1号線(東山線) 6両組成×23編成=138両(最大在籍数) 配置:藤が丘工場
5100-5200-5300-5400-5500-5600
電気:第3軌条600V 軌間:1435mm(標準軌) 車長:15m(小型)
このページでは,平成22年度と平成24〜26年度及び令和元〜4年度に行われた廃車搬出作業の模様をご紹介します.
東山線5000形 廃車車両の行方 |
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平成16年より始まった5000形の除籍・廃車と,平成22年より始まった解体処分についてまとめます.
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編成 |
除籍・廃車 |
処分年度 |
処分方法 |
5101H |
H16年3月 |
H22年度 |
車庫内2分割解体→スクラップ工場 |
5102H |
H16年4月 |
H22年度 |
車庫内2分割解体→スクラップ工場 |
5103H |
H25年7月 |
H25年度 |
夜間搬出→海外輸出 |
5104H |
H24年8月 |
H24年度 |
夜間搬出→日本総合リサイクル |
5105H |
H21年12月 |
H24年度 |
夜間搬出→日本総合リサイクル |
5106H |
H20年3月 |
H22年度 |
車庫内2分割解体→スクラップ工場 |
5107H |
H22年10月 |
H24年度 |
夜間搬出→日本総合リサイクル |
5108H |
H26年6月 |
H26年度 |
夜間搬出→スクラップ工場で解体 |
5109H |
H27年2月 |
R3年度 |
車庫内2分割解体→スクラップ工場 |
5110H |
H21年3月 |
H22年度 |
車庫内2分割解体→スクラップ工場 |
5111H |
H24年9月 |
H24年度 |
夜間搬出→日本総合リサイクル |
5112H |
H24年11月 |
H25年度 |
夜間搬出→海外輸出 |
5113H |
H26年7月 |
H26年度 |
夜間搬出→スクラップ工場で解体 |
5114H |
H27年8月 |
R4年度 |
車庫内分割解体→スクラップ工場 |
5115H |
H24年12月 |
H25年度 |
夜間搬出→海外輸出 |
5116H |
H26年7月 |
H26年度 |
夜間搬出→スクラップ工場で解体 |
5117H |
H24年8月 |
H24年度 |
夜間搬出→日本総合リサイクル |
5118H |
H25年10月 |
H26年度 |
夜間搬出→スクラップ工場で解体 |
5119H |
H25年10月 |
H26年度 |
夜間搬出→スクラップ工場で解体 |
5120H |
H27年4月 |
R元年度 |
車庫内分割解体→スクラップ工場 |
5121H |
H25年5月 |
H25年度 |
夜間搬出→海外輸出 |
5122H |
H25年6月 |
H25年度 |
夜間搬出→海外輸出 |
5123H |
H27年3月 |
R2年度 |
車庫内分割解体→スクラップ工場 |
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平成22年度の車両搬出方法(車庫内解体スクラップ) |
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東山線5000形の除籍・廃車は平成16年3月より始まりました. 廃車後すぐの動きはなく,長い期間,藤が丘工場の一番奥の留置線に留め置かれていました.
動きがあったのは,合計で6編成が廃車となった平成22年11月です.
11月第3週から翌年1月上旬にかけて4編成の解体処分が行われました.
【平成22年度に解体搬出された車両】
・5101編成6両 ・5102編成6両 ・5106編成6両 ・5110編成6両

▲廃車解体第一号の5101 1両ずつアントで作業場所に押し込まれる |

▲ラフテレーンクレーン2台が横付けされる |

▲台車と分離される5101 廃車車体のため保護されることなく直接吊られる |

▲解体される5000形と現役5050形 |

▲台車はトラックで搬出される |

▲1両ずつ台座に載せられる |
その後,周囲に防音シートが貼られ,搬出しやすい大きさに2分割,溶断されます.
解体作業は1編成6両ずつ行われます.
車体半分に分割された後は,トラックに載せられスクラップ業者の工場に向かいます.

