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 深夜の地下鉄トンネル内で活躍する保守用車を紹介します.
 車籍なし/保安装置なし

大項目 小項目
保守用車両(動力付き) 軌道モータカー
軌道検測車
レール削正車
軌陸バックホー
保守用車両(動力なし) 建築限界車(建築定規車)
高所作業車
レール運搬台車
遠隔操作車
道床水洗車
保守用車両データ集 軌道モータカー一覧表
他社で活躍する保守用車 豊橋鉄道
高松琴平電気鉄道

 

保守用車両(動力付き)

 台車等を牽引するモータカーや,自走式の機械を紹介します.

 軌道モータカー

 夜間作業時の材料運搬や作業人員輸送のために使用されます.
 軌道事務所所属車両は黄色,電気事務所所属車両は橙色に塗装されています.

 一番多い小型モータカータイプは,水平区間で50トンの牽引能力があります.
 モータカーの運転席は,前後どちらにでも進めるよう,横向きに設置されています.


▲電気事務所11号車
 クレーン付き標準軌用 堀川工機製

▲電気事務所14号車
 クレーンなし標準軌用 北陸重機製


▲軌道事務所34号車
 クレーン付き標準軌用 松山重車輌製


▲軌道事務所39号車
 クレーン付き標準軌用 松山重車輌製


▲軌道事務所46号車
 クレーン・貫通B付き狭軌用 堀川工機製


▲電気事務所61号車
 天井作業台付き


▲モータカー運転席(油圧式足踏ブレーキ)


▲モータカー運転席(エアブレーキ)

 

 大型20tモータカータイプは,水平区間で600トンの牽引能力があり,主にレールなど重量物の運搬用として使用されます.


▲軌道事務所36号車
 クレーン付き標準軌用 堀川工機製

▲軌道事務所37号車
 クレーン付き標準軌用 堀川工機製


▲軌道事務所40号車
 クレーン付き狭軌用 堀川工機製


▲軌道事務所58号車
 クレーン付き標準軌用 松山重車輌製

 

 【余談】
 黄電など廃車になった地下鉄車両が,地方私鉄等に売却されて第二の活躍をしていることは有名ですが,保守用車も同じで,特に中古軌道モータカーは日本各地の地方私鉄で活躍する姿が目撃されています.

 

 

 軌道検測車

 コンピューターを搭載し,線路の状態を走りながら検査する車両です.
 左右のレール間隔(軌間)や高さの違い(水準),長さ方向の高さの歪み(高低),横方向の歪み(通り)を検査します.


▲301号車 標準軌用
 プラッサー&トイラー製 旧型EM30

▲302号車 標準軌用
 プラッサー&トイラー製 旧型EM30


▲302号車 標準軌用(後部より)


▲303号車 狭軌用
 プラッサー&トイラー製 旧型EM30


▲302号車の車内(運転席)


▲302号車の車内(検測席)


▲310号車 標準軌用
 プラッサー&トイラー製 新型EM30


▲藤が丘工場内を走行する310号車

 

 

 マルタイ・レール探傷車

 地下鉄はコンクリート道床が多く,バラスト道床区間が少ないこともあってか,他鉄道事業者ではよく見かけるバラストを連続して突き固める大型保守機械「マルチプル・タイタンパー(通称マルタイ)」は導入されていないようです.

 また,レール探傷車も,路線延長が短いこともあってか,大型保守機械タイプのものは導入されていないようです.
 (手押し機械による作業を行なっている模様.)

 

 

 レール削正車

 床下に取り付けられた砥石等でレールの上面が滑らかになるように削る大型保守機械です.
 交通局保有機械ではなく,工事施工の際に施工業者が手配しています.

 写真のスペノ製16頭式レール削正車は,床下に16個の砥石があります(グラインディン方式).
 3車両連結で長さ24m,重さ56tあります.
 近鉄軌道エンジニアリング所有で,普段は近鉄線で活躍する機械です.
 近鉄と同じ軌間の東山線,名城線で使用されます.


▲レール削正車(近鉄軌道エンジニアリング)
 スペノ製16頭式
 

 

 この他に,ハラスコ製8頭式レール削正車・10頭式レール削正車(共にグラインディン方式)が使用されています.
 日鉄レールウェイテクノス所有?で,全国各地の鉄道路線で活躍する機械です.
 鶴舞線,桜通線で使用されます.

 

 令和5年に名城線において,リンジンガー製レール削正車(ミリング方式)が目撃されています.
 (詳細は後日追記予定).

 

 

 軌陸バックホー

 砕石道床の突き固め作業やマクラギ交換,砕石の掘削に活躍する車両です.
 レール上でも硬質ゴムキャタピラによる道路上でも走行できます.


▲軌陸バックホー
 

 

 

保守用車両(動力なし)

 軌道モータカー等に牽引される作業用台車類を紹介します.

 建築限界車(建築定規車)

 列車が安全に走行するために必要な空間が確保されているか検査する時に使用する車両です.
 年1回定期的に全線を走行して検査するほか,新しい設備を増設したりする場合に随時検査しています.


▲建築限界車 標準軌用

▲建築限界車 狭軌用

 

 

 高所作業車

 トンネルの天井を調べたり,修繕作業をするために使う機械です.
 作業用ステージに作業員が乗り,上下・左右に動かして高い場所で作業します.


▲高所作業車 標準軌用

▲高所作業車 標準軌用


▲高所作業車 狭軌用


▲高所作業車 狭軌用

 

 

 レール運搬台車

 レールを運搬するために使用される台車です.
 台車上にレールを直接載せる回転台と,クレーンアームそして電動のチェーンブロックを装備し,レールの積み込み・移動・降ろし作業を電動で行うことができます.
 台車6台連結で75mレールを,台車4台連結で50mレールを運搬することができます.


