ツーステップバス/〜平成12年式/全車両引退済み
概 説 |
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市バスの大型ツーステップ車では,日野に次ぐ第2勢力として活躍したのが「いすゞ自動車」です.グレードアップ車以降(H3.9〜)の車両は最大で205両が在籍していました.主に市北部の浄心営業所,如意営業所と,市南部の港営業所に配置されました.晩年は港営業所の閉鎖もあり分散配置され,市内各営業所で活躍しました.
1車台=1車体の他車種に対し,いすゞ大型車は2タイプの車体が同時平行で導入されました.いすゞ純正車体(アイ・ケイ・コーチ→いすゞバス製造)を架装するものと,UD(日産D)車と同じ富士重工業車体を架装するものがあります.
また,通常のディーゼル車のほか,低公害車両としてCNG車もあります.
車両ラインアップ |
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当ページでは,平成8年式以降に導入されたKC-規制車(平成6年排出ガス規制適合車)を紹介します.
平成7年式以前の車両は,前ページS (U-規制車)をご覧ください.
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平成8年3月式 KC-LV280N 34両 ×廃車 |
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いすゞ製 いすゞバス製造架装(KC-LV280N)「キュービック」ツーステップバス 20両
機関:8PE1 排気量:15,200cc 軸距5,300mm
座席定員:24人 ・MT車
いすゞ製 富士重工業架装(KC-LV280N改)「LV280系+7E車体」ツーステップバス 14両
機関:8PE1 排気量:15,200cc 軸距5,300mm
座席定員:24人 ・MT車
平成8年3月には下記CNG車1両を含め,計35両が導入されました.
このうちS467〜S480の14両は富士重車体を,S481〜S501の21両はいすゞ純正車体を架装しています.
平成21年春までに全車廃車となりました.
平成6年排出ガス規制に適合し,型式名はKC-になりました.
あわせマイナーチェンジが行われており,搭載エンジンはV形8気筒の8PE1型となりパワーアップしています.また全長と軸距がU-規制車より10mm長くなっています.
また富士重車体については,前後折戸扉の材質が変更となり,下部のみ灰色だったものが扉色と同じく黒く塗装されるようになりました.
いすゞ車体については,窓周りの構造がさらに変化し上下方向に小さくなりました.コーナリングランプはメーカー標準品となりましたが,交通局では採用されていません.
これ以外は前年式から変化なく,引き続き3扉仕様,銀サッシのメトロ窓,正面方向幕は系統独立形で,テールランプは腰部+裾部上下2段型です.
冷房装置は,富士重車体が屋根上設置型でゼクセル製,いすゞ車体がビルドイン型でゼクセル製を搭載しています.
車内座席配置は,前扉〜中扉間は進行方向左側に前向き1人掛け3席と横向き優先席2席,右側に前向き1人掛け4席と横向きベンチシート3席を設けています.中扉以降は,左側に前向き1人掛け2席,右側に前向き2人掛け3席,最後尾は4人掛け座席(エンジン配置の関係でU-規制車より1席減少)となっています.
▲S478 (平成8年式:富士重) |
▲S488 (平成8年式:いすゞ) |
▲S480 後部より(富士重) |
▲車内の様子(いすゞ車体) |
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平成8年3月式 NE-LV288N(CNG) 1両 ×廃車 |
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いすゞ製 いすゞバス製造架装 NE-LV280M 「キュービック」CNGツーステップバス 1両
機関:8PF1 排気量:15,200cc 軸距5,300mm
座席定員:24人 ・MT車
平成8年3月に上記車両と共に導入された圧縮天然ガスバスです.
局番はS491で,港営業所→中川営業所に配置されました.
同期のディーゼル車が排ガス規制のため12年で廃車となる中,規制を逃れたCNG車は18年間活躍しました.平成25年12月に廃車となっています.
車体は一般車と同じくメトロ窓の3扉車で,テールランプは腰部+裾部上下2段型です.
エンジンは8PE1型をベースにした8PF1型です.床下にガスボンベ5本を搭載するため,冷房装置はパッケージ型(ゼクセル製)としており,他のキュービック車とは異なる屋根上形状となっています.
登場後の改造内容として,平成20年よりタイヤホイールが青色(車体色)からシルバー色に変更されました.また平成22年には前面バンパー上部にデイランプが取り付けられています.
