まるはち交通センター
 トップページ地下鉄車両地下鉄鶴舞線3000形ラストランの記録
地下鉄車両
 
コンテンツTOP
車両総説・その他
 車両概要・解説
 トピックス
現役車両の紹介
 東山線5050形
 東山線N1000形
 名城線2000形
 名城線新型
 鶴舞線3050形
 鶴舞線N3000形
 [乗入]名鉄100系
 桜通線6000形
 桜通線6050形
 桜通線新型
 上飯田線7000形
 [乗入]名鉄300系
引退車両の紹介
 黄電「きいでん」
 東山線5000形
 鶴舞線3000形
  車体・外観
  走行機器
  車内・内装
  乗務員室
  ▼データ集
  編成表/主要諸元
  表示装置
  ▼画像ギャラリー
  企画・装飾列車
  ラストラン記録
  廃車車両の行方
  
 活躍する譲渡車両

 3号線(鶴舞線)  4両組成×23編成=92両(最大在籍数)  配置:日進工場 
 3100-3200-3100A-3200-3700-3800 又は 3100-3200-3700-3800A-3700-3800
 電気:架空線式DC1500V  軌間:1067mm(狭軌)  車長:20m(大型)

鶴舞線3000形 ラストランの記録

 昭和52年(1977年)の鶴舞線開業時と同時に営業運転を開始した3000形車両は,45年間走り続け,令和5年(2023年)2月をもって全車引退しました.
 当ページでは,3000形最後の1編成となった3114編成の,ラストランまでの4年間と,その後1年間を特集します.

 

 コラム 3114編成が最後の1編成となった経緯

 (この記事は伝聞を中心に記載しており,不正確な内容を含んでいる可能性があります.)

 なぜ,比較的新しい4次車ではなく,3次車を中心に組成される3114編成が最後まで残ったのでしょうか.

 その理由は,N3000形N3110編成の納入遅れです.
 当初,N3110編成は平成30年度に納入される計画でしたが,発注も製造も遅れ,令和元年7月に納入されました.

 これにより見直しを迫られたのが3000形の廃車計画です.
 当初は,平成30年度納入のN3110編成をもって,令和元年初夏の検査周期が迫る3114編成を置き換える予定でした.
 しかしながら,肝心の新車が入ってきません.
 そこで,3114編成を延命させることになり,令和元年5月〜6月に3114編成の全般検査が実施され,最後の1編成となることが確定しました.

 当初計画で最後の1編成となるはずだった車両は,3114編成の少し後に検査周期を迎えるラストナンバーの3123編成でした.
 令和元年夏に検査を受け,令和5年まで走り続ける予定だったものが,最後の全般検査枠を3114編成に譲り,検査周期ギリギリまで走り続け,遅れて納入されたN3110編成の竣工をもって引退しました.


 【補足】
 鉄道車両は概ね4年毎に大規模な検査(全般検査,重要部検査)を受けなければならないため,一般的に検査周期を考慮して廃車車両の選定や新車の納期が設定されます.

 上図は,令和元年5月時点で在籍していた3000形編成及び3159編成(合計7編成)の大規模検査(全重検査)周期を★☆印で表したものです.
 ▼印は,新車N3000形の導入時期です.

 

 

 廃車計画の変更が影響した一例として,車体側面の路線名ステッカーが挙げられます.
 路線名ステッカーは,経年劣化のため,平成27年に3編成のみ(3118H,3122H,3123H)張り替えが行われました.

 3114編成のステッカーは劣化していたものの,当時は早期の廃車が見込まれていたため,張り替えらませんでした.
 一方,3123編成は張り替えられましたが,結果的に早期に廃車となりました.


▲3114Hの劣化した路線ステッカー

▲張替えた3123Hの路線ステッカー

 

 

令和元年6月 最後の全般検査

 令和元年(2019年)5月から6月にかけて,3114編成は日進工場に入場し,3000形として最後となる全般検査を受けました.


▲地下鉄日進工場

▲全般検査を受ける3114編成


▲全般検査を受ける3114編成


▲3814号車


▲3214号車


▲3100形式銘板


▲ピカピカの3000形台車


▲同左


▲3000形モーター


▲3000形菱形パンタグラフ


▲通電試験中の3114H
 (画像提供/New Next700 様)
 

 

 日進工場で約1ヶ月間の全般検査を終え,令和元年(2019年)6月25日には最後の本線試運転を行いました.
 (赤池駅〜八事駅間)


▲全般検査最終日の本線試運転

▲赤池駅停車中の試運転列車


▲赤池駅停車中の試運転列車


▲運命の入れ替わった2編成の並び
 3114Hと,本来延命するはずだった廃車間近の3123H


▲「試運転」側面表示


▲八事駅停車中


▲営業運転に復帰 3120Hと3114Hの並び
 (画像提供/New Next700 様)
 

 

 

令和4年4月〜 最後の1編成

 令和4年(2022年)2月に3122編成が,翌月には3120編成が運用を離脱しました.
 3月22日以降,鶴舞線3000形として稼働状態にあるのは3114編成のみとなりました.

 最後の1編成を求めて,遠方から撮影や乗車に来る鉄道ファンも増えていきました.


▲赤池駅にて停車中の犬山行
 


▲上小田井駅に進入する3114H


▲同左


▲上小田井駅にてN3000形と並ぶ


▲同左


▲上小田井駅にて折り返し


▲上小田井駅停車中の豊田市行

 

 3114編成の車内です.