▲レール運搬台車
 

 

 

 遠隔操作車

 他のモータカーと組み合わせて,他のモータカーの動力を遠隔で操作して走行する車両です.
 (RCC リモート・コントロール・カー)
 大型モータカー1台でレールなど長大物を運搬する時など,向きが回転できない線路上においては片方向の前方視界が確保できません.そこで,モータカーと運搬するレールなどの台車の反対側にこの車両を配置して,常に前方視界を確保しながら運転できるようしています.


▲RCC車と大型モータカー36号車
 

 

 

 道床水洗車

 風雨がなく埃が堆積する地下トンネルの床面を高圧水洗するための,地下鉄特有の保守用機械です.
 巨大水槽とコンプレッサ,ノズルが取り付けられています.


▲道床水洗車
 

 

 

 【参考文献】
 交通局「保線作業・保線機械写真集」(平成19年11月)CD-ROM

 

 

保守用車両データ集

 令和3年度時点の電気事務所所属モータカー(橙色)の一覧です.
 号線ごとに付番されています.

号車名 運用路線 保守基地 メーカー クレーン 高所作業台
11号車 東山線 藤が丘 堀川工機 大型 なし
13号車 東山線 岩塚 松山重車輌工業 なし なし
14号車 東山線 藤が丘 北陸重機工業 小型 なし
21号車 名城線 名城 松山重車輌工業 大型 なし
23号車 名城線 名城 北陸重機工業 なし なし
12号車 名城線 大幸 堀川工機 小型 なし
24号車 名城線 大幸 堀川工機 小型 なし
31号車 鶴舞線 日進 松山重車輌工業 なし 台あり
32号車(※) 鶴舞線 日進 松山重車輌工業 小型 なし
35号車 鶴舞線 日進 北陸重機工業 なし 台あり
63号車 桜通線 吹上 堀川工機 なし 台あり
64号車 桜通線 吹上 堀川工機 小型 なし
65号車 桜通線 吹上 堀川工機 なし 台あり

  (※)32号車はR7年度更新予定

 

 近年,軌道事務所に所属したモータカー(黄色)の一覧です.
 製造順に付番されています.
 (次表には既に廃車となった車両も含まれています.)

号車名 運用路線 保守基地 メーカー 型式・他
34号車 名城線 名港 松山重車輌工業 油圧ブレーキ
35号車 東山線 高畑   油圧ブレーキ
36号車 東山線 藤が丘 堀川工機 大型(20t)
37号車 名城線 名港 堀川工機 大型(20t)
38号車        
39号車     松山重車輌工業  
40号車 鶴舞線 日進 堀川工機 大型(20t)WD-H20CA
41号車 東山線 高畑 北陸重機工業 HDCB-15MPC
42号車        
43号車 名城線 大幸 堀川工機 WD-H15C
44号車        
45号車 桜通線 吹上 松山重車輌工業 MJK-MR-0133
46号車 鶴舞線 日進 堀川工機  
47号車 鶴舞線 浄心    
48号車 桜通線 吹上    
49号車 名城線 名港 北陸重機工業  
50号車 桜通線 吹上 北陸重機工業  
51号車 東山線 高畑 堀川工機 WD-H8CA
52号車 鶴舞線 浄心    
53号車        
54号車 鶴舞線 日進 北陸重機工業  
55号車 名城線 名港 北陸重機工業 HDCB-8MPC
56号車 東山線 藤が丘    
57号車 名城線 大幸 堀川工機 WD-H8CA
58号車 名城線 名港 松山重車輌工業 大型(20t)
59号車 鶴舞線 日進 松山重車輌工業 MR-0792
60号車 東山線 藤が丘   大型(20t)

 

 【参考文献】
 交通局発注図書「大型保守用機械点検整備業務委託」等

 

 

 

他社で活躍する保守用車

 地下鉄車両と同様に,保守用車も名古屋市交通局を廃車となったのちに,地方鉄道で第二の活躍をする車両があります.
 (次表は令和3年現在)

移籍先 製造年月 メーカー 交通局時代(推定)
豊橋鉄道 S54年12月 北陸重機工業 軌道事務所16号車(吹上)
高松琴平電気鉄道 S56年12月 松山重車輌工業 軌道事務所19号車(藤が丘)
高松琴平電気鉄道 H1年11月 松山重車輌工業 軌道事務所29号車(名港)

 

 豊橋鉄道渥美線では,昭和54年北陸重機製のモータカーが活躍しています.
 当初は老津駅の側線に,その後は高師駅の車両区に留置されており,保守作業のほか車両区での車両牽引にも使用されているようです.

 元軌道事務所16号車(桜通線吹上基地常駐)と推測されます.


▲豊鉄高師駅の車両区

▲車両牽引に使用
 

▲同上

 

 

 高松琴平電気鉄道(通称ことでん)は,標準軌の地方鉄道で,営業用車両も保守用車も元名古屋市営の車両が活躍しています.
 令和3年現在は,2両が在籍しています.共に松山重車輌工業製です.

 昭和56年製の車両は志度線屋島駅に常駐しています.
 元軌道事務所19号車(東山線藤が丘基地常駐)と推測されます.

 平成元年製の車両は琴平線仏生山駅に常駐しています.平成30年にやってきた車両です.
 元軌道事務所29号車(名港線名港基地常駐)と推測されます.


▲ことでん志度線屋島駅構内

▲元19号車


▲元19号車


▲同左車両銘板
 発売元は名古屋市内の商社

 

 

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