一般系統の皮をかぶった「(元)隠れ出入庫」路線や,近年まで路線図に掲載されていなかった幽霊路線を紹介します.
当ページは古い情報で構成されており,現在の運行形態を反映したものではありません.
正規路線の皮をかぶった(元)隠れ出入庫系統 |
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時刻表や路線図を見ると「○○系統」と表記され,正規路線のように見えますが・・・
実際にバスに乗ろうとすると系統番号が見当たらない! 実は(元)出入庫系統だった!という路線を紹介します.
※(元)出入庫系統とは・・・
当初は出入庫系統として運行されていた路線で,現在は一般正規路線に組込まれているもの.
路線図や時刻表は正規路線として案内されているが,方向幕(行先表示)だけは過去の出入庫時代のものを流用することが多く,系統表示が無かったりする.
(方向幕含め,正規路線と完全同化した路線も多数あります.)
系統名 |
出入庫時代の系統名 |
金山22 |
地高・中 |
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金山22号系統 地下鉄高畑〜中川車庫前(地高・中系統) |
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金山22号系統は,金山駅から地下鉄高畑を経由して戸田・中川車庫前まで走る路線です.
全区間を走破する系統のほか,途中の地下鉄高畑を終起点する区間便も多数設定されています.
地下鉄高畑を発着する区間便のうち,一日数本のみ存在する「地下鉄高畑〜中川車庫前」間の路線は,路線図や時刻表では金山22号系統と一緒に表示されていますが,実際にバスに乗ってみると系統番号が見当たらず.(元)隠れ出入庫系統であったことが分かります.
現在の運行形態は調査中です.
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▲地下鉄高畑停の[金山22]中川車庫前行き時刻表 出入庫系統の表記はない(H19年撮影) |

▲地下鉄高畑→中川車庫前 2本幕車の表示例1 ※系統幕の地色は直前の運用による |

▲地下鉄高畑→中川車庫前 2本幕車の表示例2 系統記号は前面にあるが側面・後面に表示なし |

▲方向幕車 側面表示例 |

▲方向幕車 後面表示例 |

▲地下鉄高畑→中川車庫前 LED車の表示例 系統記号の表記なし(H22年撮影) |
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▲中川車庫前→地下鉄高畑 LED車の表示例 系統記号の表記なし(H22年撮影) |

▲同左 側面表示 |
余談・・・
地下鉄高畑〜中川車庫前間を結ぶ出入庫を目的とした区間便は全部で3系統も存在します. 上記で紹介した中島橋経由のものは(元)出入庫の「地高・中」系統といいました.

▲中川(営)〜(地)高畑 出入庫3路線 |
「地高・中」系統=金山22号系統の他にも,
八王子町経由の「中・地高」系統と, 中川住宅経由の「中・畑」系統 があります. |
最近まで存在した隠れ出入庫系統 |
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隠れ出入庫系統は,かつて,営業所(車庫)と主要駅を結ぶ路線で多数存在しました.
しかし利用者にとっては,同じ系統にも関わらず車両運用によって案内表示が異なることは大変分かりにくく,近年は徐々に正規路線に統合されてゆきました.
以下に近年まで存在した「隠れ出入庫」系統を紹介します. ※この他にも存在したそうです.
黒川11号系統は,黒川駅から中切町四丁目を経由し如意車庫前・北部市場まで走る路線です.
平日朝ラッシュ時に,1本だけ設定されている区間増発便があります.
元「如・黒」系統の「中・黒」路線(如意車庫前〜黒川間の出入庫系統の中切町〜黒川間支線)です.
平成24年までは正式な出入庫路線として存在しつつも,路線図や時刻表には掲載されていない「幽霊路線」でした.
(幽霊路線時代の様子は下段に記載)
平成25年からは,黒川11号系統の区間便として正式路線となり,路線図や時刻表にも掲載されるようになりました.
しかしながら,方向幕だけは出入庫時代のまま系統記号無し表示でした.

▲始発の中切町停の時刻表 黒川12の時刻表に「黒川11」として併記されている |

▲同左 路線図(H25年撮影) H25年より路線図に掲載 |

▲黒川11号系統中切町始発便(H25年撮影) 系統記号の表記なし 平日朝1本のみ |

▲LED行先表示拡大(H25年撮影) |

▲黒川11 中切町→黒川(H25年撮影) |
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現在では方向幕車が消滅したこともあり,「黒川11」のLED表示が追加され,隠れ出入庫系統時代の面影は無くなっています.

▲現在の中切町始発便 行先表示に[黒川11]追加 経由地表記なし(R6年撮影) |

▲同左 側面表示(R6年撮影) |
要町11号系統・有松12号系統(現在の鳴海12号系統)の鳴尾車庫〜名鉄有松間の区間便としての役割を持っていた「出入庫(鳴・有)系統」は少し複雑な経歴を持つ路線です.
当初は,正規の出入庫系統であり,路線図や時刻表にも表記されていました.
が,近年は運行されておらず,方向幕にその痕跡が残るのみでした.
平成28年4月改正にて緑巡回系統の名鉄有松送り込み回送の営業化が行われ,かつて運行されていた出入庫系統ではなく,有松12号系統の支線として路線が復活しました.
路線図や時刻表には有松12号系統として掲載されましたが,方向幕は既存のコマを流用することになり,系統記号なしの出入庫スタイルで運行されました.