▲半分の大きさになった5401 |

▲トラックに載せられる |

▲長年暮らした藤が丘を出発 スクラップ工場へと運ばれる |
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平成24年度の車両搬出方法(リサイクル工場搬入) |
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次に動きがあったのは,新車N1000形投入に伴う5000形の運用離脱・廃車が急速に増えた平成24年度です.
通算で9編成が廃車となり,うち5編成が藤が丘工場の片隅で留置されていた平成24年10月末〜11月中旬に,4編成が搬出されました.12月には残る1編成が搬出されています.
【平成24年10〜11月に搬出された車両】
・5105編成6両 ・5107編成6両 ・5111編成6両 ・5117編成6両
【平成24年12月に搬出された車両】
・5104編成6両
搬出2回目となる今回は藤が丘工場内での解体作業は行わず,1両まるごと夜間トレーラ輸送で搬出されています.
搬出作業は1日に3両ずつ行われました.
トレーラ積み込み作業は日中に,解体リサイクル業者までの公道輸送は,大型車両のため夜間に行われました.

▲吊り上げられる廃車体
1両ずつアントで作業場所に押し込む |

▲クレーン2台で吊り上げ 分離した台車は先にトラックにて搬出 |

▲1日3両ずつトレーラに載せられた |

▲夜間の搬出を待つ廃車体 |
トレーラ運搬された5000形車両の行き先は,富山県高岡市伏木の「日本総合リサイクル」の工場です.
国内初となる鉄道車両の屋内解体工場で,専用施設や特殊重機によって短期間での車両解体・リサイクルを行っています.

▲富山県高岡市にある日本総合リサイクルの工場
元製紙工場跡地で,隣接するJR線からの引込線も健在 |

▲解体リサイクル工場に続く線路と5000形
搬入された車両は,レールの上に乗せられ建物内へ
完全屋内解体のため防音粉塵対策は万全 |
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▲419系の台車と5000形 建物内への搬入のため,仮台車をはいた状態
スノープラウと地下鉄車両・・・似合います |

▲5000形→リサイクル後の姿 従来はスクラップして鉄くずとして海外輸出されていたものを,徹底的に分解・リサイクルすることにより再資源化し,国内での再利用が図られています |

▲5000形車体のアルミ片 黄色い帯の部分も残っています |
【参考リンク】
日本総合リサイクル株式会社
JR419系の解体工程や金属リサイクルについて紹介されています.
平成25年度の車両搬出方法(海外輸出) |
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平成25年度も,廃車車両の搬出が行われました.
通算で14編成が廃車となり,うち5編成が藤が丘工場内で留置されていた平成25年7月10日〜23日に作業が行われました.
【平成25年7月に搬出された車両】
・5103編成6両 ・5112編成6両 ・5115編成6両 ・5121編成6両 ・5122編成6両
今回も藤が丘工場内での解体作業は行わず,1両まるごと夜間トレーラ輸送で搬出されています.
搬出3回目となる平成25年度の搬出作業は,1日に1編成まるごと,6両ずつ行われています.
トレーラ積み込み作業は日中に,その後の公道輸送は,夜間行われています.

▲1日に6両まとめて搬出作業 |

▲トレーラに載せられた車体 |

▲夜間の陸送を待つ |

▲21時 藤が丘工場を出発 |

▲陸送される5103号車 |

▲長年住み慣れた藤が丘の街をゆっくり進む |

▲交差点を横切る地下鉄車両 |

▲大阪まで陸路運ばれて行く |
平成25年の車両売却先は,総合商社の丸紅です.
大阪南港の大阪車両工業の工場で整備を行い,東洋電機製の新造電機品に更新の上,アルゼンチンのブエノスアイレス地下鉄に輸出されています.
詳細は 活躍する譲渡車両>アルゼンチン
平成26年度の車両搬出方法(解体工場搬入) |
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平成26年度も,廃車車両の搬出が行われました.
通算で19編成が廃車となり,うち5編成が藤が丘工場内で留置されていた平成26年8月19日〜29日に作業が行われました.
【平成26年8月に搬出された車両】
5108編成6両 5113編成6両 5116編成6両 5118編成6両 5119編成6両
搬出4回目となる平成26年度の搬出作業も,1日に1編成まるごと,6両ずつ行われました.
トレーラ積み込み作業は日中に,落札業者の解体工場までの公道輸送は夜間行われています.

