高速度鉄道第2号線(大曽根〜金山〜名古屋港間)・4号線(金山〜新瑞橋〜大曽根間)
駅数:全34駅 営業キロ32.4km 所要時間(環状線)60分,(名港線)12分
ATOワンマン運転 15.5m車×6両組成 ラインカラー:むらさき色
名城線・名港線 路線概要 |
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日本で唯一,地下鉄環状運転を実施している名城線と,名古屋港・臨海工業地帯を結ぶ名港線.
鉄道のネットワーク化に大きな役割を果たしています.
名城線・名港線は,大曽根・栄・金山など市の中心部や市東部を環状に結んでいる1周26.4kmの名城線(高速度鉄道2号線と4号線の環状部分)と,金山から名古屋港を結ぶ6.0kmの名港線(高速度鉄道2号線の一部)から構成されています.
列車運行は名城線と名港線が一体となって行われています.
環状化以前は,2号線・4号線合わせて「名城線」の愛称で呼ばれていましたが,平成16年の日本初の地下鉄環状運転開始に伴い,環状部分のみを「名城線」と案内するようになりました.
環状線部分の延長は26.4kmであり,JR大阪環状線 (21.7km) より長く,JR山手線 (34.5km) や都営大江戸線 (27.8km)より短い規模です.
環状路線の地下鉄としては都営大江戸線に次いで2番目ですが,大江戸線は6の字運転を行っており,環状運転を行う地下鉄としては名城線が日本初となっています.
商業地区である栄エリアをはじめとして,官公庁が集まり名古屋城の最寄駅でもある名古屋城駅,大須商店街のある大須エリア,中日ドラゴンズの本拠地でありコンサートやイベントも多数開催されているバンテリンドームナゴヤ,学校が集中する八事〜本山エリア等があるほか,名古屋港・臨海工業地帯を結ぶ名港線とは一体的な運行を行っており,さまざまな顔を持つ街をネットワークしています.
また,東山線と交差する栄駅を中心に名古屋市の南北交通の主軸となっているほか,金山駅はJR&名鉄と総合駅化されており,名古屋駅一極集中を緩和しています.
名古屋市内を環状に結ぶ名城線は,地下鉄すべての路線に乗り継ぎができる唯一の路線として,市営交通ネットワークの利便性,移動効率性の向上に寄与しています.
地下鉄名城線・名港線の路線カラーは「むらさき」色です.
整備時期によって色合いが異なっており,開業当初は青系むらさき色でしたが,近年は赤系むらさき色が使われています.
平成16年制定の駅ナンバリングの路線記号は,名城線「M」,名港線「E」です.

▲日本初の地下鉄環状運転を行う「名城線」と,金山駅で分岐する「名港線」から成る |

▲路線シンボルマーク(名城線の場合) |
正式名称 |
高速度鉄道第2号線 高速度鉄道第4号線 |
路線愛称 |
名城線(S44〜) 名港線(H16〜) |
営業区間 |
環状線,金山駅〜名古屋港駅 |
営業キロ |
32.4km |
駅数 |
34駅 |
標準所要時分 |
60分(環状線) |
平日昼間運転間隔 |
5分 |
最短運転間隔 |
3分 |
営業時間 |
5:30(始発)〜24:30(終着) |
終車延長 |
なし |
女性専用車両 |
平日(始発〜9時) |
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車両組成 |
15m車6両組成 |
在籍車両数 |
36編成216両 |
軌間 |
1,435mm(標準軌) |
電気方式 |
第三軌条/DC600V |
乗務員区所 |
名城線運転区 |
相互直通運転 |
なし |
工場・車庫 |
名港工場・大幸車庫 |
最高速度 |
65km/h |
信号保安装置 |
旧CS-ATC/CTC |
運転方式 |
ATO(自動) ワンマン運転 |
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名城線・名港線 沿線風景 |
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名城線・名港線の特徴的な風景を紹介します.
名城線の乗客案内上の起点駅となっているのが名古屋の南の玄関口,金山駅です.
名古屋の地下鉄で唯一の2面4線のホームを持ち(上小田井駅を除く),名城環状線列車は外側,名港線列車は内側を使用します.
金山駅を出発した右回り列車は,久屋大通駅まで前津通→久屋大通を北上します.
途中の鶴舞線乗換の上前津駅,商業エリア矢場町駅,東山線乗換の栄駅と乗降客も多く,車内が最も混雑する区間でもあります.
栄駅から名古屋城駅(旧:市役所駅)間は最初に開業した区間です.