▲H28年復活 名鉄有松〜鳴尾車庫区間便 有松12号系統として運行 |
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▲有松12号系統の区間便 方向幕は出入庫様式 (画像提供 荒車さま) |

▲側面方向幕 (画像提供 荒車さま) |
令和4年4月改正にて,有松12号系統は鳴海12号系統と名を改めるとともに南大高駅経由に経路変更され,名鉄有松を経由しなくなりました.
名鉄有松発着の区間便は正式に出入庫(鳴・有)系統として独立しました.
【隠れ出入庫の例】
地植・野系統 (野並11号系統 相生山→地下鉄植田)
地原・島系統 (原11号系統 地下鉄原〜島田住宅)
地原・緑系統 (原12号系統 地下鉄原〜緑車庫)
緑・藤系統 (原13号系統 緑車庫〜藤田保健衛生大学病院)
かつての「隠れ出入庫」系統の代表格,緑・藤系統の画像を紹介します.

▲ダイヤ上は原13号系統/病院発緑車庫行き
ただし表示器に系統表記はない |

▲LED式側面表示器 |

▲緑車庫発病院行き こちらは前面のみ系統入り この他,系統無し前面幕も用意されていました |

▲側面幕と後面幕に系統は入らず |
近年まであった路線図にない幽霊路線 |
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近年まで路線図に掲載されていなかった幽霊路線を紹介します.
※現在は全ての路線が路線図に掲載されるようになりました.
路線図:表記なし 現地バス停系統路線図:表記なし Web系統路線図:表記なし
現地バス停時刻表:栄23号系統→金山22号系統 Web時刻表:幹高畑1号系統
かつて存在した幽霊路線の代表格「地高・高系統」です.毎日早朝1本のみ運行されていました.
平成25年4月ダイヤ改正で起点が高杉町から中川車庫前となり,同時に系統名を「中・地高」に変更するとともに,正式に路線図や時刻表に掲載されるようになりました.
当ページでは平成24年以前の「地高・高系統」時代の模様を紹介します.
高畑交差点は右折し,地下鉄高畑5番のりばに着停し降車扱いします.
これと同時に方向幕を転換し,平日は高畑16系統として,土休日は高畑14系統となっていました.
路線図:黒川12号系統 現地バス停系統路線図:表記なし Web系統路線図:表記なし
現地バス停時刻表:如・黒系統 Web時刻表:黒川11号系統
平日朝ラッシュ時の区間増発便として1本のみ運行されていた「如・黒系統」です.
平成25年4月ダイヤ改正以降は,「黒川11号系統」の区間便として,正式に路線図や時刻表に掲載されるようになりました.ただし車両掲出の方向幕だけは系統表記の無い出入庫状態のままとなっています.(詳しくは上記「隠れ出入庫」の欄を参照)
平成24年以前は路線図や時刻表に表記が無かったり,見る場所によってバラバラな表記がされていました.
現地停留所の時刻表には,経路が同じ黒川11系統や黒川12系統と併記されていました.
路線図上は黒川12系統と同じであるとみなすことができます.

▲黒川12系統と併記される中切町停時刻表
Web時刻表上は黒川11系統となっているが,現地には「如・黒系統」と正しく表記されている.中切町では黒川12系統の,それ以外では黒川11系統の時刻表に掲載される |

▲現地バス停掲載の路線図
路線図上は黒川12系統の区間便と見ることもできるが, 正確には如・黒系統の表記はない |

▲中切町8:14発 朝ラッシュの増発便として機能する
出入庫系統につき系統表記はない |

▲2本幕車 |

▲側面方向幕 停車する全停留所が記載されている |
運用上は,黒川11号系統ではなく,幹栄1号系統の間合い運用となっています.
朝,黒川BTに到着した幹栄1系統は降車扱い後,すぐに中切町まで回送されます.
折返し如・黒系統となり黒川まで運行された後は,再び幹栄1系統となります. |
路線図:表記なし 現地バス停系統路線図:東海12号系統 Web系統路線図:表記なし
現地バス停時刻表:東海12号系統 Web時刻表:東海12号系統
平日早朝に中川車庫前から港区役所まで,夕方に港区役所から中川車庫前まで,一日1.5往復出入庫を兼ねたバスが走ります.
このバス,東海12号系統を名乗り,時刻表にも掲載されていましたが,路線図を見ると・・・当知一丁目から中川車庫前の区間に東海12号系統の表記は無く,路線図に未掲載の経路を走る路線でした.
平成26年9月発行の路線図からは正式に掲載されるようになりました.

▲早朝に中川車庫前を発車する東海12系統
路線図を見ると東海12系統は通らないはずですが… |

▲側面方向幕
港区役所〜当知1の間は正規路線 |

▲後幕 |

▲現地バス停にある手書きの系統路線図 幹神宮1系統と一緒に書かれている |

▲以前の港区役所停の路線図 当知一で分岐する線は記載されていない |

▲港区役所→車庫便の方向幕 後から追加されたこともあり前面に系統表記なし |

▲平成26年6月以降は前面方向幕にも系統表記あり |
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路線図:表記なし 現地バス停系統路線図:新瑞14号系統 Web系統路線図:表記なし
現地バス停時刻表:新瑞14号系統 Web時刻表:新瑞14号系統
新瑞14号系統は新瑞橋とワイルドフラワーガーデンを結ぶ路線ですが,早朝に鳴尾車庫を出発し,途中の船見町からの本線に合流する出庫便が片方向のみ設定されています.
このバスも,以前は鳴尾車庫→船見町間は路線図に掲載されていませんでした.
平成26年9月発行の路線図からは正式に掲載されるようになりました.
※お断り 幽霊路線と表現していますが,かつて京都市で話題となった「幽霊バス(組合ダイヤ)」とは関係ありません.
ここで取り上げる路線は正規の免許路線です.
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