廃車になった名古屋市電のうち,解体されず現在も静態保存されている車両,当初は保存されていたが近年解体された車両などを紹介します.
レトロでんしゃ館に保存されている3両は 別ページをご覧ください. 当ページでは,それ以外の車両を掲載しています.
名古屋市電 保存車両リスト(調査中) |
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保存車両リストは調査中であり,当ページに掲載されている車両が全てではありません.
他の軌道事業者への譲渡事例は,当ページ上部に掲載しています.
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車両形式 |
車両番号 |
記事 |
保存場所 |
備考 |
改造単車 |
179 |
有 |
上前津東公園 |
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204 |
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豊橋市内民間工場(倉庫) |
→豊鉄505→解体 |
電動貨車 |
貨2 |
有 |
藤ヶ丘工場→東山動物園 |
解体 |
1200型 |
1204 |
有 |
豊橋市こども未来館 |
→豊鉄702→3702 |
1300型 |
1316 |
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藤ヶ丘工場 |
解体 |
1400型 |
1401 |
有 |
名古屋市科学館 |
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1403 |
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弥富市間崎公園 |
解体 |
1411 |
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愛西市八開(電車ラーメン) |
解体 |
1421 |
別 |
レトロでんしゃ館 |
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1426 |
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日進東小学校 |
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1461 |
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稲沢住宅団地 |
解体 |
1475 |
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藤ヶ丘工場→東山動物園 |
解体 |
1500型 |
1509 |
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高浜市内 |
解体 |
1522 |
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東郷町内 |
解体 |
1528 |
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岐阜県の山中 |
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1529 |
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岐阜県の山中 |
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1530 |
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岐阜県の山中 |
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1550型 |
1556 |
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大府市内 |
解体 |
1559 |
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岐阜県ひるがの高原 |
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1600型 |
1603 |
有 |
刈谷市児童交通公園 |
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1607 |
有 |
中川区伏屋 |
解体 |
1609 |
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岐阜県中津川市太田町 |
? |
1638 |
有 |
春日井市交通児童遊園 |
解体 |
1651 |
有 |
上飯田北町1・2丁目公園 |
解体 |
1800型A |
1814 |
有 |
豊田市平芝坂の上公園 |
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1800型B |
1825 |
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個人所有 |
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1900型 |
1913 |
有 |
中川区伏屋→(移転)保存会 |
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2000型 |
2017 |
別 |
レトロでんしゃ館 |
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2025 |
有 |
北区清水 |
前面のみ |
2029 |
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藤ヶ丘工場 |
解体 |
2700型 |
2701 |
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藤ヶ丘工場 |
解体 連接車 |
3000型 |
3003 |
別 |
レトロでんしゃ館 |
連接車 |
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名古屋市電 保存・展示場 |
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複数の名古屋市電車両を保存展示していた施設を紹介します. 1両のみ保存する施設や廃車体は下記「保存車の詳細情報」をご覧ください.
昭和45年7月15日,地下鉄藤ヶ丘工場の正門脇に「名古屋市電展示場」が開設されました.
名古屋市電の代表車種を末永く保存する目的でしたが,屋外保存のため老朽化が進み,昭和54年3月末に閉鎖されました.
保存車は5両ありましたが,比較的状態の良かった貨2,1475は再整備の上,東山動物園へ.その他3両は解体されました.
車両形式 |
車両番号 |
閉鎖後の行方 |
電動貨車 |
貨2 |
東山公園→解体 |
1300型 |
1316 |
解体 |
1400型 |
1475 |
東山公園→解体 |
2000型 |
2029 |
解体 |
2700型 |
2701 |
解体 |

