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 【南米アルゼンチン:ブエノスアイレス地下鉄】C線,D線  計108両移籍(78両+30両)

アルゼンチン ブエノスアイレス地下鉄 譲渡車両について

 アルゼンチンの首都,ブエノスアイレス市には6路線の地下鉄(subte)が走っています.

 1994年(平成6年)に営業権が,市公社から民間会社MetroviasS.A.(メトロビアス社)に移管された際,約500両保有する車両のうち,8割にあたる約400両の更新が進められました.
 そのうち半分は中古車で賄うことになっており,始めに営団丸の内線300・500・900各形131両が輸出されました.

 評判は上々で,この使用実績からさらなる日本の中古車の譲渡が要望され,名古屋市交通局の車両が候補に挙がりました.

 

 第一弾(1998年〜2001年) 黄電78両

 譲渡相手が国内の中小私鉄ではなく地下鉄のため,編成ごとにまとめて譲渡されました.
 仲介は総合商社の丸紅です.

 第1陣/1998年(平成10年)は,東山線311H・315H・317H・319Hと名城線1211Hの6両5編成計30両です.
 始めに名古屋から大阪まで陸送され,大阪車両工業(株)にて改造整備が行われました.

 【改造の主な内容】
  ・カルダン制御オールM(6M)から東洋製IGBT-VVVF制御の4M2Tに改造
  ・TcMM'の3両ユニット化しユニット連結面(3,4両目)に簡易運転台取り付け
  ・DC600V集電靴からDC1500Vシングルアームパンタに取り替え

 以上のみで冷房化はされていません.また車内シートなどもほぼ原型のようです.
 塗装は原色を踏破した濃い山吹色にブラックの帯が入ります.

 大阪で改造後は,現地まで海運され,整備・試運転を経て,平成11年(1999年)3月からC線やD線で運行されました.
 その後D線への新車投入等があり,元黄電はC線に集められました.

 

 第2陣/1999年(平成11年)として,263H・267H・1205H・1213Hの6両4編成計24両が旅立ちました.

 第3陣/2001年(平成13年)は,333H・335H・337H・1207Hの6両4編成計24両です.
 合計78両が遠く地球の反対側,海の向こうで活躍しました.

 2014年(平成26年)からは大規模更新改造が施されており,車体の再塗装のほか,車内は照明位置の変更(角部から中央寄りに移設)とLED照明化,座席モケットと床敷物の更新が行われました.

 2019年(令和元年)に全車引退しています.

 

 
移籍時期 元所属路線 譲渡編成 現地編成記号
第1弾
H10年
東山線 311−853−852−859−854−312
315−856−860−861−863−316
317−849−850−851−864−318
319−862−857−855−858−320
名城線 1211−1811−1906−1710−1812−1212
第2弾
H11年
東山線 263−756−757−741−742−264
267−748−749−744−763−268
名城線 1205−1805−1903−1616−1806−1206
1213−1813−1907−1704−1814−1214
第3弾
H13年
東山線 333−865−866−867−868−334
335−869−870−871−872−336
337−873−874−875−876−338
名城線 1207−1807−1904−1618−1808−1208

 


▲元名城線の1207編成 画像はflickrより
 「Diagonal Norte con Nagoya」By galio
 
www.flickr.com/photos/galio/2646999697/

▲更新前の車内の様子 画像はflickrより
 「subte」By : t e l e x a :
 
www.flickr.com/photos/telexa/2236920486/

 

 

 第二弾(2013年) 東山線5000形30両

 黄電での実績が評価され,黄電の後継車両となる東山線5000形車両の譲渡も行われました.
 対象は5103H,5112H,5115H,5121H,5122Hの6両5編成30両です.
 2013年(平成25年)7月に藤が丘工場から搬出され,黄電と同じく大阪車両工業(株)に運び込まれました.

 改造内容も同じで,東洋製IGBT-VVVF制御へ更新,DC600Vから1500V対応へ,集電靴撤去とシングルアームパンタグラフ設置,ナブテスコ製空制品に更新,ユニット連結面(3,4両目)に簡易運転台取り付けが行われました.
 今回は塗装は国内では行われず,方向幕や地下鉄マークはそのまま,黄帯は撤去され,赤茶色にくすんだ車体は銀色ピカピカに磨き上げられた姿で大阪から神戸港に陸送&輸出されました.

 2015年(平成27年)1月から6月にかけてアルゼンチンに到着し,現地でライン装飾(明るい黄色),ドア装飾(山吹色),現地路線表記が施されました.
 2015年(平成27年)12月中旬より,C線にて5115Hが営業運転を開始しています.

 国内での改造や現地試運転の模様が,大阪車両工業のウェブサイトに掲載されています.

 2021年(令和3年)現在,運用を離脱したとの情報があります.

 
移籍時期 元所属路線 譲渡編成 現地編成記号
第4弾
H25年
東山線 5103−5203−5303−5403−5503−5603
5112−5212−5312−5412−5512−5612
5115−5215−5315−5415−5515−5615
5121−5221−5321−5421−5521−5621  
5122−5222−5322−5422−5522−5622

 

 

 【参考情報】
 ブエノスアイレス地下鉄の運行は,2021年(令和3年)に,MetroviasS.A.(メトロビアス)からEmova(エモバ)に変更となりました.

 

 

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