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 地下鉄駅に設置された可動式ホーム柵(ホームゲート)について紹介します.

概説 可動式ホーム柵(ホームゲート)

 可動式ホーム柵は,プラットホームの先端・軌道との間を遮ることで,ホームからの転落や列車との接触を防ぐ安全設備です.
 名古屋市営地下鉄では,平成15年(2003年)上飯田線開業時より設置が進んでいます.

 ホームドアと呼ばれることもありますが,地下鉄駅設置のものはホームと線路を完全に隔てるフルスクリーンタイプではなく,胸の高さの「柵」タイプのものが設置されていますので,当サイトでは可動式ホーム柵と呼びます.

 

 可動式ホーム柵の設置状況と自動運転・ワンマン運転

 地下鉄各路線の可動式ホーム柵設置状況です.
 上飯田線(平成15年)と桜通線延伸区間(平成23年)では,開業時から設置されています.

 既設駅への設置は,平成23年から桜通線 → 東山線 → 名城・名港線 → 鶴舞線の順に整備されています.

 可動式ホーム柵の設置にあわせて,自動運転やワンマン運転も導入されることもあります.

路線 区間 ホーム柵新設時期 自動運転 ワンマン
上飯田線 平安通 H15年3月(開業時) 手動
桜通線 太閤通〜野並 H23年1月〜H23年7月
鳴子北〜徳重 H23年3月(開業時)
東山線 全線 H27年9月〜H28年2月
名城線名港線 全線 R2年5月〜R3年3月
鶴舞線 庄緑公〜赤池 R6年10月〜R8年6月 手動 ツーマン

  凡例:○当初より導入済み  ●ホーム柵設置に合わせて導入

 

 

可動式ホーム柵 路線ごとの違い

 路線ごとに整備時期や環境が異なるため,メーカーやシステムに差異があります.

路線・区間 新設年度 メーカー 駅カラー表示 車両ドアとの連動
東山線 H27 日立 列車側 車両連携型
名城線名港線 R2 日本信号 列車側 車両連携型
鶴舞線 R6〜R8 日本信号 列車側 地上完結型
桜通線(太〜野) H22〜H23 日本信号 ホーム側
列車側
車両連携型
桜通線(鳴〜徳) H22 日立
上飯田線 H14 三菱電機 列車側 車両連携型

 

 東山線の可動式ホーム柵

 地下鉄東山線の可動式ホーム柵は,平成27年(2015年)9月から平成28年(2016年)2月にかけて,全22駅に設置されました.

 製造メーカーは日立です.

 

 東山線可動式ホーム柵の特徴は,既設駅設置2路線目として,前回(桜通線)から改良が加えられている点です.

 戸袋部(基本カラー)は,桜通線と同じくクリーム色を基本としつつ,暖色系デザインの駅や水色系デザインの駅では,駅全体の雰囲気に調和するよう,基本カラーが変更されています.
 また戸袋部上部はクレー色とし,汚れが目立たなくなるとともに,引き締まった印象となりました.

 可動扉は,軌道内が目視しやすいよう,透かしとなりました.
 女性専用車乗車口は薄黄色に着色されています.

 従来東山線の駅に「駅カラー」は設定されていませんでしたが,ホーム柵設置に合わせて新規設定されました.
 桜通線のように駅カラーを前面に出したデザインではなく,ホーム柵の軌道側のみの控えめなデザインとなっています.

 

 可動式ホーム柵と車両ドアとの開閉連動は,車両連携型(地上〜車両間通信)です.
 運転席のドア開閉SWを押下すると,車両ドアとホーム柵が同時に開閉します.

 東山線車両は,可動式ホーム柵整備に先立ち,ワンマン運転化かつ自動列車運転装置(ATO)とホーム柵連携機能を新規搭載する大改造が行われました.

 

 

 名城線・名港線の可動式ホーム柵

 地下鉄名城線・名港線の可動式ホーム柵は,令和2年(2020年)5月から令和3年(2021年)3月にかけて,全34駅に設置されました.

 製造メーカーは日本信号です.

 

 名城線・名港線可動式ホーム柵は,前回(東山線)とほぼ同じ仕様のものが導入されました.

 戸袋部(基本カラー)は,各駅ともクリーム色を基本に,汚れやすい上部はクレー色としたデザインです.
 可動扉は,東山線と同じく透かし窓付きで,女性専用車乗車口は薄黄色に着色されています.
 駅カラーはさらに控えめとなり,ホーム柵の軌道側駅名標部のみの着色です.

 

 可動式ホーム柵と車両ドアとの開閉連動は,車両連携型(地上〜車両間通信)です.
 運転席のドア開閉SWを押下すると,車両ドアとホーム柵が同時に開閉します.

 名城線・名港線車両は,可動式ホーム柵整備に先立ち,ワンマン運転化かつ自動列車運転装置(ATO)とホーム柵連携機能を新規搭載する大改造が行われました.

 

 

 鶴舞線の可動式ホーム柵

 地下鉄鶴舞線の可動式ホーム柵は,令和6年(2024年)10月から令和8年(2026年)8月にかけて,上小田井駅を除く19駅に設置される予定です.

 製造メーカーは日本信号です.

