基幹バスシステムを支える,バスレーン・シェルター等の施設を紹介します.
バスレーン・バス停留所 |
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日本で唯一となる中央走行方式バスレーンを運用する基幹バス出来町線(基幹2号系統)の特徴的な施設を紹介します.
中央走行方式バスレーンの利点は次の通りです.
・駐停車車両の影響を受けない.
・左折車混入の影響を受けない.
・地先利用の影響を受けることなく,バスレーン時間帯の制約条件が緩やかとなる.
・区画街路からの流入車に妨げられない.
これら利点により,中央走行方式の効果として,高速運行,高密度運行,定時性の確保が期待できます.
カラー舗装のバスレーンは,桜通大津〜引山間の9.2kmで整備されています.
平日の7時〜9時,17時〜19時をバス専用レーンとし,それ以外の日時はバス優先レーンとして運用されています.
(当初は土曜日も専用レーンとして運用していました.)

▲可変式の規制表示板 基幹バス専用表示 |

▲バス優先表示 |

▲バスレーンは「基幹バス専用」 一般路線バスは路側走行する |
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道路中央に設置することになったバス停(バスシェルター)は,交差点流入部に,相対式で設置されました.
バス停の基部となる部分を含め,関連施設を交通島として整備されました.
バス停(バスシェルター)は,全長35mで,バスが2両同時に発着できるよう乗降口が4箇所設けられています.
シェルター内には,時刻表等案内板に加え,バス接近表示器(一部未設置停あり)が設置されています.
開業当初はゴミ箱やすいがら入れも設置されていました.

▲バス停設置方式 (画像は局パンフ「基幹バス」より) |

▲バス停シェルター (画像は局パンフ「基幹バス」より) |

▲相対式バス停シェルター(交通島) |

▲谷口停(片側3車線道路) |

▲大津通停 |

▲茶屋ヶ坂停(片側2車線道路)歩道側 |

▲谷口停(シェルター長15mタイプ) |

▲茶屋ヶ坂停(シェルター長10mタイプ) |

▲シェルター内部の様子 |

▲バス接近表示器(3代目?) |

▲掲示物(時刻表,各種案内) |

▲LCD化されたバス接近表示器(4代目?) |
バス停や右折帯を設置するため,車道拡幅や分離帯の移設など交差点改良が12箇所で行われました.
バス停シェルター(交通島)により,バスレーンが反対車線に寄っており,交差点通過時に油断すると逆走してしまう可能性が高いため,交差点内もバスレーン舗装されています.

▲交差点改良の概要 (画像は局パンフ「基幹バス」より) |

▲交差点改良の概要 道路断面構成の新旧 |

▲交差点通過時は逆走・対向車に注意 |

▲徳川園新出来付近 |

▲徳川園新出来付近 大きな交差点は車線の横移動が緩やかで,交差点内でのバス車両同士のすれ違いも可能 |

▲基幹バス車内からの視点 直線方向に進行すると反対車線に突入してしまう |

▲谷口付近 小さな交差点は車線の横移動が急なため,交差点内でのバス車両同士のすれ違いは不可 |

▲猪子石西原付近 特に狭い交差点の一つ バスは大きく左右に揺れる |

▲国道と交差する赤塚白壁付近 かつてバスレーン舗装がなく,逆走が多発したため,横断する国道にもカラー舗装を追加実施した |
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基幹バス利用者,一般車の安全対策として,各種安全施設が設けられました.
【基幹バス利用者(横断者)の安全対策】
バスシェルター,歩行者用灯器,音声警告装置,歩行者誘導案内表示板,ガードブロック等
【一般車の安全対策】
大型規制標識,交差点流入部の通行区分指定,街路灯,反射板,チャッターバー等

▲歩行者誘導案内表示板(音声警告装置付き) |

▲一般車の安全対策の例 |
基幹バス運行と一般車の円滑な流れを確保するため,信号機の系統化が図られた他,(右折帯含め)片側4車線以上の交差点はセパレート信号(矢印信号)としました.
PTPS(公共車両優先システム)は導入されていません.

▲交差点流入部の通行区分指定と大型規制標識 |

▲規制標識とセパレート信号機 |
料金制度等 |
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基幹2号系統「新出来町線」,名鉄バス「本地ヶ原線」の料金制度について紹介します.
基幹バスは,交通局と名鉄バスという料金体系の異なる2事業者により共同運行されていますが,料金制度は可能な限り同一となるよう工夫されています.
普通運賃は,交通局・名鉄バス共に大人210円です.この場合,本来の小児運賃は交通局100円,名鉄バス110円となるところですが,名鉄バスも交通局に合わせて当路線のみ100円としています.
当初,市バスは引山までの運行でしたが,担当営業所の変更に合わせて回送区間の営業化を行うことになり,平成15年12月に名鉄バスの運賃体系に合わせて(均一料金区間である)三軒家まで市バス路線が延長されました.
平成16年3月には現在の市バス終点である四軒家まで再延長されましたが,この際は名鉄バスとの料金調整は行われませんでした.
このため,現在も四軒家・四軒家西口停から都心方面へ基幹バスに乗車する際は,運行会社によって料金が異なる二重運賃区間となっています.
(都心〜四軒家間の運賃は,市バス210円,名鉄バス380円です.)