▲車内の様子

▲先頭車 車内の様子


▲車両銘板


▲号車銘板等


▲3114号車運転台


▲同左


▲3114号車乗務員室


▲自動放送装置


▲行先設定器


▲名鉄豊田線を快走中

 

 3114編成の車体細部です.


▲3114編成 名鉄豊田市駅にて

▲ステンレスコルゲード板が特徴


▲編成全景


▲編成全景


▲3114号車


▲3214号車


▲3119号車(中間車化された元先頭車)


▲同左連結面


▲FS394台車
 (画像提供/New Next700 様)


▲MG受給電・MG整流器
 (画像提供/New Next700 様)


▲3000形パンタグラフ


▲3814号車

 

 

令和4年10月 イベント特別列車運行

 市営交通100周年記念事業の一つとして,令和4年(2022年)10月22日に参加型イベント「地下鉄日進工場工場見学会」「鶴舞線3000形イベント」「地下鉄駅の見学ツアー」が開催されました.

 「鶴舞線3000形イベント」では,最後の1編成となった鶴舞線3000形3114編成を特別列車として起用し,イベント参加者を乗せて赤池駅〜八事駅間を1往復運行しました.
 ヘッドマーク等の車体装飾はありませんでした.
 方向幕は,往路は「臨時」幕,復路は「団体」幕で走行しました.
 広告枠へのポスター掲出等の車内装飾はありました.

 当企画が,3000形にとって,実質的なラストラン企画となりました.


▲鶴舞線3000形イベント特別列車3114H
 ヘッドマーク等なし

▲往路「臨時」幕/復路「団体」幕


▲記念撮影用のレゴ製ボードが用意された


▲赤池駅停車中の特別列車(往路)


▲途中駅を徐行通過する(往路)


▲八事駅で折り返し赤池駅に戻る
 復路は「団体」表示に変更
 (画像提供/TMさま)

 

 以降,3114編成の運用は減ってゆき,特に土休日の運用が珍しくなっていきました.

 

 

令和5年1月〜2月9日 最後の走行

 令和5年1月20日に,後継車となる新車N3116編成が製造元の日本車輌を出場,翌21日に日進工場に搬入され,3114編成のファイナル・カウンドダウンが始まりました.

 3114編成は,廃車準備のため,1月27日以降は車体側面の広告が撤去されました.


▲朝間ラッシュ運用に入る3114編成

▲広告を剥離しスッキリした側面の3114編成
 1日1本の扶桑行

 

 2月に入ると,平日も土休日も連日運用されるようになり,鶴舞線及び名鉄線にて最後の力走を見せました.


▲名鉄犬山線内の急行運用(急行岩倉行)

▲同左 岩倉駅入線時


▲名鉄岩倉駅にて
 


▲名鉄犬山線から地下鉄線に進入する(上小田井駅)


▲同左


▲上小田井駅を発車し地下へ向かう


▲同左

 

 

 令和5年2月9日 ラストラン・引退

 令和5年(2023年)2月9日(木曜日),朝間ラッシュ時の1往復のみ(運用20記号),赤池駅→上小田井駅→赤池駅間を走行し,8時58分に赤池駅到着後に日進工場に入庫.
 3114編成が昭和56年にデビューして以来,41年半の活躍に終止符が打たれました.
 事前の告知やイベント等はなく,静かな最後となりました.

 当日の午後,N3116編成の試運転が行われ,2月14日より営業運行を開始しました.
 これをもって,3000形全ての車両が引退しました.


▲2月9日(20記号)3000形最後の1往復

▲後継車のN3116編成 2月14日デビュー

 

 

令和5年〜令和6年 引退後

 引退・廃車後の,3114編成の処遇と関連する話題を紹介します.

 令和6年2月 3000形ファンによる惜別写真展

 令和6年(2024年)2月8日から2月29日まで,地下鉄丸の内駅の乗換通路展示コーナーにおいて,惜別写真展「#3000形と365日」〜犬山から豊田まで、日常を走った記録〜が展示されました.

 3000形引退1周年及び全車両解体搬出終了に合わせ,一個人の3000形ファンが企画した写真展です.
 日常風景のほか,四季折々の風景の中を走る3000形の写真が展示されました.


▲惜別写真展「#3000形と365日」ポスター
 (主催者様より画像提供)

▲展示準備の様子
 (主催者様より画像提供)


▲地下鉄丸の内駅の乗換通路にある展示コーナー


▲同左 展示の様子


▲展示の様子


▲展示の様子
 (主催者様より画像提供)


▲展示の様子


▲展示の様子
 (主催者様より画像提供)


▲展示の様子(画像提供/Gさま)


▲展示の様子(画像提供/Gさま)


▲展示の様子(画像提供/Gさま)
 

 

 

 令和6年1月22日〜2月28日 解体・搬出

 3114編成は,令和5年2月の引退・廃車後,日進工場内に留置されていました.

 廃車から約1年後の令和6年(2024年)1月22日から2月28日にかけて,日進工場内において内装・機器撤去・車体溶断作業が行われ,車体を3分割にしてスクラップ工場まで搬出されました.

 これにて全ての3000形車両は解体を終え,姿を消しました.


▲令和6年2月28日 解体作業最終日
 車体溶断された3814号車
 

 

 

▼もどる 

 (C)まるはち交通センター製作委員会名古屋市交通局ファンサイト/市営地下鉄3000形/名市交3000系