▲市電展示場ポスター(復刻) |
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名古屋市科学館の屋外に,昭和45年に3000型(連接車)が,昭和49年に1400型が展示されました.
その後,科学館の増築工事により手狭となったため,昭和61年に3000型が返還され,現在も1400型のみが展示されています.
車両形式 |
車両番号 |
現在 |
3000型 |
3003 |
レトロでんしゃ館 |
1400型 |
1401 |
現在も展示中 |
藤ヶ丘工場の名古屋市電展示場の閉鎖に伴い,2両(貨2,1475)が昭和54年に東山動物園内に移転・再展示されました.
移転にあたり再整備が行われ,動物園施設として有効活用もされましたが,平成9年の動物園再整備に向けて保存場所が支障となることが分かったため,再々度移転が計画されました.
しかしながら屋外展示のため老朽化が酷く断念.平成7年夏に現地解体されました.
車両形式 |
車両番号 |
閉鎖後の行方 |
電動貨車 |
貨2 |
解体 |
1400型 |
1475 |
解体 |
市電の代表的な車種3両と,地下鉄車両2両を末永く保存するため,専用の屋内展示施設「レトロでんしゃ館」が,平成12年6月に地下鉄日進工場の事務所棟北側に新設されました.
展示されている市電は,廃車後,市内の各施設で保存されてきたものです.
詳細は レトロでんしゃ館 をご覧ください.
車両形式 |
車両番号 |
出元 |
1400型 |
1421 |
ダイエー上飯田店(〜S59)→ |
2000型 |
2017 |
市内幼稚園→ |
3000型 |
3003 |
市科学館(〜S61)→ |
名古屋市電 保存車の詳細情報 |
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名古屋市電の保存車両のうち,現存する車両や近年解体された車両の一部を紹介します.
名古屋市中区上前津2丁目,ビルや高層マンションが立ち並ぶ一角に小さな公園「上前津東公園」があります.
この公園の片隅に,小さな廃車体があります.
昭和31年に廃車となった179号車で,60年経った現在も残る貴重な保存車両です.
台車はありませんが,車体は補修や塗装など手入れがされています.

▲都心にぽつんと残された179号車 |

▲半世紀を経てなお健在 |
明治43年製造のSSA型118号車を種車に,大正15年に無蓋貨車に改造されました.
昭和44年の廃車後,「名古屋市電展示場(地下鉄藤ヶ丘工場内)」に展示されましたが,昭和54年の施設閉鎖に伴い東山動物園に再度移転されました.
しかし老朽化と動物園施設整備に伴い,撤去されることになり,平成7年に解体されました.
前面パネル等の一部部品は交通局に変換され,レトロでんしゃ館に展示されています.

▲レトロでんしゃ館の展示物 電動無蓋車の前面パネルと救助網 |
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昭和2年12月 日本車輌製造にて新製 昭和38年 廃車・譲渡(豊橋鉄道モハ700形702号車) 昭和43年 モ700形702号車→モ3700形3702号車
平成6年 鉄道友の会「エバーグリーン賞」受賞 平成8年 レトロ電車に改装 平成17年 運用離脱 平成19年 廃車 平成20年 こども未来館に展示
豊橋市こども未来館の館内に,市電1200型(BLA型)1204号車が静態保存されています.
昭和2年に製造された車両で,前面の絞り込みやずらりと並ぶリベットが特徴の半鋼製車体です.
昭和38年に豊橋鉄道に譲渡され,モ3702へと名前を変えて平成19年まで活躍しました.
館内展示のため保存状態は良いです. 片方の運転台は運転ゲーム用となっています.

▲館内で静態保存される元1200型市電 |

▲車内の様子 |
昭和12年に開催された汎太平洋平和博覧会への乗客を輸送するため,「博覧会にふさわしい世界一の電車」との意気込みで製造された名古屋市電の標準的な車両です.昭和11年から昭和17年までに75両が製造されました.
科学館に静態保存されている車両は1号車である1401号車です. 市電が全廃となった昭和49年から現在まで場所を変えながらも展示されています.
屋外展示ですが,科学館の展示物として定期的に手が加えられており,非常に良好な状態を保っています.