▲1両ずつレールから外される廃車体 |

▲トレーラに載せられ,搬出の夜を待つ |
平成27年度〜平成30年度の動きなし |
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5000形は,平成27年8月30日のラストランイベントをもって全車引退しました.
それ以降,平成30年度まで1編成も解体されることなく,藤が丘工場内で留置され続けました.
機器保全のため,定期的に車庫内を走行する風景を見る事もできました.
【長期(平成27年度〜平成30年度)留置車両】 5109編成6両 5114編成6両 5120編成6両 5123編成6両
平成29年11月開催の「地下鉄開業60周年記念イベント」では, 展示物の一つとして5114編成の一部車両が展示されました.

▲藤が丘工場の一番奥の留置線にて長期間留置されている5000形車両 |

▲工場公開イベントで展示された5114編成 |
令和元年度以降の車両搬出方法(車庫内解体スクラップ) |
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平成26年度より止まっていた解体処分の動きが,令和元年度より再開されました.
解体処分方法は,藤が丘工場内でアスベスト除去を行い,昼間に分割搬出する手順で,日進工場(鶴舞線3000形)の搬出作業では平成28年度から実施されている方法です.
藤が丘工場(東山線5000形)では令和元年度より採用されました.
【令和元年(2019年)5〜6月に搬出された車両】
・5120編成6両
【令和2年(2020年)5〜6月に搬出された車両】
・5123編成6両
【令和3年(2021年)4〜6月に搬出された車両】
・5109編成6両
【令和4年(2022年)5〜6月に搬出された車両】※最後
・5114編成6両
解体される編成は,始めに留置場所から修車工場に自走で移動し,修車工場内にて6両編成を2両ごとに分離します.
次に,車号表記やプレート等の後日販売する部品も含め,一部機器を取り外します.
その後,2両ごと牽引機(アント)で屋外作業場まで牽引移動します.

▲修車工場3番線から顔を出す5000形2両 |

▲アントに牽引され作業場へ向かう |

▲5220+5120号車 |

▲連結部 |

▲屋外作業場に押し込まれる |
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1回目の屋外作業場(レール加工場)では,内装や床下機器の取り外しを行います.
騒音低減のため,作業場周囲を防音シートで囲います.

▲1回目の屋外作業場にて内装等の取り外しを実施 (防音シート施工前) |

▲屋外作業場の遠景 (防音シート施工前) |

▲屋外作業場で作業を待つ5120号車 (防音シート施工前) |

▲屋外作業場の遠景 (防音シート施工後) |

▲屋外作業場 防音シートの反対側より望む |
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工場南西部の屋外作業場(レール加工場)から工場北部の屋内作業場(塗装工場20番線)まで,車庫内転線を繰り返しながら牽引機(アント)で牽引移動します.

▲転線を繰り返し塗装工場を目指す5000形2両 床下機器は全て撤去後 |

▲アントに牽引され屋外作業場(レール加工場)〜屋内作業場(塗装工場)を行き来する |

▲屋内作業場に押し込まれる5000形2両 |
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(手順2)内装除去後は,内装の裏に隠れていた断熱材(アスベスト)の除去作業が屋内作業にて行われます.
屋内作業は,塗装工場内にて実施されます.
※工場屋内のため画像はありません
2回目の屋外作業場(レール加工場)では,屋根上機器(クーラー)を取り外します.
次に,全長16mの車体を2分割溶断してトラックに積載できるサイズにします.
最後に,分割した車体と台車をトラックに積み込みます.

▲前面扉,車内内装等撤去済みの先頭車 |

▲撤去されたクーラー他5000形機器 |

▲屋根上機器(クーラー)を撤去し,2分割溶断する |

▲溶断前の車両とトラックに載せられた溶断後の車体 |

▲2分割された車体はトラックに載せられ搬出を待つ |
トラックに積載された分割車体や台車類は,藤が丘工場から業者クスラップ工場まで昼間に運搬されます.

▲藤が丘工場から搬出される5000形廃車体 |

▲藤が丘工場正門を後にする |

▲運搬される5620号車 |

▲運搬される5614号車 |

▲昼間搬出でスクラップ工場へ |

▲藤が丘の並木道を行く |
令和4年(2022年)5〜6月の作業で5114編成6両が解体・搬出され,全ての5000形車両の処分が完了しました.
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