ツーステップバス/〜平成12年式/全車両引退済み
概 説 |
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三菱ふそう製「エアロスター」ツーステップバスは,グレードアップ車以降の車両が最大167両在籍するなど,いすゞ車と並び市バスでは第三勢力として多数活躍していました.
平成9年まで導入されたエアロスターM車体と,平成10年のフルモデルチェンジ後の車体の2タイプあります.
エアロスターM車体は三菱自動車名古屋製作所(大江工場)でも製造されました.角張った車体が特徴の新型エアロスターのデザインは現在のノンステップ車にも受け継がれています.
三菱ふそう車は,他車種と比べて年式による仕様の変化は少ないですが,一部で都市高速対応仕様車を導入するなどの特徴があります.
車両ラインアップ |
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当ページでは,平成8年式以降に導入されたKC-規制車(平成6年排出ガス規制適合車)を紹介します.
平成7年式以前の車両は,別ページ F (U-規制車)をご覧ください.
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平成8年2-3月式 KC-MP617M改 20両 ×廃車 |
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三菱ふそう製 三菱自動車工業架装「エアロスター」ツーステップバス
機関:6D24 排気量:11,940cc 軸距5,300mm
座席定員:24人 ・MT車
平成8年には20両が導入されました.局番はF436〜F455です.
このうち鳴尾営業所初期配置のF450〜F455の6両は,座席ベルト,ABS,火災警報&自動消火装置付きです.
18両は平成19年12月に,F439とF455のみ平成20年12月に廃車となっています.
平成6年排出ガス規制に適合し,型式名はKC-になりました.
あわせマイナーチェンジが行われており,搭載エンジンは6D22型から6D24型(240ps/2200rpm)になりました.
前年式から大きな変化はありません.引き続き3扉仕様,銀サッシのメトロ窓,正面方向幕は系統独立形で,テールランプは腰部+裾部上下2段型です.冷房装置は屋根上設置型で三菱重工業製を搭載しています.
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平成9年2-3月式 KC-MP617M改 58両 ×廃車 |
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三菱ふそう製 三菱自動車工業架装「エアロスター」ツーステップバス
機関:6D24 排気量:11,940cc 軸距5,300mm
座席定員:24人 ・MT車
平成9年2月には市バス初となるノンステップ車3両(NF1〜NF3:ニューエアロスター)が先行導入されました.これと同時平行で,旧車の置き換え用としてツーステップ車も引き続き導入されています.
2月から3月にかけて,三菱自動車工業名古屋大江工場製の初代エアロスター最終モデルが大量58両導入されました.局番はF456〜F513です.この年,名鉄バスも同型車を大量に導入しています.
このうち鳴尾営業所初期配置のF491〜F513の23両は,座席ベルト,ABS,火災警報&自動消火装置付きです.
またF491は一時期基幹予備車として「基幹バス変身装備」を装着していました.
平成20年12月に48両が,平成22年1月に残る10両が廃車となっています.
車体外観は前年式から変化はありません.
登場後の改造項目として,一部車両は平成20年以降にタイヤホイールが車体色(青色)から銀色に塗装変更されました.

▲F488 (平成9年2-3月式) |

▲F488 後部より(平成9年2-3月式) |
車内は,前扉&後扉の折戸にステップ部転落防止用チェーンが追加設置されたほか,ルームミラーの大型化,車内スピーカーの変更が行われました.
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平成10年3月式 KC-MP717M改 3両 ×廃車 |
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三菱ふそう製 三菱バス製造架装「ニューエアロスター」ツーステップバス
機関:6D24 排気量:11,940cc 軸距5,300mm
座席定員:23人 ・MT車 ・ISS装置付き
平成10年は,中型車や小型車がまとまって導入されるとともに,大型車はノンステップ車が2両(NF4,5)と,ツーステップ車11両が導入されました.
ツーステップ車のうち8両は後述する高速系統専用車で,一般系統用車両はわずか3両と少数導入となりました.
局番はF514〜F516です.平成22年12月に廃車となっています.
車体はフルモデルチェンジされ,傾斜のついた前モデルから直線的で四角いデザインの「ニューエアロスター(二代目エアロスター)」へと大きく変わりました.
また同時に,通称「グレードダウン」と呼ばれる交通局としての大幅仕様変更も行われています.
【車体・外観】
側窓形状を銀サッシのメトロ窓から黒サッシの逆T窓に変更
【車内・内装】
座席の背もたれを丸い形状に変更
枕カバー廃止
床材変更
室内灯をラインライトから単灯形に変更
降車ボタン形状を変更,握り棒に降車ボタンを追加設置
横引きカーテン形状の変更と,カーテン下のレールを廃止
前向き座席を減らしシートッピッチを拡大(座席定員の減)
握り棒に保護材取り付け(出入り口は黄色,その他は茶色)
側面窓は銀サッシのメトロ窓から銀色サッシの逆T字型窓になりました.
テールランプは引き続き腰部+裾部上下2段型です.冷房装置も同じく屋根上設置型です.
また,新たにISS装置(アイドリングストップ&スタートシステム)が搭載されました.
タイヤホイールは当初車体色と同じ青色でしたが,平成20年より順次シルバー色に変更されました.

