トップページ市バス路線終点の風景栄バスターミナル | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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「栄地区」は,百貨店等商業施設が立ち並ぶ,古くからの名古屋市の中心繁華街です. 市バス路線も,東西南北方向,市内各地から集まってきており,(令和元年現在)25系統が栄を起点としています. 昭和42年3月,100m道路こと久屋大通の巨大な中央帯を活用して,「栄(噴水南)バスターミナル」が開設され,主に市南部方面へのバス路線の起点となりました. そこで,路上のりばの起点を集約することになり,平成14年10月に「栄(オアシス21)バスターミナル」が開設され,主に市南部方面以外のバス路線の起点となりました.
しかしながら,久屋大通の中央帯に設置された噴水南バスターミナルの存在が,久屋大通の南北方向の賑わいを分断していることが以前より指摘されており,平成25年より始まった栄地区の再整備の中で,中央帯以外へ移転する事になりました. この結果,オアシス21バスターミナルのうち,拡張余地のない「既存・半地下部」ではなく,「外周・地上部」に新たにバスターミナル同等機能を確保する事になり,平成31年3月に新施設の供用が開始され,噴水南バスターミナルは閉鎖されました.
当ページでは平成14年から現在も運用されている「栄(オアシス21)バスターミナル」を紹介します. 平成31年3月まで運用された「栄(噴水南)バスターミナル」は過去ページをご覧ください.
平成14年に開設され,平成31年に機能拡張が行われた,オアシス21バスターミナルについて紹介します.
オアシス21は,平成14年(2002年)にオープンした,都市公園やバスターミナルなどの公共施設と商業施設との複合施設です. 地下鉄栄駅や地下街と接続する地下空間「銀河の広場」と,なだらかな傾斜のある地上公園「緑の大地」,地下空間と地上公園の間にある半地下構造のバスターミナル,東側の旧緑地帯(現在の東側おりば),そして近年はインスタ栄えスポットとして人気を呼んでいる大屋根「水の宇宙船」から構成されています. バスのりば機能としては,平成14年から運用されている「南側バス降車所(南側おりば)」「半地下構造のバスターミナル」と,平成31年に増設された「東側路上降車所兼待機所(東側おりば)」「西側路上のりば」があります.
※主に北部方面路線と民営路線のみ使用.東部方面路線と西部方面路線は路上停が終点.
降車停×3基 オアシス21の南側,錦通東行車線に沿って「バス降車所」が3基分設けられています. 「半地下構造のバスターミナル」(バスのりば1番〜7番)を起点とする一部バス路線の終点です. 降車停のバス停ポールはオアシス21特別仕様となっていますが,法令上は路上停扱いで,設置者は交通局,名鉄バス、三重交通が各1基ずつとなっています.
乗車停×10基 待機バース×8 上記バス降車所の先の交差点を左折すると,左側に建物内へ続く下りスロープがあります.ここを下ると,半地下構造の「栄バスターミナル(オアシス21のりば)」があります. バスのりばは10停あり,このうち市バスは7停を使用しています(うち1停は名鉄路線バスと共同使用). 待機バースも8両分用意されていますが,のりばと平行に配置されているため,利用できる系統が限られます.
旅客エリアはホームドアで完全に仕切られており,空調や(元)売店,待合ベンチもあり,快適な環境でバスを待つ事ができます. 法令上も管理上も都市計画決定された「バスターミナル」で,名古屋市が設置し,栄公園振興鰍ェ指定管理を行っています.
降車停兼待機バース×5基(待機は7バース) オアシス21の東側,一方通行2車線市道に沿って,「バス降車所・待機所」5両分(待機は7両分)が設けられています. ここで降車扱いする系統は,オアシス21南側バス降車所を素通りして交差点を左折し,オアシス21バスターミナルへの入口に入らず直進すると,左側に5基並んだ降車場の空きバースに着停し,降車扱いします.そのまま折り返し時間まで待機します. 閉鎖された「噴水南バスターミナル」には待機バースが8両分ありましたが,新しい待機所は平成31年3月から令和2年10月までの1年半の間は5両分に減っていたため,時間帯によっては着停できない車両が乗客を乗せたまま路上で待ちぼうけをくらうこともありました.これについては,令和2年10月に運用改善によって待機可能な車両数が5両→7両に増加しています.(後述) また,後付で無理やり整備した降車停のため,利用者動線は全く考慮されておらず,歩行者出口は北側1箇所(もしくは地下階段2箇所)のみで,南側は行き止まりとなっており,利用の際は注意が必要です. 見た目は路上停にしか見えませんが,法令上は半地下構造部と同じく都市計画決定された「バスターミナル」で,名古屋市が設置し,栄公園振興鰍ェ指定管理を行っています. 待機スペース不足への対応のため,令和2年10月中旬に運用変更が行われ,1番及び2番降車停,並びに4番及び5番降車停で降車扱い後は,駐車枠(白枠)とは別途設定された待機線(オレンジ線)まで前進小移動した後に折り返し時間まで待機する運用に変更されました.
