令和3年(2021年)3月,地下鉄東山線と桜通線が約2時間運転見合わせとなった事故の記録です.
令和3年3月16日 地下鉄今池駅火災事故 |
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令和3年3月16日(火)10時10分頃,地下鉄今池駅構内のエレベーター新設工事現場において,鋼材溶接の火花が隣接する既存エスカレーターの機械油を含んだ埃に飛び火し火災が発生しました.
このため駅構内に煙が充満し,地下鉄東山線と桜通線が運転を見合わせました.
交差駅かつ乗換エスカレーターでの火災のため,2路線が約2時間15分間に渡り運転見合わせとなりました.
東山線は,高畑駅〜栄駅間,池下駅〜藤が丘駅間で折り返し運行しました.
桜通線は,桜山駅〜徳重駅間で折り返し運行しました.
【3/16タイムライン】
10:10頃 工事作業員が焦げ臭い匂いを感じ火災を発見→初期消火
10:17頃 駅職員に通報,駅職員が発煙を確認
10:19頃 消防に通報
10:24頃 運転指令室に通報
10:25 東山線全線で運転見合わせ
10:28 桜通線全線で運転見合わせ
10:45 東山線高畑駅〜栄駅,池下駅〜藤が丘駅間で部分運転開始
10:48 桜通線桜山駅〜徳重駅間で部分運転開始
12:43 全線で運転再開
【運転見合わせの影響】
影響人員:約3万人

▲駅改札口の案内事例1 |

▲駅改札口の案内事例2 |

▲駅改札口の案内事例3 |
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▲運転見合わせを伝える東山線ホームの案内装置 |

▲運転見合わせを伝える名城線ホームの案内装置 |

▲運転再開を伝える東山線ホームの案内装置 |
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東山線・桜通線 区間運転の様子 |
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当日,東山線は部分運転が行われました. 以下の画像は,西側区間(高畑〜名古屋〜栄間)の折返し駅となった栄駅の様子です.
東山線栄駅は1番線を使って折返し運転ができるよう,渡り線や信号設備が整えられています.
しかし通常ダイヤでは折返し運転は行わないため,行先表示や案内放送は用意されていません.

▲栄駅1番線に到着した栄行き下り列車 (本来は藤が丘行き) 行先表示は無いため白幕で運転 |

▲栄駅1番線で折返し,高畑行き上り列車となる 行先表示を白幕から高畑行きに変更 |

▲栄駅1番線(下り線)から発車する上り高畑行き列車 |
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▲栄駅1番線で折返すN1000形 栄行き下り列車の行先表示は無表示で運転 |

▲N1000形車内の案内表示装置 栄行きの設定が無いので初期画面のまま |
もう一方の部分運転(池下〜藤が丘間)の折返し駅となった池下駅の画像はありません.
参考までに,過去事例はこちら H26名駅冠水(池下駅折返し)
当日,桜通線は部分運転(桜山〜新瑞橋〜徳重間)が行われました.
徳重発桜山行き列車は,通常ダイヤでも設定(1日1本のみ)されています.

▲桜通線 桜山行き列車 |
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東山線,桜通線以外の路線は通常通り運行されましたが,迂回客や振替輸送客で各路線とも混雑しました.

▲地下鉄路線図(運休区間/破線) |

▲迂回客で混雑する名城線本山駅ホーム 特に階段付近の車両は乗客が集中するため大量の積み残しが発生した |
その他画像 |
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火災事故後の地下鉄今池駅の様子です.
エスカレーターは,上下方向とも火災の影響により令和3年3月16日から使用停止になりました.
上りエスカレーターは,同年4月27日に運転再開しました.
下りエスカレーターは,約11ヶ月後の令和4年2月12日に運転再開しました.

▲主要乗換通路のエスカレーターが長期停止.またエレベーター工事中のため,残された通路幅1m強程度の階段で大量の乗換・乗降客をさばくことに. |

▲主要乗換通路混雑緩和のため,代替経路を勧めるホーム上の掲示物 |
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