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 1号線(東山線)   最大在籍数246両(2両〜6両組成)
 電気:第3軌条600V   軌間:1435mm(標準軌)   車長:15m(小型)

車両紹介 100形・500形

 制御電動車 100形  40両

 100形は,昭和32年から38年に5次にわたり,101〜140号車の40両が製造されました.
 日立と日車にて製造されています.

 地下鉄初となる車両設計にあたっては,路線電車で培われた技術が使用されており,弾性車輪,直角カルダン駆動,外締め式ドラムブレーキが採用されました.
 車体は断面を張殻構造とし,すべての機器を枕梁間の床下膨らみ内に納めたボディマウント構造の全鋼製車です.全長15m,幅2.5mの小型車両です.

 室内は軽合金材料を使用し,窓は軽合金押出型材による外嵌式のユニットサッシ構造で,車内を広い感じにするため窓を大きくしました.
 網棚は省略されており,車内照明(蛍光灯)は天井角部に設置されています.
 側扉は片側3カ所の片開き戸です.扉間窓は4カ所で上下引き違い窓です.
 後に戸袋窓の破損防止のため,混雑の激しい藤ヶ丘寄りの先頭車のみ,戸袋部に車体色に塗装した鋼板をはめました.このため藤ヶ丘方と高畑方で外観が大きく異なっています.

 乗務員室は中央に貫通扉を設け,左側を運転室,右側を車掌室としています.編成間の連結をする場合には,車掌室側の仕切り戸も開いて客室にできる構造となっています.
 連結部通路は座席位置いっぱいまで広くとり,車両が小さいことによる狭苦しさをなくしています.

 外部塗装は,地下の暗い所でも明るく見えるよう杉本健吉画伯が選定したウインザーイエロー(菜種色)で,室内は側板を濃いベージュにし,天井はアイボリー,座席モケットは濃紺色としました.

 台車は日立KH-10形で,昭和35年以降の車両には日車ND-107形が加わりました.117号車と118号車は,当初空気バネを使用したKH-25形を使用していました.
 駆動方式はハイポイドギヤを使用した直角カルダン駆動で,ギヤーは当初はアメリカクラーク社製のPCCカー用のものを輸入して組み立て,2次車以降は国産化しています.
 主電動機は日立HS-503形で,定格出力は40kWです.昭和35年以降は同一規格の日車NE-40B形も加わりました.しかしその後の路線延長により,当初想定よりも起伏の激しい線形となり,混雑率も予想を大きく超えた事から,昭和49年からは定格容量を48kWに増加して更新しています.
 制御装置は日立MMC-LBM形で,スムーズな高加減速を得るため電動機駆動カム軸多段式自動進段方式です.昭和35年以降は日車NCA-404Lも加わりました.主抵抗器は自然空冷としましたが,熱容量を増加させるため昭和40年に電動送風機による強制空冷に改造されました.
 ブレーキ装置は応答性のよいSMBBを採用し,常用ブレーキは発電ブレーキ優先で応加重装置付きとし,ブレーキ弁はセルフラップ式で運転操作を容易にしました.

導入年月 両数 車両番号
S32年10月 12両 101〜112
S34年1月 4両 113〜116
S35年5月 14両 117〜130
S37年7月 6両 131〜136
S38年2月 4両 137〜140


▲先頭車100形
 

 

 

 電動車 500形  20両

 500形は,昭和38年の池下〜東山公園間延伸に合わせて,輸送力増強のため列車組成を2両から3両に増結するため,100形20編成に組込む中間車として20両が製造されました.
 将来的に4両に増結する場合に備えて,車号を奇数番号のみとしましたが,それ以降の100形の中間車は700形になったため,偶数番号の車両は作られることはありませんでした.

 機器は100形と全く同じで,車体構造も乗務員室がなく,代わりに入替用の簡易運転台を奇数先頭車側に設けたことを除けば100形と同じです.
 昭和49年からの主電動機の容量増(40kW→48kW),主抵抗器の強制通風化改造も100形と同じです.

導入年月 両数 車両番号
S38年2月 20両 501〜539(奇数のみ)

 

 

車両紹介 200形・600形・700形・250形

 制御電動車 200形  4両

 200形は,路線延長と混雑率の増加に対応するため,100形の容量を増加した車両として昭和39年に4両が製造されました.
 この車両は,これ以降の東山線及び名城線「黄電」のベースとなりました.

 100形の設計基本をもとに,床下取付け機器の容量増による取付けスペース確保のため,車体は一般的なボックスマウント方式になりました.
 屋根は,ファンデリア取付け部上部のみに換気口を設けた一重屋根で,二重屋根の100形と外観が大きく異なります.
 車内は100形とほぼ同じで,側扉は片側3カ所の片開き戸です.網棚は省略で扉間窓は4カ所で上下引き違い窓,後に藤ヶ丘寄り先頭車のみ,戸袋部に車体色に塗装した鋼板をはめています.

 台車は日立KH-46形と日車ND-110形です.軸箱支持,軸ばね,枕ばね方式は100形と同じですが,駆動方式がWN平行カルダンで,基礎ブレーキはディスクブレーキとしました.車輪は引き続き弾性車輪です.
 主電動機は50kWに容量増とし,100形系列とも連結運転できるよう容量に応じたトルク分担のできる特性を持つ三菱MB-3092形を採用しました.

