRアンテナを撤去し,新アンテナをかさ上げ


▲乗務員IDプレートを廃止しIC認証に切替
 

▲乗務員IDプレート廃止に伴い乗務員名札を運転席背後に新設
 (その後R5年に名札掲出を廃止)

 

 

 平成29年 ヘッドライト(ロービーム)LED化

 平成29年度に,市バス一般車両に合わせ,ガイドウェイバス車両28両についても,ヘッドライト(ロービーム)のLED化改造が行われています.


▲上:従来ライト/下:LEDライト

▲上:従来ライト/下:LEDライト

 

 

 令和7年 各種機器一斉更新

 ゆとりーとライン第二世代車両は平成25年度導入ですが,搭載するワンマン機器類は平成22年(2010年)頃に導入された第一世代の廃車発生品が流用されていました.

 令和6年度の市バス料金箱の全台更新(新紙幣対応)に合わせ,令和7年(2025年)2月にゆとりーとライン第二世代車両においても料金箱その他ワンマン運行機器の一斉更新が行われました.

 主な更新機器は次の通りです.新旧ともに小田原機器製です.

 <車外機器>
  ・行先表示器(アンバー色LED式→白色LED式)


▲行先表示器の更新(表示色を白色に変更)

▲正面表示器(白色LED式)


▲後面表示器(白色LED式)


▲側面表示器(白色LED式)

 <車内機器>
  ・料金箱(カード発行機外付き)(交通局と同一機種)
  ・音声合成放送装置
  ・LCD式運賃表示器
  ・整理券発行機
  ・系統設定器(電子フターフ)


▲旧・料金箱(H22年導入)

▲新・料金箱(R7年導入)
 カード発行機外付き

▲旧・運賃表示機(H22年導入)2画面

▲新・運賃表示機(R7年導入)1画面

 

 

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