市バス貸切事業の概要,貸切料金,貸切車の方向幕などを紹介します.
解説 市バスの貸切事業について |
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市バスでは,乗合事業(路線バス)だけでなく,貸切事業(貸切バス)も行っています.
かつては貸切専用車を保有し,定期観光バスや市内小中学生の校外学習に使用するなど,精力的に貸切事業を行っていました.
その後,市と民間でつくる貸切事業専門の「名古屋遊覧バス」が設立され,市バスの貸切事業規模は縮小されました.
現在では貸切タイプの車両(いわゆる観光バス)の保有はなく,路線バスタイプの車両を各営業所1両ずつ貸切登録することで,必要最小限の体制で貸切事業免許を維持しつつ,本業の乗合事業に影響のない範囲で,イベント輸送など突発的な貸切バス需要に対応できる体制となっています.
貸切バス車両の詳細は 市バス車両>貸切・事業用車コンテンツ

▲貸切バス全盛期の貸切専用車両 (出典:市営交通70周年誌より) |

▲現在は専用車両はなく,路線バス車両を貸切登録 (出典:市営交通70周年誌より) |
令和元年現在,市バスには12営業所があります.
このうち,一般貸切旅客自動車運送事業(貸切バス)の営業所として登録され,運行管理者「貸切」の管理によって貸切バスを運行できるのは10営業所のみです.
営 業 所 |
浄 心 |
楠 |
如 意 |
中 川 |
稲 西 |
港 明 |
鳴 尾 |
緑 |
野 並 |
猪 高 |
御 器 所 |
大 森 |
貸切 対応 |
可 |
不 可 |
可 |
可 |
可 |
不 可 |
可 |
可 |
可 |
可 |
可 |
可 |
解説 市バスの貸切料金について |
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市バスの貸切料金については,国の貸切バス運賃制度の見直しに伴い,平成27年7月1日より料金体系が大きく変更されました.
従前の時間制運賃(走行時間2h〜)を主体としたものから,時間制(走行時間3h〜+点検2h)とキロ制の合算運賃に変更されました.また中型車料金(※)が新設されました.
(※)中型車料金が適用されるのは市バスでは小型車(NSF車)のみでした.中型車(NMx車)は大型車料金です.現在,市バスでは中型車料金が適用される車種はありません.
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【時間制運賃】 営業所出庫から帰庫までの走行時間(最低3時間)に,出庫前点検・帰庫後点検の各1時間ずつ合計2時間を加え,時間単価を乗じた金額
大型車 7,590円/h
中型車 6,400円/h(適用車種なし)
【キロ制運賃】 営業所出庫から帰庫までの走行距離にキロ単価を乗じた金額
大型車 160円/km
中型車 130円/km(適用車種なし) |
【その他ルール】
・時間制とキロ制を合算
・時間制は走行時間が3時間未満の場合は3時間とし,点呼点検時間の2時間を加え5時間とする
・短時間輸送(走行時間4時間以下)は公示下限額を適用する
大型車 5,310円/h,110円/km 中型車 4,480円/h,90円/km(適用車種なし)
・福祉団体は3割引,学校関係団体は2割引とする.
【注意】
・これら情報は,平成27年7月の料金体系変更時点のものを,当時の記録として記載しています.
その後,料金改定等,変更されている可能性があります.申し込みの際は必ず交通局に確認してください.
【R6年7月運賃・料金改定予定】
国の貸切自動車運賃・料金に係る制度変更等に伴い,市バス貸切運賃・料金も改定されます.
貸切運賃 ・料金 |
時間制運賃 |
距離制運賃 |
大型車 |
中型車 |
大型車 |
中型車 |
H27.7〜 |
7,590円/h |
6,400円/h |
160円/km |
130円/km |
R6.7〜 |
9,750円/h |
8,230円/h |
200円/km |
180円/km |
専用車両と専属ドライバー,観光ガイドを抱える民間貸切バス会社と異なり,市バスの貸切事業は,あくまでも乗合事業の“おまけ”です.
このため,申し込みしても車両手配や乗務員都合がつかない場合は断られます.
市バス貸切の諸条件は次の通りです.
(1)車両
車両は大型車両(約70人乗り.うち座席30名分程度)です.
以前は中型車両(約35人乗り.うち座席18名分程度)も選択できました.
原則として車種の指定はできません.
(2)区間
原則として市内のみの運行です.
(3)用途
学校団体や子ども会行事の送迎,冠婚葬祭の送迎,会社イベント時の送迎など
基本的には座席が少なく&詰め込みのきく路線バス車両の特徴を生かした,短距離移動でかつ2地点間の大量輸送に適しています.長距離,複数地点を巡る観光バスのような用途には不向きです.
貸切バスの申し込み,問い合わせ先は次の通りです.
交通局「貸切バス」
解説 貸切バスの方向幕について |
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市バスの全ての車両には,貸切運用に備えて「貸切」表示が用意されています.
既に廃車となった方向幕車の事例含め,「貸切」表示の変遷を紹介します.
系統分離幕車の場合,系統幕に「貸」,行先幕に「貸切」を表示していました.
一本幕車の場合,「貸切」表示のみです.
ともに青文字で,英字はありません.

▲系統分離幕車 |

▲一本幕車(現在も同表示) |
LED式の行先表示器を搭載する車両にも貸切表示が用意されています.
現在までに2回データ更新されています.
(漢字のみ→英字Reserved追加→英字をCharterBusに変更)

▲LED車当初の貸切表示(英字なし) |

▲平成25年4月〜(Reserved追加) |

▲平成28年4月〜現在(Charter Busに変更) |
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このほか,フレキシブルな表示が可能な特徴を生かし,大規模なイベント,特別なイベントによる貸切の際には,通常の「貸切」のみの表示に代えてイベント名称を表示することがあります.
以前はイベント名称のみを表示していましたが,平成31年(2019年)の貸切登録車両への「貸切」側面プレート取付廃止に伴い,LEDに「貸切 ○○(イベント名称)」と表示するようになりました.

▲イベント名称を表示した貸切バス 「蟹江町須成祭」の事例 |

▲H31〜「貸切」を併記 「名古屋まつり」の事例 |
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