導入年月 両数 車両番号
S39年12月 4両 201〜204

 

 

 電動車 600形  4両

 600形は,200形の中間車として4両が製造されました.
 始めに昭和39年12月に200形と共に600形2両(奇数号車)が製造され,翌年の3両→4両組成化に合わせて600形2両(偶数号車)が製造されました.

 機器は200形と全く同じです.車内は500形と同じく簡易運転台付きです.

導入年月 両数 車両番号
S39年12月 2両 601,603(奇数のみ)
S40年11月 2両 602,604(偶数のみ)

 

 

 電動車 700形  64両

 700形は500形に代わり,100形の中間車として挿入することを目的に設計されました.
 昭和40年から48年にかけて,輸送力増強のため3→4→5→6組成化される度に,5次にわたり製造されました.

 昭和40年に100形4両組成化のため(対象編成は約半数),600形2次車と同時期に製造した700形1次車は,600形と同じく車体はボックスマウント方式で,車内仕様や搭載機器類も600形と同じですが,屋根構造を100形に合わせて二重屋根構造としました.

 昭和41年に,引き続き100形4両組成化を図るため製造した700形2次車は,車体をラッシュ時の混雑に対応するため,昭和40年登場の名城線1000形に習い,側扉を1000mm幅片開戸から1300mm幅の両開戸に変更しました.また戸袋窓を廃止し,扉間窓を3連窓としました.
 車内も簡易運転台を廃止して座席割り振りも見直しました.
 主電動機も余裕を持たせるため,容量を50kWから55kWにアップしました.

 昭和44年と46年に,5両組成化のため製造した700形3次車,4次車は,電動発電機を廃止し,3両分の給電能力を有する静止形インバータを搭載しました.
 また台車に住友FS-354形が,主電動機に日車NE-55形が加わりました.

 昭和48年に,6両組成化のため製造した700形5次車は,新製時から保安ブレーキを設けています.

導入年月 両数 車両番号
S40年11月 9両 701〜709
S41年11月 11両 710〜720
S44年3月 3両 721〜723
S46年11月 19両 724〜742
S48年12月 22両 743〜764

 

 

 電動車→制御電動車改造 250形  18両

 100形,500形の廃車に伴い,先頭車が不足するため700形中間車を先頭車に改造し改番を行ったものが250形です.
 昭和58年から62年にかけて,計18両を改造しました.

 改造は,妻寄りの3人掛け座席に乗務員室を新設したもので,台枠,隅柱,屋根構造はそのままとし,構体を取り除き,乗務員室用の構体を溶接取り付けしました.
 前面デザインと乗務員室は5000形を基本とし,前面方向幕,記号表示器を装備.貫通扉は車掌室側に寄せた構造としています.
 機器類は原則として従来品を使用したため,5000形とは大きく異なっています.

 改造に合わせ補助電源装置を静止形インバータに交換しており,同時に700形中間車の発動発電機を撤去しています.

改造年月 改造車両数 (元車両番号)→(新車両番号)
S58年10月 2両1編成  743→251,746→252
S59年9月 4両2編成  730→253,761→254,751→255,754→256
S60年9月 4両2編成  736→257,764→258,724→259,759→260
S61年10月 4両2編成  733→261,762→262,755→263,758→264
S62年11月 4両2編成  727→265,760→266,747→267,750→268

 

 

車両紹介 300形・800形

 制御電動車 300形  38両

 300形は,200形の改良車として昭和42年から50年にかけて製造されました.
 編成間の連結営業を前提としない以降の標準車両です.

 車体は200形と同じく,ボックスマウント方式の二重屋根で,側扉は1300mm幅の両開戸(戸袋窓なし)です.
 連結器は先頭車は非常時連結用に密着連結器,中間車側は棒状連結器とし固定編成としました.
 乗務員室は車掌側も客室への転換は行わない構造としました.
 主電動機は55kWです.制御回路は100形・200形系列と異なるDC100Vとしたことから,併結運転はできません.

 昭和42年の星ヶ丘延伸に合わせて製造された1次車は,補助電源に発動発電機を搭載しましたが,一部車両(301,303号車)は静止形インバータに改造されました.

 昭和44年の藤ヶ丘延伸に合わせて製造された2次車と,昭和50年の増発用に製造された3次車は,補助電源を静止形インバータとし,騒音低下と保守軽減を図りました.インバータは3両分の給電能力を有し,800形中間車2両に給電しています.

導入年月 両数 車両番号
S42年3月 6両 301〜306
S44年3月 26両 307〜332
S50年3月 6両 333〜338


▲先頭車300形+中間車800形
 

 

 

 電動車 800形  76両

 800形は,300形の中間車として4次にわたり製造されました.
 車体,車内などは700形2次車以降と同一で,搭載機器は300形と同じです.

 昭和42年に製造された1次車は,新製時は全車発動発電機付きでしたが,801,802号車はペアを組む300形301号車の補助電源装置インバータ更新に伴い,受電するため発動発電機を撤去しました.

 昭和44年に製造された2次車以降の車両は,低圧電源は300形から受けるため補助電源装置の搭載なしです.ただし組成上,809,849〜851号車には発動発電機が搭載されました.

導入年月 両数 車両番号
S42年3月 6両 801〜806
S44年3月 42両 807〜848
S48年12月 16両 849〜864
S50年3月 12両 865〜876

 

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東山線 車両組成の変遷

 ※資料作成中

 

 

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