市バス貸切輸送のうち,学校団体による契約輸送(学生輸送を主目的として定期的に運行されるもの)を紹介します.
【運行日】定期 【一般利用】不可(学生など対象者のみ可)
(1)愛知淑徳大学(本郷発着) (2)中西学園(上社発着)
愛知淑徳大学(本郷〜猪高緑地) |
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愛知淑徳大学は,長久手市と星ヶ丘にキャンパスがあり,このうち長久手市にある長久手キャンパスの主な交通手段は路線バスです.
長久手キャンパスの一角が市バス乗降場及び回転場(猪高緑地停留所)となっており,幹本郷1号系統が乗入れています.
朝夕を中心に非常に多くの学生が利用するため,幹本郷1号系統の本郷〜猪高緑地間は平日朝13本/h,昼間6本/hと高頻度運行が行われています.
これでも輸送力が不足することから,朝は駅(本郷)→大学(猪高緑地)方向に,夕方は大学→駅方向に,交通局による増発運行が行われると共に,大学による契約輸送も行われています.
交通局による増発運行は,定期路線バスと同様に幹本郷1号系統として運行されるため,学生に限らず誰でも乗車できます.
定期路線バスとの違いは,時刻表に掲載されているか否かです.
これら定期便及び増発便の合間に,大学による契約輸送(貸切バス)が運行されます.
貸切バスは途中停留所には停車せず,途中の高針台中東交差点から極楽東交差点までバス経路を外れショートカット経路で運行します.
貸切バスの乗車に当たっては,学生証等の提示が必要です.
運行は幹本郷1号系統と同じ大森営業所の担当で,朝の本郷駅のりばには定期路線バス車両と貸切用車両がずらりと並び壮観です.大森営業所の担当者による立ち番も付きます.

▲地下鉄本郷駅隣接の本郷バスターミナルを発着している |

▲朝ラッシュ時の本郷BTの様子(H22年頃) 定期・臨時便のほか貸切便が待機する |

▲朝ラッシュ時の本郷BTの様子(H27年頃) |

▲2番停に停車中の増発便(猪高緑地行) 定期便との違いは時刻表記載の有無のみ |

▲幹本郷1号系統(定期便及び臨時便)の合間に差し込まれる大学による貸切便(学生等のみ乗車可) 利用できない路線バス利用者は横で待機 |
一般路線用の市バス車両が使用されます.
貸切便のみの運用もあれば,増発便と貸切便の混成運用もあります.
以前は方向幕は「貸切」表示で,後にフロントガラス内側に「貸切 愛知淑徳大学」ラミネートを掲出するようになりました.

▲ツーステップ車(分割型方向幕) |

▲ツーステップ車(一体型方向幕) |

▲ノンステップ車(方向幕) |

▲ノンステップ車(LED方向幕) |
令和2年10月より専用LEDが表示されるようになりました.

▲淑徳大貸切 専用LED表示(往復路共通) |

▲本郷BT停車中 |

▲専用LED側面・後面表示(画像提供:G様) |
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中西学園(上社〜日進市岩崎) |
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中西学園は,日進市に名古屋外国語大学と名古屋学芸大学を有する学校法人です. この二つの大学キャンパスは並立しており,主な交通手段は送迎バス(スクールバス)です.
地下鉄上社駅と地下鉄赤池駅から,それぞれ送迎バス(スクールバス)が運行されています.
送迎バスの運行は,以前は(株)アスカ→(株)セントラルサービスが,平成27年(2015年)からは豊栄物流(株)→豊栄交通名古屋(株)が担当しています.
車両は専用車両(特定車)で運行しています.
かなりの台数を走らせていますが,朝夕通学時間帯では輸送力が不足することから,上社路線において市バス貸切による契約輸送も併用して行われています.
豊栄交通が運行する特定車による送迎バスの合間に,「貸切」表示の市バス貸切車が同一ルートで運行されます.
乗車時に地上スタッフに学生証等を提示する必要があり,関係者以外は乗車できません.
市バス貸切車による契約輸送は,平成29年(2017年)までは猪高営業所が最大で4両体制,緑営業所が最大1両体制で共同担当していました.
平成30年(2018年)からは,副担当が緑営業所から大森営業所に代わりましたが,ほとんど運行実績はないようです.
令和3年(2021年)からは,猪高営業所減車のため,鳴尾営業所の3両体制に変わりました.
従来,市バス貸切車による契約輸送は,朝の往路(大学行)のみ運行で,夕方の復路輸送(上社駅行)はありませんでした.
令和6年(2024年)からは,朝の往路輸送に加え,夕方の復路輸送も始まりました.
(朝夕ともに鳴尾営業所の3両体制です.)

▲地下鉄上社駅併設の上社BT |

▲特定輸送車の合間に差し込まれる市バス貸切 |

▲大学関係者が上社BT内で立ち番する BT内でカードリーダーでIC学生証チェック |

▲貸切に使用される車両 特別な表示はなし「貸切」表示のみ |
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▲市バス便の担当営業所は度々変更あり R3年度は鳴尾営業所が担当 |
午前(朝)輸送は,往路(上社駅→大学)のみ客扱いで,復路(大学→上社駅)は回送です.
地下鉄上社駅を発車したバスは,東山通を東進します.名古屋ICと東名高速を越え,長久手市へ.
往路は脇交差点を右折し,愛知淑徳大北側の新興住宅街を通り抜け,日進市の大学へ至ります.
回送復路は愛知学院大学前を経由するなど別経路を走ります.

▲東名高速名古屋ICを横目に東山通を東進 |

▲日進市にある大学前交差点を直進する市バス |

▲大学構内に進入する市バス貸切車両 大学構内は一方通行 |

▲大学出口より顔を出す市バス 右奥に見える屋根がバス乗降場 |

▲大学より退出し上社に向う回送車 |

▲復路回送経路は愛知学院大学前を経由する |
令和6年4月より始まった午後(夕方)輸送は,復路(大学→上社駅)のみ客扱いで,往路(上社駅→大学)は回送です.
令和6年4月時点では3両×3本=9本運行されていました.

▲夕方の復路輸送の様子 大学を出発し上社駅に向かう市バス貸切車 (画像提供Gさま) |

▲同左 NS-311号車(鳴尾営業所) (画像提供Gさま) |

▲学生を乗せて上社駅に向かう 折り返し,駅から回送で大学に戻ってくる (画像提供Gさま) |
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平成27年以降は,豊栄交通グループが購入した車両(日野ブルーリボン)のほか,前任のセントラルサービスより引き継いだ車両(ふそうエアロスター),グループ企業の応援車両(豊栄交通の路線車や観光車)など,約20両もの様々な車両が活躍しています.

▲豊栄物流 日野ブルーリボン |

▲元セントラルサービスのエアロスター |
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