▲上:普通運賃制度/下:共通乗車制度 |

▲名鉄BC掲出の名鉄基幹バスの運賃表 均一料金区間(三軒家)を越えると一気に運賃が上がっていく |
均一料金区間である都心(栄・名古屋駅・名鉄BC)から三軒家・猪高車庫まで間では,共通乗車制度が導入されており,同区間内では,例えば名鉄基幹バスに乗車した後に地下鉄に乗車した場合でも乗継割引が適用されます.
定期券については,(名鉄BC含む・)栄〜引山間において,共通乗車制度が適用されます.
(例えば市バス定期券で名鉄基幹バスに乗車可能.)

▲バス停掲出の共通利用区間の案内 |

▲バス停掲出の路線図と共通利用区間 |
画像ギャラリー |
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その他画像を紹介します.
バス停シェルターの基本サイズは,横幅1,505×高さ3,100で,長さは10m,15m,20mの3タイプがあります.
(清水口停〜香流橋東停,猪子石原停)
これ以外に,特に利用者の多い市役所停,道路幅員に余裕のある大津通停は,横幅が広いタイプのものが採用されています.
逆に,道路幅員の狭い猪子石西原停は,横幅が狭いタイプのものが採用されています.

▲市役所停(北行) 横幅3,455×高さ3,510×長さ20m |

▲市役所停(西行) 横幅3,455×高さ3,510×長さ15m 下記「特殊な運用」を参照 |

▲大津通停 横幅1,755×長さ15m やや横幅広めのシェルター 起点に近いためバス接近表示器なし |

▲猪子石西原停 横幅1,255×長さ10m 横幅が特に狭いシェルター |
通常,交通島(バスシェルター)は,バス進行方向に出入口(横断歩道との接続口)が設けられています.
この場合,交差点から乗車口が近く,利便性も高いのですが・・・ 利用者が集中する多客停留所の場合,待ち行列がシェルター(上家)からはみ出して並ぶことになります.
特に雨の日は大変です.
市立大学北千種キャンパスおよびナゴヤドーム最寄りの萱場停留所(西行)は,シェルター手前に屋根が追加設置されています.
金城学院中学校・高校最寄りの白壁停留所(西行)は,通常とは反対側の,進行方向後ろ側に出入口が設けられており,より多くの方がシェルターの中でバス待ちすることができます.

▲一般的なシェルター構造と待ち行列の位置 行列の後ろは青天井でバスを待つことになる |

▲萱場停(西行) 屋根を追加設置 |

▲白壁停(西行) 後方から出入りする (シェルター長20mタイプ) |
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基幹2号系統と名鉄バスは,中乗り前降りの料金後払いです.
平日の朝間ラッシュ時を非常に多くの降車客がある,栄・名古屋駅方面の市役所停(西行)では,降車時分短縮(料金清算時分短縮)のため,本来は乗車専用入口となるバス中扉付近に可搬式運賃箱を設置し,中扉からも降車&精算対応しています.
同様に引山方面の白壁停(東行)では,交通局職員と名鉄バス職員が立ち,中扉からも(定期券客のみ)降車させています.

▲朝ラッシュ時の市役所停(西行) (manaca導入以前の様子) |

▲可搬式運賃箱を2基設置 (manaca導入以前の様子) |

▲可搬式運賃箱 磁気カード清算用 (manaca導入以前の様子) |

▲中扉での降車扱い・清算の様子 (manaca導入以前の様子) |

▲可搬式運賃箱 車載式と同時に機種更新(R6年度) ICカード清算OK |
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カラー舗装のバスレーンは,定期的に補修修理されます.
工事期間中はバスレーンが通行止めとなるため,基幹バスは左車線(路側)に寄り,歩道上に設置された臨時停留所で乗降扱いします.

▲歩道上に設置された臨時停留所 |

▲基幹バスは左車線に寄り,臨時停に停車 |
バスレーン専用時間帯の違法走行車両対策として,現在は交通局の監視員や警察官による監視・誘導・取締りが行われているところですが,以前は道路上の電光掲示板に警告表示を行うシステムも稼働していました.(現在は老朽化のため撤去済みです.)

▲愛知県警が運用していた,違法走行車両を検知して前方電光掲示板に警告を表示するシステム |
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