▲S491 (平成8年式:いすゞCNG) |
▲S491 (平成8年式:いすゞCNG) |
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平成9年3月式 KC-LV280N 20両 ×廃車 |
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いすゞ製 いすゞバス製造架装(KC-LV280N)「キュービック」ツーステップバス 15両
機関:8PE1 排気量:15,200cc 軸距5,300mm
座席定員:24人 ・MT車
いすゞ製 富士重工業架装(KC-LV280N改)「LV280系+7E車体」ツーステップバス 5両
機関:8PE1 排気量:15,200cc 軸距5,300mm
座席定員:24人 ・MT車
平成9年3月には下記CNG車1両を含め,計21両が導入されました.
このうちS502〜S506の5両は富士重車体を,S507〜S522の16両はいすゞ純正車体を架装しています.
S522は平成17年に研修車19号車に改造されました.その他車両の多くは平成20年12月に廃車となり,残った3両も平成22年1月までに廃車となっています.
車体外観では,後扉の折戸形状が一部変更となりました.
車内は,前扉&後扉の折戸にステップ部転落防止用チェーンが追加設置されたほか,ルームミラーの大型化,車内スピーカーの変更が行われました.
一部車両は平成20年以降にタイヤホイールが車体色(青色)から銀色に塗装変更されました.
▲S506 (平成9年式:富士重) |
▲S512 (平成9年式:いすゞ) |
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平成9年3月式 NE-LV288N(CNG) 1両 ×廃車 |
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いすゞ製 いすゞバス製造架装 NE-LV280M 「キュービック」CNGツーステップバス 1両
機関:8PF1 排気量:15,200cc 軸距5,300mm
座席定員:24人 ・MT車
平成9年3月に上記車両と共に導入された圧縮天然ガスバスです.
局番はS507で,浄心営業所→鳴尾営業所に配置されました.
排ガス規制外のため18年間使用され,最後の市バス3扉車として平成26年12月まで活躍しました.
基本的には前年度CNG車と同一仕様ですが,屋根上冷房装置の形状が変更となっています.
登場後の改造内容として,平成20年よりタイヤホイールが青色(車体色)からシルバー色に変更されました.また平成22年には前面バンパー上部にデイランプが取り付けられました.平成25年にはワンマン機器が更新され,方向幕がLED式になりました.
▲S507 (平成9年式:いすゞCNG) |
▲S507 方向幕LED改造後 |
▲S507 後部より(LED改造後) |
▲S507 運転席の様子 |
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平成10年3月式 KC-LV280N 18両 ×廃車 |
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いすゞ製 いすゞバス製造架装(KC-LV280N)「キュービック」ツーステップバス 13両
機関:8PE1 排気量:15,200cc 軸距5,300mm
座席定員:23人 ・MT車 ・ISS装置付
いすゞ製 富士重工業架装(KC-LV280N改)「LV280系+7E車体」ツーステップバス 5両
機関:8PE1 排気量:15,200cc 軸距5,300mm
座席定員:23人 ・MT車 ・ISS装置付
平成10年には各社大型車の増備が抑制される中,いすゞ車のみ例年並みとなる計18両が導入されました.
このうちS523〜S527の5両は富士重車体を,S528〜S540の13両はいすゞ純正車体を架装しています.
平成22年1月に9両が,12月に残る9両が廃車となっています.
通称「グレードダウン」と呼ばれる大幅な仕様変更が行われました.特徴として次の点が挙げられます.
【車体・外観】
側窓形状を銀サッシのメトロ窓から黒サッシの逆T窓に変更
【車内・内装】
座席の背もたれを丸い形状に変更
枕カバー廃止
床材変更
室内灯をラインライトから単灯形に変更
降車ボタン形状を変更,握り棒に降車ボタンを追加設置
横引きカーテン形状の変更と,カーテン下のレールを廃止
前向き座席を減らしシートッピッチを拡大(座席定員の減)
握り棒に保護材取り付け(出入り口は黄色,その他は茶色)
側面窓は銀サッシのメトロ窓から黒サッシの逆T字型窓になり,印象が大きく異なります.最後部の側面窓は固定式です(UD車は逆T字型窓).