 

 鶴舞線には市交車両のほか名鉄車両も乗り入れているため,他路線で実施した車両側の改造ができませんでした.
 このため,他路線と異なる整備手法がとられました.
 具体的には,手動運転に対応した「大開口」と,「地上完結型のシステム」です.

 

 車両改造ができず,列車を正確な停止位置に止める装置がないことから,引き続き運転士によるブレーキ操作に頼る必要があります.
 このため,ある程度の誤差に対応できるよう,ホーム柵の開口幅は,扉幅+(調査中)mmと通常より(調査中)mm広く作られています.

 ホーム柵の外観は,前々回(東山線),前回(名城線)とほぼ同じ仕様のものが導入されました.
 戸袋部(基本カラー)は,クリーム色を基本に,汚れやすい上部はクレー色としたデザインです.
 可動扉は,透かし窓付きです.
 駅カラーはホーム柵の軌道側駅名標部のみの着色です.

 

 可動式ホーム柵と車両ドアとの開閉連動は,地上完結型(地上〜車両間通信なし)です.
 ホーム上に3種類のセンサー類を配置し,地上側から車両の挙動(定位置停止判定,ドア開閉判定)を感知することで,車両ドアとホーム柵が最小限のタイムラグで連動動作するシステムとなっています.

 

 

 桜通線の可動式ホーム柵

 地下鉄桜通線の可動式ホーム柵のうち,平成23年(2011年)3月の延伸開業区間(鳴子北駅〜徳重駅)4駅は開業時に設置されました.
 これに合わせて,既設区間(太閤通駅〜野並駅)17駅においても,平成23年(2011年)1月から同年7月にかけて設置されました.

 製造メーカーは,野並駅までの既設区間は日本信号で,鳴子北駅からの延伸区間は日立です.
 メーカーは異なりますが,外観や仕様はほぼ同じです.

 

 桜通線可動式ホーム柵の特徴は,「色」です.

 戸袋部(基本カラー)は,白系のホーム床タイルにあわせてクリーム色(上部含め一色)です.
 先行整備した上飯田線の場合,列車本数が少なく速度も低いことから気になりませんでしたが,桜通線では鉄粉含む粉塵が舞やすいのか,ホーム柵戸袋部上部の茶色汚れが目立ちます.

 可動扉の上部は,ホーム側&軌道側ともに駅カラーで装飾されています.
 他路線にはない特長です.

 

 可動式ホーム柵と車両ドアとの開閉連動は,車両連携型(地上〜車両間通信)です.
 運転席のドア開閉SWを押下すると,車両ドアとホーム柵が同時に開閉します.

 桜通線車両は,もとよりワンマン運転かつ自動列車運転装置(ATO)を搭載していたため,ホーム柵連携機能を追加する程度の小改修で済みました.

 

 

 上飯田線の可動式ホーム柵

 地下鉄上飯田線の可動式ホーム柵は,平成15年(2003年)3月の開業時に設置されました.
 (名鉄管理の上飯田駅と,地下鉄管理の平安通駅に設置)
 東海地方では初設置となりました.

 製造メーカーは三菱電機です.

 

 上飯田線可動式ホーム柵の特徴は,手動運転に対応した「大開口」と,「等間隔設置」です.

 上飯田線はダイヤに余裕のある路線のため,列車を正確な停止位置に止める装置,自動列車運転装置(ATO)や定位置停止装置(TASC)は設置されておらず,運転士がホーム進入時に徐行し,手動操作で定位置に停車させています.
 このため,ある程度の誤差に対応できるよう,ホーム柵の開口幅は,扉幅+700mmと通常より500mm広く作られています.

 通常,ホーム柵は車両の扉位置にあわせて設置間隔が調整されますが,上飯田線の設計思想は真逆で,駅に設置された可動式ホーム柵が5mの等間隔に設置されています.これに合わせて,車両の扉間隔も5mとなるよう設計されています.
 (このため,上飯田線車両は,扉間隔が広い代わりに、車端部が短くなっています.)

 

 可動式ホーム柵と車両ドアとの開閉連動は,車両連携型(地上〜車両間通信)です.
 (ワンマン運転時)運転席のドア開閉SWを押下すると,車両ドアとホーム柵が同時に開閉します.

 上飯田線車両は,新製時よりホーム柵対応済みです.

 

 

可動式ホーム柵の未整備駅

 令和8年(2026年)8月の鶴舞線赤池駅の可動式ホーム柵設置をもって,交通局が管理する全86駅への可動式ホーム柵設置が完了します.

 残る未整備駅は鶴舞線上小田井駅の1駅のみです.

 上小田井駅は,地下鉄鶴舞線と名鉄犬山線の共同使用駅で,名鉄の管理駅です.
 地下鉄鶴舞線ホームであっても名鉄の同意なしに可動式ホーム柵を整備することはできません.

 名鉄としては,多種多様な車種が停車する名鉄犬山線ホーム側をどのように整備するのか課題も多く,判断に時間を要するものと思われます.

 このため,地下鉄全駅への可動式ホーム柵設置完了の目処は立っていません.

 

 【補足】
 地下鉄と名鉄の共同使用駅は,他に赤池駅(市交管理駅)と上飯田駅(名鉄管理駅)があります.
 ともに特定車種しか停車しないため,整備が容易であり,可動式ホーム柵設置予定&設置済みです.

 

 

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