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         名古屋市営地下鉄各路線の「色」について紹介します. 
      
          地下鉄路線の色(路線カラー) |  
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       名古屋市営地下鉄の各路線は,運転系統に合わせて愛称があり,「東山線」「名城線」「名港線」「鶴舞線」「桜通線」「上飯田線」の名前で表記されます. 
       また,それぞれの路線を示す5色(路線カラー・ラインカラー)が設定されており,路線図はカラフルです. 
       路線カラーは各駅案内サインや車体にも使用されています. 
       
        
      
          路線カラーの詳細 |  
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       当初は色による路線識別の概念はありませんでしたが,平成元年の世界デザイン博を機に策定された「名古屋市交通局旅客サインマニュアル」によって地下鉄路線カラーが正式に定められました. 
       サインマニュアルは,少子高齢化や外国人利用者増加等の情報ニーズの変化や利用者からの改善要望を踏まえ,定期的に見直されています. 
       その際に,”見やすさ”を左右する路線カラーも見直されているため,サイン等を整備した時期によって微妙に色合いが異なっています. 
       最も顕著な例は名城線です. 
       整備時期によって,車両の色も,駅施設やサインの色も色合いが異なります. 
      
        
            
          ▲名城線車両ラインカラーの違い  H11年後期導入車より変更(右側) | 
            
          ▲名城線駅ラインカラーの違い  サイン設置時期によって色が異なる | 
         
       
        
       最近では平成28年度(2016年度)にサインマニュアルが全面改訂されています. 
       路線カラーについても,以前(平成14年改訂マニュアル)の配色は地色との明度差が確保できておらず,路線間でも色差が少ないものがあるとされ,明度対比や色覚特性の観点から修正が加えられています. 
      
        
            
          ▲H14年度改訂版 | 
            
          ▲H28年度改訂版 赤みを帯びた色に変更 | 
         
       
        
        
      
          路線カラーの由来 |  
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       路線カラーが正式決定される以前より使用されていた地下鉄各路線固有の色について,由来を紹介します. 
      
       地下鉄東山線の路線カラーは「き」色です. 
       最初に開通した路線にも関わらず,主役色にはあまり抜擢されない「黄色」を採用した点(+2番目の名城線にマイナーな紫色を採用した点)が,名古屋の謎の一つに挙げられることもあります. 
        
       「黄色」の由来は,開業当初の車体色です. 
       全身黄色ずくめの車体から「黄電(きいでん)」と呼ばれていました. 
       色を選定したのは,画家の杉本健吉氏です. 
       杉本氏はエメラルドグリーンとウィンザーイエロー(菜種色)の2色を候補に考えていましたが,暗い地下でも明るく映えるよう,また将来,車両が地下だけでなく地上を走る構想もあることを考慮し,外の風景に溶け込んでかすんでしまうグリーンではなく,イエロー(菜種色)が選ばれました. 
      
        
            
          ▲東山線の黄電車両  ウィンザーイエロー(菜種色)一色の車体 | 
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       地下鉄名城線・名港線の路線カラーは「むらさき」色です. 
       前述の通り,整備時期によって色合いが異なっており,開業当初は青系むらさき色(藤色)でしたが,近年は赤系むらさき色が使われています. 
       「紫色」の由来は,東山線と同じく開業当初の車体色からですが,車体色そのものではなく,車体に使用されたアクセント色の方です. 
       名城線の車両は,東山線と識別するため(乗り間違い防止のため),全身黄色の黄電車体に紫色の帯を入れたことから,紫色が名城線カラーとして定着しました. 
       「紫色」は黄色の補色であり,お互いに引き立てあう色(区別しやすい色)として選定されました. 
       名港線は,名城線からの名称変更であり,運行形態も名城線と一体であることから,路線カラーは引き続き紫色とし,路線図上は識別のため紫色細2本線で表記されています. 
      
        
            
          ▲名城線の黄電車両  紫色をアクセントカラーとして採用 | 
            
          ▲色相環 似た色,引き立つ色が分かる  現在の名城線は赤紫色だが,当初は青紫色だった. | 
         
       
        
        
      
       地下鉄鶴舞線の路線カラーは「あお」色です. 
       「青色」の由来は,整備計画段階の路線図(昭和47年都市交通審議会答申)が青系の色であったこと(※),相互乗り入れ先である名古屋鉄道の車体色(赤色)と区別できる色であることから選定されました. 
       (※)ただし昭和47年当時は路線カラーの概念は無かったため,左下の答申路線図では東山線が緑色で,名城線が赤色で表記されるなど,路線図によって色表現が異なっていました. 
       鶴舞線も最初から青色に決まっていた訳ではなく,当時参考にした答申路線図が青色で表記されていたことに由来します. 
       (どの答申路線図を参考にしたのか,正確なことは分かりません.) 
      
        
            
          ▲S47年都交審答申の広域路線網図  鶴舞線は青系の色で掲載されている (元画像は交通局「市営交通70年のあゆみ」より) | 
            
          ▲名鉄スカーレットレッドと引き立てあう色として青色が選ばれた模様 | 
         
       
        
        
      
       地下鉄桜通線の路線カラーは「あか」色です. 
       「赤色」の由来は,鶴舞線と同じく整備計画段階の路線図(昭和47年都市交通審議会答申)が赤系の色であったこと,他路線とは明確に異なる色(残っていた色)であることから選定されました. 
      
        
            
          ▲S47年都交審答申の広域路線網図  桜通線は赤系の色で掲載されている (元画像は交通局「市営交通70年のあゆみ」より) | 
            
          ▲4番目の路線として既存路線と競合しない赤色が選ばれた | 
         
       
        
        
      
       地下鉄上飯田線の路線カラーは「もも」色(ピンク)です. 
       「もも色」の由来は,鶴舞線や桜通線と同じく整備計画段階の路線図(昭和47年都市交通審議会答申)がもも系の色であったこと,他路線とは明確に異なる色(残っていた色)であることから選定されました. 
       <補足> 
       昭和47年都市交通審議会答申の路線網図のうち,広域図については上飯田線=旧7号線の路線カラーは「橙色」で表記されていますが,名古屋市高速度鉄道に限った路線網図では「もも色」で表記されています. 
      
        
            
          ▲S47年都交審答申のうち,地下鉄路線網図  上飯田線はもも系の色で掲載されている  (元画像は交通局「工事記録」より) | 
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