▲F516 (平成10年3月式) ニューエアロの3扉は全国的にみても稀少な存在 |

▲F515 後部より(平成10年3月式) |
内装はハイバックシートから背もたれの低いものになっています.
また座席間隔を拡大した結果,座席定員が減少しています.
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平成10年3月式 KC-MP717P(高速仕様) 8両 ×廃車 |
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三菱ふそう製 三菱バス製造架装「ニューエアロスター」ツーステップバス
機関:6D24 排気量:11,940cc 軸距6,000mm
座席定員:31人 ・MT車 ・ISS装置付き ・ABS付き
従来の高速1号系統専用車は,一般車に座席ベルトを取り付けるなどして対応してきましたが,長距離路線であり都市高速を経由することから着席乗車への要望が強く,平成10年に専用車両が投入されることになりました.
前述の一般車3両と共に高速1号系統用として8両が導入され,鳴尾営業所に配置されました.
局番は区別される事なく、続番となるF517〜F524です.
高速1号系統専属として活躍しましたが,平成20年頃よりシートベルトを取り付けたノンステップ車に運用を取って代わられるようになり,他車庫に転属するなど,一般系統に転用されました.平成22年1月には6両が廃車,残る2両も平成23年3月までに廃車となっています.
輸送力確保のため,市バスでは唯一の長尺(P尺)車となっています.また扉配置を,中2枚折戸の2枚扉とすることで,座席定員も大きく増加しています.
側面窓は一般車が逆T字窓に移行するなか,従来通りの銀色サッシメトロ窓を備えます.長尺や2枚扉仕様とあいまって,一見すると自家用仕様のようです.
テールランプは腰部+裾部上下2段型です.冷房装置は屋根上設置型で三菱重工業製です.
高速仕様としてABSのほか,エンジンルームには火災警報装置と自動消火装置が装備されています.
登場後の改造項目として,平成16年より高速1号系統と基幹1号系統の混成運用開始に伴い,「基幹バス変身装置(バスマスク&サボ)」が取り付けられました.なおこれらは平成20年の高速&基幹系統からの運用離脱に伴い撤去されています.
また,タイヤホイールは当初車体色と同じ青色でしたが,平成20年より順次シルバー色に変更されました.
車内仕様は同年式と同じく,背もたれ形状が丸い座席を採用しています.優先席も前向き座席としています.中扉正面の座席は車いす対応のため跳ね上げ式ベンチシートです. 中扉以降は左右とも2人掛け前向き座席を配置し,座席定員を確保しています.

▲車内の様子 前〜中扉間は1人掛け座席としラッシュにも対応 |

▲中扉以後の様子 前向き2人掛け座席を配置し着席定員増を図る |

▲客席シートベルトを装備 |

▲高速車の運転席(一般車と違いなし) |
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平成12年3月式 KC-MP717M 4両 ×廃車 |
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三菱ふそう製 三菱バス製造架装「ニューエアロスター」ツーステップバス
機関:6D24 排気量:11,940cc 軸距5,300mm
座席定員:24人 ・MT車 ・ISS装置付き
平成11年には,ふそう大型車の導入はなく,ツーステップ車導入の最終年式となった平成12年はノンステップ車4両のほか,ツーステップ車4両が導入されました.局番はF525〜F528です.
平成24年2月に廃車となっています.
車体はニューエアロスターで,中4枚折戸の2扉車となりました.前面方向幕が系統+行き先の一体型となっているのが特徴的です.
その他は平成10年式と同じく,銀色サッシの逆T字型窓,テールランプは引き続き腰部+裾部上下2段型です.冷房装置は三菱重工業製の屋根上設置型です.
タイヤホイールは当初車体色と同じ青色でしたが,平成20年より順次シルバー色に変更されました.
扉位置の変更に伴い車内座席配置も変更されました.前扉〜中扉間は進行方向左側に前向き1人掛け2席と横向き優先席2席,右側に前向き1人掛け3席と横向きベンチシート3席を設けています.中扉以降は,左側に前向き1人掛け3席,右側に前向き2人掛け3席,最後尾は5人掛け座席を設けています.
その他変化として,横向き座席の中間肘掛けが廃止となったほか,優先席の枕カバーが廃止されました.
また,音声合成放送装置の機種変更が行われるとともに,アイドリングストップ時のBGM放送装置が追加されました.

▲車内の様子 |

▲運転席の様子 |
※平成7年式以前の車両は,別ページ F (U-規制車)をご覧ください.
車両一覧表 |
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[F]車両一覧表 (PDFファイル)
対象車両:平成3年9月式〜平成12年3月式の三菱ふそう大型一般系統用車両
掲載対象:平成14年以降の車両移動履歴等
画像ギャラリー |
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「お絵かきバス」など,その他三菱ふそうツーステップ車の写真を紹介します.
廃車間際に,区民まつり等のイベントで「お絵かきバス」になった車両です.

▲F514 (平成10年式) |

▲F525 (平成12年式) |
かつては,鳴尾営業所が担当する「基幹1号系統」は快速運転をするため専用塗装の車両が,「高速1号系統」はシートベルトを装備した車両が,それぞれ専属で使用されてきました.
これら車両運用の効率化のため,平成16年より高速1号系統と基幹1号系統の混成運用が行われています.車両は「基幹バス変身装置(バスマスク&サボ)」を取り付けた一般車が充てられています.

▲F491 (平成9年2-3月式) |

▲F521 (平成10年式高速車) |
平成9年式までの鳴尾営業所配置車両は,高速1号系統での使用を想定し,客用座席にもシートベルトを用意するとともに,安全装置としてABSとエンジンルーム内に火災警報装置と自動消化装置を備えていました.これら装備は他車種にはない特徴であり,平成16年10月に行われた「貸切登録車両」の中型→大型化において,貸切車両に起用されることになりました.
貸切指定号車名については,別ページ C(貸切兼用車)をご覧ください.

▲F501 貸切登録車(平成9年2-3月式) |

▲F511 貸切登録車(平成9年2-3月式) |
車体全体にフィルムを貼り動く広告として走った「ラッピングバス」を紹介します.

▲F448 (平成8年2-3月式) |

▲F476 (平成9年2-3月式) |

▲F512 (平成9年2-3月式) |

▲F513 (平成9年2-3月式) |
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