廃車になった名古屋市電のうち,他事業者への譲渡車輌などを紹介します.
名古屋市電 譲渡車両リスト |
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廃車後,他の路面電車事業者に譲渡された車両のリストです.
次の表は記載漏れや間違いがある可能性があります.
現在も活躍中の車両(車体)はありません.全て廃車済みです.
(一部部品のみ継続使用されている車両あり.)
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譲渡年 |
車両形式 |
車両番号 |
譲渡先 |
譲渡先車号 |
備考 |
S2年 |
SSA型 |
41 |
桑名電軌 |
1 |
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89 |
2 |
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56 |
築地電軌 |
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72 |
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94 |
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112 |
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S12年 |
新三河鉄道からの引継車 |
16 |
秋保電気軌道 |
マハ5→モハ405 |
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17 |
マハ6 |
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S20年 |
京都市電からの譲受車 |
N82 |
名古屋鉄道 |
モ90 |
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N90 |
モ91 |
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N91 |
モ92 |
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N98 |
モ93? |
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N104 |
モ94 |
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S21年 |
N85 |
秋田市電 80形 |
85? |
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N86 |
86 |
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N88 |
88 |
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N89 |
89 |
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N93 |
93 |
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N95 |
95 |
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N97 |
97 |
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S20年 |
神都交通からの譲受車 |
1 |
北陸鉄道 |
601〜605 ↓ 316〜320 |
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2 |
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3 |
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4 |
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5 |
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S21年 |
LSC型 |
338 |
大分交通 |
7581 〜 7585 |
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339 |
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340 |
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341 |
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342 |
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S22年 |
京都市電からの譲受車 |
N81 |
北陸鉄道 |
601→151 |
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N106 |
602→152 |
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桑名電軌からの譲受車 |
1 |
501 |
|
2 |
502→161 |
|
LSC型 |
343 |
401
〜 406 |
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344 |
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345 |
|
346 |
|
347 |
|
348 |
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S25年 |
SSA型 |
140 |
豊橋交通 |
301 〜 304 |
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141 |
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142 |
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143 |
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S26年 |
桑名電軌からの譲受車 |
12? |
豊橋交通 |
401 |
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下之一色電軌からの譲受車 |
7 |
402 |
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8 |
403 |
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S31年 |
改造単車 |
158 |
豊橋鉄道 |
501 〜 516 |
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159 |
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162 |
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164 |
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165 |
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180 |
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181 |
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182 |
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185 |
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190 |
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195 |
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196 |
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198 |
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201 |
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203 |
|
204 |
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S38年 |
900型 |
901 |
豊橋鉄道 |
3801 |
←豊鉄 800形 |
902 |
3802 |
903 |
3803 |
904 |
3804 |
905 |
3805 |
906 |
3806 |
(BLA形) 1200型 (下記詳細) |
1202 |
3701 |
←豊鉄 700形 3702は保存車 |
1204 |
3702 |
1205 |
3703 |
1206 |
3704 |
S39年 |
1150型 |
1173 |
豊橋鉄道 |
3901 |
←豊鉄 900形 |
1176 |
3902 |
S46年 |
1400型 (下記詳細) |
1465 |
豊橋鉄道 |
3101 |
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1466 |
3102 |
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1467 |
3103 |
|
1468 |
3104 |
|
1469 |
3105 |
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1470 |
3106 |
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1471 |
3107 |
|
1473 |
3108 |
|
1474 |
3109 |
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S49年 |
1500型 |
1561 |
岡山電軌 |
3801 |
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1562 |
3802 |
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S49年 |
1150型 (下記詳細) |
台車のみ 9両分 |
伊予鉄道 |
70〜78 |
台車交換 |
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名古屋市電 譲渡車両の詳細情報 |
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名古屋市電の譲渡車両で現役の車両はありませんが,近年まで活躍した一部の車両を紹介します.
名古屋市電1200型は,昭和2年〜昭和3年にかけて10両が日本車輌と東洋車輌にて製造されました.
(1201号車〜1210号車)
最初の半鋼製低床ボギー車です.ずらりと並ぶリベットが特徴的です.
また車体前面が絞られており,スリムな印象を受けます.
昭和38年に1201〜1206号車が廃車となり,このうち1202,1204〜1206の4両が豊橋鉄道に譲渡されました.
豊橋鉄道ではモハ700形701〜704号車となり,後にモ700形に改称,昭和43年には3700形3701〜3704号車に改番されました.
豊橋鉄道への譲渡直後の車体色は黄色と緑色で,ツーマン車でしたが,後にワンマン改造,クリーム色に赤帯に変更されました.
ワンマン改造されなかった3701,3703号車が昭和46年に廃車となり,3704号車も昭和52年に廃車されました.
3702号車のみ予備車として残り,平成6年には鉄道友の会「エバーグリーン賞」も受賞しました.
平成8年には製造当時の塗装への復元とダミーのトロリーポールの設置が行われ,平成19年まで「レトロ電車」として活躍しました.

