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嫁いだ地下鉄車両 福井鉄道編


 【福井鉄道】福武線
  「600形」×2両  「610形」×2両  計4両移籍

福井鉄道 譲渡車両について

 福井鉄道は,福井市内と越前市のたけふ新駅間を結ぶ全長21.4kmの路線です.
 鉄道線と軌道線から成っており,相互に直通して運行されています.
 軌道線では,道路との併用軌道区間があり,小型車両が好まれています.

 この福井鉄道に,平成9年(1997年)から11年(1999年)にかけて,名古屋市から6両が譲渡されました.

 

 車両改造

 譲渡された6両の車両は,全て元名城線の先頭車両です.
 譲渡年と地下鉄時代の車番は次の通りです.

譲渡年 地下鉄時代の車番
平成9年(1997年) 名城線 1111号車,1112号車
平成10年(1998年) 名城線 1201号車,1202号車
平成11年(1999年) 名城線 1203号車,1204号車

 

 譲渡にあたり,名鉄住商工場岐阜工場(→名古屋鉄道岐阜工場)で改造工事が行われています.

 このうち,1111・1112,1201・1202の4両は運転台部分を残して車体を2分割し,2両分の運転台同士を合わせ両面運転台車1両にするという大改造が行われました.(→600形×2両)

 1203・1204の2両に関しては2両組成そのままの形で改造されました.(→610形×2両)

 

 この他にも,車両中央側扉を塞いで3ドアから2ドアに改造しました.窓割に名残があります.

 集電方式は,サードレール方式からパンタグラフに交換しました.
 台車は,昇圧で廃車となった豊橋鉄道1900系の部品に交換しています.
 ちなみにこの台車,元国鉄101系のDT21台車です.

 また冷房化に伴うクーラーや主発動機も1900系からの流用しています.

 
名古屋市交通局時代 福井鉄道時代(改造後)
形式 元車番 形式 現車番 備考
名城線1100形 1111+(1112) 600形 モハ601 H24年12月
廃車
名城線1200形 1201+(1202) 600形 モハ602 用途廃止
イベント展示用
名城線1200形 1203 610形 クハ610 H30年3月
廃車
名城線1200形 1204 610形 モハ610

 (カッコ)内の車両は主に運転台部分のみ使用されました.

 

 

 その後の状況

 福井鉄道での運用開始後は,主力車両の一員として大活躍しました.

 その後,名鉄600V線区廃止にともなう低床車両の転入により第一線を退き,高床車両である600形等は朝ラッシュ時やイベント時のみの限定運用となりました.

 平成24年(2012年)冬に,1両(モハ601号車)が引退・廃車(→搬出解体)となりました.

 平成30年(2018年)には,2両(610形)が引退・廃車(→現地解体)となりました.

 モハ602号車も,平成30年頃には事実上休車となり,その後引退となりました.
 他の車両と異なり,解体されることなく車庫にて留置され,朽ち果てていく日々でしたが,令和5年(2023年)10月に北府駅鉄道ミュージアムの魅力を発展させるためイベント用静態保存車両として復活しました.
 片方の運転席にテレビモニターが設置され,令和6年度からは,実車を用いた運転シミュレーターとしてイベントに使用される予定です.

 

 

車両ラインアップ

 単行の600形2両と,2両組成の610形1編成2両が在籍していました.

 福井鉄道 600形 (単行編成)

  1両組成(単行)×2=2両在籍
  両運転台電動車(モハ601,モハ602)  編成定員92人(座席40人)

 平成9年と平成10年にそれぞれ1両ずつ登場しました.
 塗装は地元高校生がデザインしたカラフルな色に塗られました.

 単行のため定員が少なく,平成18年からの元名鉄低床車両の導入に伴い,定期運用から外れました.
 その後,モハ602号車はリチウムイオン電池の試験車両として使用されたこともありました.

 平成24年12月にモハ601号車は廃車となりました.

 その後もモハ602号車は,ビール列車等のイベント列車として走ることもありましたが,平成29年以降は予備車となり,その後に休車→引退しています.


▲初期塗装の602号車 武生方

▲602号車 福井方


▲名城線の雰囲気が残る運転台
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▲車内の様子(イベント列車使用時)


▲車内ワンマン表示と改造銘板

 

 610形が塗り替えられてからも登場時のカラフルな塗装を保ってきた600形ですが,
 平成22年11月にモハ602号車がレトロな塗装(モハ200形急行専用のリバイバルカラー)へ変更されました.


▲塗装変更後の602号車(居酒屋電車装飾)

▲200形急行塗装車と共に

 

 休車後も北府駅の車庫内に留置されていたモハ602号車ですが,令和5年(2023年)10月にイベント展示車両(自走不可)として再塗装されました.
 塗装は「南越線」「鯖浦線」で活躍していた当時の福鉄車両が再現されました.
 昭和時代の「福鉄」の標準色との事です.
 (モハ200形に準じた特別な白いラインは入りません.)

 たけふ新駅側の運転台にはモニター画面が設置され,実車(本物の運転台)を使った運転シミュレーターとして,令和6年度よりイベントに使用される予定です.


▲再塗装された602号車(静態保存)
 運転席にモニター画面を設置
 

 

 

 福井鉄道 610形 (2両編成)

  2両組成×1編成=2両在籍
  電動制御車(モハ610)+制御車(クハ610)  編成定員200人(座席92人)

 単行の600形に引き続き,平成11年には2両編成バージョンの610形が登場しました.
 それぞれ片運転台のモハ610とクハ610でペアを組みます.

 登場時は600形と同じカラフルな塗装でした.
 その後平成17年11月より広告車として黄緑色ベースの塗装になりました.
 広告車解除後は白色ベースの塗装となっています.

 平成18年の元名鉄低床車両導入以降も2両組成の輸送力が買われ,主に通勤・通学ラッシュ輸送に活躍を続けていましたが,平成25〜28年の低床車F1000形「FUKURAM(フクラム)」導入に伴い運用を離脱,平成30年3月に廃車となりました.


▲初期塗装の610形モハ610号車

▲低床の停留所や駅ではステップを出す


▲三代目塗装
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京福/元名鉄グループ福井鉄道/福鉄/Fukutetsu/福井県福井市など

 

画像ギャラリー

 車両紹介以外の画像を掲載します.

 平成21年 貸切列車レポート

 平成21年(2009年)3月に,福井鉄道様にご協力いただき,600形602号車の貸切運転並びに610形含めた撮影会を行いました.
 その際の撮影会などの様子を紹介します.


▲左が単行600形602 右は2連610形

▲こちらは福井(田原町)側


▲田原町駅にて折返し
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主催:名城大学鉄道研究会

 

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