▲1400型1401号車 |

▲代表車種1400型トップナンバー |

▲広小路本町電停も再現 |

▲赤帯とワンマンカー表示 |

▲正面床下 |

▲正面 |

▲車内の様子(過去イベント時撮影) |

▲車内の様子(過去イベント時撮影) |

▲運転台の様子(過去イベント時撮影) |
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昭和13年に製造された1421号車がレトロでんしゃ館に保存展示されています.
昭和59年までダイエー上飯田店にて保存されていた車両です.
刈谷市交通児童遊園は昭和50年開園の公園で,コースターやゴーカートなどの遊具が充実しており,しかも1回50円という安さから,親子連れに非常に人気のある公園です.
園内には名古屋市電1603号車や国鉄D51形蒸気機関車も静態保存されています.
1603号車は,交通安全教育の教材及び屋外遊具として刈谷市が購入したもので,当初は雨ざらしでしたが,のちに上家が設置されています. 状態は良好です.

▲刈谷市交通児童遊園 刈谷駅すぐ |

▲1600型1603号車 |

▲屋根付き |

▲案内板(拡大画像あり) |

▲1603号車 車内の様子 |

▲車内の天井部 |

▲1603号車 車内の様子 |

▲運転台 |

▲車内 降車ボタン |

▲同じく展示されているD51 |

▲館内にも一部展示あり 名古屋市街電車廃止記念品? |
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中川区伏屋のバス通り沿いに,1600型の廃車体がありました. 1607号車で,倉庫として利用されているようでした. 平成30年に解体撤去済みです.
この場所にはもう1両,1900型1913号車もありましたが,敷地の奥のため簡単には見えませんでした.

▲市バス金山22号系統の車窓名物だった中川区伏屋の1607号車(現在は撤去済み) |

▲中川区伏屋1607号車 |
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1600型1638号車 春日井市交通児童遊園 【解体済】 |
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春日井市弥生町にある春日井市交通児童遊園には,名古屋市電1638号車ツーマンカーが保存展示されていましたが,車体老朽化と園内整備のため解体されました.

▲春日井市交通児童遊園にあった1638号車 |

▲車内の様子 |
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1600型1651号車 上飯田北町1・2丁目公園 【解体済】 |
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名古屋市電1651号車は昭和26年に日立製作所にて製造された車両で,昭和28年には日本初のワンマン運転専用車として,下之一色線で活躍した車両です.
廃車後は,集会所のちに倉庫として利用されていました.上屋が車体に直接取り付けられていましたが,手入れはされておらず,解体撤去されています.

▲金網に囲まれた1651号車 |
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豊田市平芝町にある平芝坂の上公園には,名古屋市電1814号車が保存展示されています.
上家が掛けられ保存状態は良好ですが,金網で囲まれており車内見学はできません.
以前,この場所は豊田市交通公園で,1814号車は交通安全教材として手厚く整備されており,車内も見学できました.
その後,豊田市交通公園は豊田市交通安全学習センターとして別の場所に移転しましたが,保存車両(市電1814号車とD51)はこの地に残されました.

▲平芝坂の上公園前 |

▲平芝坂の上公園 |

▲元豊田市交通公園の1814号車 |

▲正面より |

▲1814号車を側面より |

▲蒸気機関車D51-849 |
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1900型1913号車 中川区伏屋→なごや市電車両保存会 |
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元は中川区伏屋に1600型1607号車と共にあった車体で,当時は倉庫として使用されていました.
平成30年に,1607号車は解体されましたが,1900型1913号車は「なごや市電車両保存会」に引き取られ,現在は別の場所で保存・修繕活動が行われています.
詳細は なごや市電車両保存会X
昭和31年に製造された2017号車がレトロでんしゃ館に保存展示されています.
名古屋市北区清水の住宅街に市電2025号車の「顔」(と電停)が保存されています.
元は旅行会社で,看板代わりに建物と一体化されています.

▲民家の壁に埋め込まれた2025号車の前面 |
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昭和19年に製造された連接車両の3003号車がレトロでんしゃ館に保存展示されています.
昭和61年まで名古屋市科学館にて保存・展示されていた車両です.
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