▲名市交1200型→豊鉄3700形 新製当時の塗装へ復元された姿 |

▲豊橋駅前電停にて ダミーのトロリーポールを設置 |

▲モ3702号車の台車 |

▲鉄道友の会「エバーグリーン賞」受賞 |

▲モ3702号車の運転台 |
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平成19年の廃車後は,平成20年7月に開業した豊橋市こども未来館で静態保存展示されています.
館内展示のため保存状態は良く,片方の運転台は運転ゲーム用となっています.

▲こども未来館「ニコニコ」 |

▲館内の賑やかな様子 |

▲館内で静態保存される元1200型市電 |

▲車内の様子 |

▲運転台付近の様子 |

▲グローブ付白熱灯 |
名古屋市電1400型は,昭和11年〜昭和17年にかけて75両が日本車輌,新潟鐵工所等で製造されました.
(1401号車〜1475号車)
昭和12年に開催された汎太平洋平和博覧会の乗客輸送のため「博覧会にふさわしい世界一の電車」との意気込みで製造された名古屋市電の標準的な車両です.
市電全廃前の昭和46年3月に廃車となった12両のうち,9両が豊橋鉄道に譲渡されました.
豊橋鉄道ではモ3100形3101〜3109号車となりました.
豊橋鉄道への譲渡直後の車体色はクリーム色に赤帯で,平成以降は全面広告化されました.
平成2年〜6年にかけて,7両の冷房化改造が行われました.
冷房化されなかった2両(3108,3109)は平成2年と5年に先行廃車となりました.
残った7両も,平成18年までに全車運用離脱し,平成30年までに廃車されました.

▲休車中のモ3102号車 イベント予備車としてマルーン塗装に |

▲モ3102号車中扉付近 |

▲台車 |

▲モ3102号車車内 |

▲3100形で唯一速度計を装備 |

▲コントローラー |

▲3101号車(全面広告) 3100形は主力車両として活躍した |

▲3102号車花電車(イベント用予備車) |

▲3104号車(全面広告) |

▲3105号車(全面広告) |
伊予鉄道モハ50形電車は,松山市内線(軌道線)の主力車両です.
昭和26年から昭和40年にかけて32両が導入されており,バリエーションが豊富です.
このうち,昭和38年から昭和40年にかけて新製された自社発注・後期形・最終製造グループの9両は,当初は帝國車輛製コイルバネ台車TB-57を履いていましたが,昭和49年に名古屋市電1550型廃車発生品の住友金属工業製KS-40J台車に交換されました.
令和3年現在,一部車両は現役です.
(掲載画像は平成14年,平成23年撮影のもの.)

▲伊予鉄モハ50形70号車 |

▲同左サイドビュー 台車は元1550型のもの |

▲坊ちゃん列車との離合 |
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▲72号車 |

▲75号車 |
名古屋市電関連施設物 |
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市電廃止後,軌道や停留所,架線が撤去されますが,一部は残される事もあります.
軌道は,道路を嵩上げする場合は,撤去せずに上からアスファルト舗装することがあります.
このため,数十年の時を経て,道路工事する際に古い軌道が出てくることがあります.
架線を支えていた架線柱も,架線だけでなく信号機や電灯類が取り付けられている場所では,撤去されずに残っています.
また撤去された架線柱が,別の場所で再利用される事例もあります.
軌道敷に敷き詰められていた敷石も,多くが市内各所で再利用されています.

▲現在も残る市電用の架線柱 |
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