内装はハイバックシートから背もたれの低いものになっており,座席定員も減少しています.
ヘッドライト,テールライト類,冷房装置に変更点はありません.
また,新たにISS装置(アイドリングストップ&スタートシステム)が搭載されました.
タイヤホイールは当初車体色と同じ青色でしたが,平成20年より順次シルバー色に変更されました.
▲S527 (平成10年式:富士重) |
▲S535 (平成10年式:いすゞ) |
シートピッチの拡大に伴い車内座席配置も見直されました.前扉〜中扉間は進行方向左側に前向き1人掛け2席と横向き座席1席,横向き優先席2席,右側に前向き1人掛け3席と横向きベンチシート3席を設けています.中扉以降は,左側に前向き1人掛け2席,右側に前向き2人掛け3席,最後尾は4人掛け座席を設けています.これにより前年式より1席減となりました.
▲いすゞ車 車内の様子 |
▲いすゞ車 運転席の様子 |
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平成11年2月式 NE-LV288N(CNG) 1両 ×廃車 |
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いすゞ製 いすゞバス製造架装 NE-LV280M 「キュービック」CNGツーステップバス 1両
機関:8PF1 排気量:15,200cc 軸距5,300mm
座席定員:24人 ・MT車
平成11年2月に一般車より少し早く導入された圧縮天然ガスバスです.
局番はS541で,如意営業所→鳴尾営業所に配置されました.
ガスボンベ耐用年数の14年間使用され,平成25年3月に廃車となりました.
車体は伝統の3扉車から中4枚折戸の2扉車となりました.テールランプは引き続き腰部+裾部上下2段型で,冷房装置はゼクセル製のパッケージ型を搭載しています.
登場後の改造内容として,平成20年よりタイヤホイールが青色(車体色)からシルバー色に変更されました.また平成22年には前面バンパー上部にデイランプが取り付けられました.
▲S541 (平成11年式:いすゞCNG) |
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平成11年3月式 KC-LV280N 28両 ×廃車 |
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いすゞ製 いすゞバス製造架装(KC-LV280N)「キュービック」ツーステップバス 16両
機関:8PE1 排気量:15,200cc 軸距5,300mm
座席定員:24人 ・MT車 ・ISS装置付
いすゞ製 富士重工業架装(KC-LV280N改)「LV280系+7E車体」ツーステップバス 12両
機関:8PE1 排気量:15,200cc 軸距5,300mm
座席定員:24人 ・MT車 ・ISS装置付
前述のCNG車1両に続き,平成11年3月に一般車計28両が導入されました.
従来は富士重車体→いすゞ車体の順だった局番の付番順序が逆転しており,前半S542〜S557の16両はいすゞ純正車体を,後半S558〜S569の12両は富士重車体を架装しています.
平成22年12月から平成24年3月にかけて全車廃車となっています.
車体は3扉車から中4枚折戸の2扉車となりました.
側面窓は,前年度に引き続き黒サッシの逆T字型窓です.ヘッドライト,テールライト類に変更はありません.
冷房装置は,いすゞ車体&富士重車体ともに外気導入口付き屋根上設置型となり,メーカーもデンソー製に変更されました.
タイヤホイールは当初車体色と同じ青色でしたが,平成20年より順次シルバー色に変更されました.
扉位置の変更に伴い車内座席配置も変更されました.前扉〜中扉間は進行方向左側に前向き1人掛け2席と横向き優先席2席,右側に前向き1人掛け3席と横向きベンチシート3席を設けています.中扉以降は,左側に前向き1人掛け3席,右側に前向き2人掛け3席,最後尾は5人掛け座席を設けています.
▲S569 (平成11年式:富士重) |
▲S554 (平成11年式:いすゞ) |
▲S563 後部より(富士重) |
▲S553 後部より(いすゞ) |
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▲S555いすゞ 車内の様子 |
▲S559富士重 運転席の様子 |
▲S555いすゞ 運転席の様子 |
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平成12年2月式 NE-LV288N(CNG) 1両 ×廃車 |
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いすゞ製 いすゞバス製造架装 NE-LV280M 「キュービック」CNGツーステップバス 1両
機関:8PF1 排気量:15,200cc 軸距5,300mm
座席定員:24人 ・MT車
平成12年2月にも,いすゞ車通算4両目となる圧縮天然ガスバスが導入されました.