以前は緑地帯でした.
オアシス21の北側には,半地下構造の「栄バスターミナル(オアシス21のりば)」からの出口車路があります.
乗車停×3基 久屋大通に面したオアシス21の西側には,以前より名古屋観光ルートバス「メーグル」の「名古屋テレビ塔」バス停と,休止中の降車停がありましたが,平成31年の「噴水南バスターミナル」17番〜22番のりばの閉鎖に伴い,代替の乗車停留所として3基(18番〜20番のりば)に再編・整備されました. 法令上は市バスの路上停扱いで,「オアシス21西側路上のりば」と案内されています.
市バスの始発停留所はオアシス21周辺に集約されましたが,栄地区を面的にカバーすることはできないため,途中停留所として路上のりばが各方面に残されています. 乗車停留所は主に上家一体型(広小路タイプ)でしたが,平成29年に広告付きシェルター型(MCDecaux)に更新されました.
11番〜16番のりばは,かつて始発停留所として使用されていた路上のりばです. 11番・12番のりば:東方面 14番のりばは,栄を通過する唯一の市バス系統「名駅16号系統」が立ち寄ります.
17番のりばは,平成31年3月の噴水南バスターミナル廃止に伴い,南行き系統の利便性確保のため追加されました.
栄16番のりばは,噴水南側の路上停で,西へ向かう路線が停車するバス停です.
23番・25番のりばは,栄オアシス21のりばを出発し,北へ向かうバスが経由します. 23番のりば:大津通を北へ向かう系統
オアシス21バスターミナルに乗り入れる系統は,栄地区14箇所に設置された降車専用の路上停にて降車扱いします. (オアシス21西側のりば整備前は,降車専用停が18基ありました.)
栄地区には,市バス路線の他,民間路線バスも多数乗り入れています. 高速バス等の中長距離路線バスのうち,栄を起終点とする路線や,名古屋駅を出発し,栄を経由する路線の多くは,オアシス21バスターミナル内の8番〜10番のりばを発着しています. 短距離路線バスでは,市バスと共通乗車制度のある名鉄バスの基幹バスや名古屋・津島線のほか,とよやまタウンバスが栄を発着しています.
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古くより,栄地区の市バス停は路上に広く分散配置されており,利用者の不便を招いていました. また,久屋大通を軸とした都市景観整備,公園整備のため,久屋大通公園を分断する噴水南バスターミナルの移転を求める動きも出てきました. そのため,関係者間で検討,協議の結果,NHK放送会館と愛知県文化会館と旧栄公園の敷地を入れ替え,新しい栄公園の地下にバスターミナルを設置し,噴水南バスターミナルを移転させ跡地を公園化する計画が昭和61年に決定しました. その後,個々の建築物や公園については,設計工事が進められ,平成3年にはNHK名古屋放送センタービルの建替が完了し,平成4年には愛知芸術文化センターが整備されました. 新しい栄公園地区の整備計画については,公園の地下利用という特殊性から若干遅れて検討が進められてきましたが,平成6年には地下1階に店舗を配置し,地下2階にバスターミナルと店舗を配置する計画が完成しました.
しかしながら,約350億円の巨額の建設費と地下2階バスターミナルの排ガス処理に掛かる維持管理費,経営改善に向けてバス路線の縮小再編に舵を切った市バスの将来事業規模など(21バースも必要なのか?),バスターミナルの根幹に関わる環境の変化を踏まえ,着工を目前にして計画が見直される事になりました. その結果,建設費と維持管理費削減のため地下2階バスターミナル部を削り,バスターミナル機能は10バースに規模を縮小した上で,文化センター方面に至る人工地盤下に配置する方針となりました. 吹抜広場についても集約して規模を大きくする方針などが決められ,総合建設業者を対象とした提案協議が行われた結果,地下にイベント開催可能な大規模な広場空間を確保し,地上公園も広い吹抜とシンボリックな大屋根を配置する他はシンプルな芝生広場でまとめた大林組の提案(提案事業費は147億円)が選定されました.
このような経緯を経て,平成14年に「オアシス21」が開業し,平成31年には長年の課題となっていた噴水南バスターミナル機能の移転も行われました. 平成6年当時の計画は本当に過剰だったのか,平成14年設置のバスターミナルにもう少し余裕を持たせることはできなかったのか,平成31年追加のバス乗降施設はやむを得ない構造なのか,様々な評価があると思いますが,当局には今後必要な改善をしていただき,利用者にとって利便性の高いバス乗降施設となることを願っています.
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