▲沿線地図 |

▲混雑する名城線の西側区間 (金山駅〜栄駅〜名古屋城駅) |
名古屋城駅からは大津通を北上し,名城公園駅からはシールドトンネルで進路を東へ.黒川駅から砂田橋駅までは環状線を東進します.
途中の大曽根駅からは新しい区間となり,砂田橋駅までは平成12年に延伸開業しました.
大曽根駅から砂田橋駅の間は,地下鉄トンネルの上にガイドウェイバスの橋脚が建設されています.
砂田橋駅から名古屋大学駅までは平成15年に延伸開業しました.

▲沿線地図 |

▲名城公園駅 |
名古屋大学駅から新瑞橋駅まで(環状線化)は平成16年に延伸開業しました.
新瑞橋駅までの区間は民地下や起伏の激しい場所であり,ほとんどの区間がシールドトンネルで建設されています.

▲沿線地図 |

▲名城線東側は新しい区間 駅間はシールドトンネルが続き曲線も多い |
新瑞橋駅からは昭和49年開業の旧4号線に戻り,県道岩崎名古屋線を西へ進みます.堀田駅からは国道1号の下を通ります.
熱田神宮伝馬町駅から熱田神宮西駅にかけて熱田神宮を迂回するように進路を北へ取ると国道19号を通り,金山駅に戻ります.

▲沿線地図 |

▲神宮西駅→(駅名改称)熱田神宮西駅 |
平成16年の環状運転開始に伴い,旧名城線区間である金山駅〜名古屋港駅間は「名港線」として区別されるようになりました.ラインカラーもむらさき色の細線2本とし,太線1本の環状線部分とは区別しています.
2面4線の金山駅,両内側ホームから発車した列車はシールドトンネルで中央卸売市場の下を通り,日比野駅へ.ここから終点の名古屋港駅まで江川線を南下します.日比野駅から港区役所駅までの地上では,名古屋高速道路が建設されています.
名港線では高潮被害に備えて,各駅出入口に防潮扉や高所への避難通路が整備されています.

▲沿線地図 |

▲名港線 |
名城線・名港線 トリビア |
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環状運転を行う名城線・名港線ならではのトリビアを紹介します.
昭和40年から約40年かけて建設され,最終的に環状運転を始めることになった名城線・名港線は,広く使われている路線名称と正式名称が違ったり,営業上の起点駅と運転上の起点駅が異なっています.
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【旅客案内上の路線名称と駅番号】
【路線名称】
環状部分を「名城線」,名古屋港方面へ向かう枝線を「名港線」といいます.
平成16年の全線開業時に,公募により決定されました.
ラインカラーはそれぞれ,むらさき色太線1本と,細線2本です.
【駅番号】
駅やWeb上の案内表示をみると,駅番号M01の金山が起点のように案内されています.
名城線の駅番号は,金山(M01)から右回り順にM28まであります.
名港線の駅番号は,金山(E01)から終点(E07)まであります. |
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【正式な路線名称と起点駅】
昭和36年の地下鉄新線計画において,大曽根から名古屋港に至る路線を2号線,金山から山の手を回って大曽根に戻る路線を4号線とする計画が定められ,名城線はこれに基づいて建設が進められました.
高速度鉄道第2号線:大曽根〜栄〜金山〜名古屋港
高速度鉄道第4号線:金山〜新瑞橋〜本山〜大曽根
起点は大曽根と金山であり,ぞれぞれ左回り方向の路線となっています.
このため,名古屋港方面と左回りが下り線(1番のりば)であり,大曽根方面と右回りが上り線(2番のりば)として扱われます. |
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【運転上の基準駅】
名城線・名港線の車両は,巨大な地下基地である大幸車庫を拠点にして運用されます.
このため,最寄り駅であるナゴヤドーム前矢田が運転取り扱い上の基準駅となっており,環状運転を行う列車はこの駅を基準に列車番号が付けられています.
【環状線列車の列車番号の付け方】
方向記号+発駅記号+発車時刻+行先駅記号
ナ矢田を9:12に発車する左回り列車:LD912D
ナ矢田を12:30に発車する右回り列車:RD1230D |
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