局番はS570で,港営業所→中川営業所に配置されました.
ガスボンベ耐用年数の14年間使用され,平成25年12月に廃車となりました.
中扉4枚折戸の2扉仕様,黒サッシの逆T字型の側窓,系統一体型の前面方向幕が特徴です.
冷房装置はCNG車のみゼクセル製のパッケージ型となっています.
登場後の改造内容として,平成20年よりタイヤホイールが青色(車体色)からシルバー色に変更されました.また平成22年には前面バンパー上部にデイランプが取り付けられました.
▲S570 (平成12年式:いすゞCNG) |
▲S570 後部より |
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平成12年3月式 KC-LV280N 11両 ×廃車 |
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いすゞ製 いすゞバス製造架装(KC-LV280N)「キュービック」ツーステップバス 4両
機関:8PE1 排気量:15,200cc 軸距5,300mm
座席定員:24人 ・MT車 ・ISS装置付
いすゞ製 富士重工業架装(KC-LV280N改)「LV280系+7E車体」ツーステップバス 7両
機関:8PE1 排気量:15,200cc 軸距5,300mm
座席定員:24人 ・MT車 ・ISS装置付
ツーステップ車最終導入となった平成12年は,CNG車1両に引き続き一般車11両が導入されました.
このうち局番S571〜S574の4両はいすゞ純正車体を,S575〜S581の7両は富士重車体を架装しています.
S575は市営交通80周年を記念し,平成22年1月に「レトロカラーバス」となりました.(画像はページ下部に掲載)
全車,平成24年3月までに廃車となっています.
車両外観は,前面方向幕が系統独立形から系統行先一体型(1本幕)に変更されました.
車内内装は,横向き座席の中間肘掛けが廃止となったほか,優先席の枕カバーが廃止されました.
また,音声合成放送装置の機種変更が行われるとともに,アイドリングストップ時のBGM放送装置が追加されました.
タイヤホイールは当初車体色と同じ青色でしたが,平成20年より順次シルバー色に変更されています.
▲S581 (平成12年式:富士重) |
▲S571 (平成12年式:いすゞ) |
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▲S571 後部より |
▲S575富士重 車内の様子 |
▲S570いすゞ 車内の様子 |
▲S575富士重 運転席の様子 |
▲S570いすゞ 運転席の様子(CNG車) |
※平成7年式以前の車両は,前ページS (U-規制車)をご覧ください.
車両一覧表 |
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[S]車両一覧表 (PDFファイル)
対象車両:平成3年9月式〜平成12年3月式のいすゞ大型一般系統用車両
掲載対象:平成14年以降の車両移動履歴等
画像ギャラリー |
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「お絵かきバス」「ラッピング広告バス」などの写真を紹介します.
廃車間際に,区民まつり等のイベントで「お絵かきバス」になった車両です.
▲S571 (平成12年式:いすゞ) |
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市バス開業80周年を記念し,旧塗色の市バスカラーを塗装で再現した「レトロカラーバス」の運行が平成22年1月から約2年間行われました.
対象車両は浄心営業所のS575号車(富士重車体:平成12年式)で,名駅16系統に専属使用されました.
モデルは,昭和40年代に走行していたクリームと濃淡のグリーン3色の塗装に赤色の帯が入った車両で,過去の市バス塗装の中で最も長い期間使用していた車両であることから選ばれました.
車内は市バスミニギャラリーとして,開業当時の車両,トロリーバスなど歴代の主な市バスの写真,レトロカラーバスの塗装作業の写真を14点展示していました.
▲レトロカラーバス S575 |
▲名駅16系統で運用 |
▲車内「市バスミニギャラリー」 |
▲車内「市バスミニギャラリー」 |
車体全体にフィルムを貼り動く広告として走った「ラッピングバス」を紹介します.
▲S471 (平成8年3月式:富士重) |
▲S489 (平成8年3月式:いすゞ) |
▲S490 (平成8年3月式:いすゞ) |
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▲S504 (平成9年3月式:富士重) |
▲S506 (平成9年3月式:富士重) |
▲S546 (平成11年式:いすゞ) |
▲S558 (平成11年式:富士重) |
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