北の大地で活躍する車両のうち,排ガスKC-規制の中型・小型車両をご紹介します.
北海道中央バスグループの大型車・中型車は 北海道中央バスをご覧下さい.
道北バスの大型車・中型車は 道北バスをご覧下さい.
道南バスの大型車・中型車は 道南バスをご覧下さい.
沿岸バスの大型車は 名士バス・沿岸バスをご覧下さい.
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このページでは次の3社を取り上げます.
(1)十勝バス →日野中型車1台
(2)あつまバス →日野中型車2台
(3)富士交通 →ふそう小型車1台 |
(1)十勝バス |
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十勝バスは,北海道帯広市に本社を置き,帯広市近郊や十勝平野を中心に路線バスや貸切バスを運行する事業者です.
所属車両の多くが日野製で,新車や中古車で経年車の更新を行っています.
ここでは日野1形式1台の元市バス車両が活躍しています.
平成10年式の日野自動車製の一般中型ツーステップ車「レインボー」が1台移籍しています.
この車両は,名古屋市バスとして平成10年の路線再編に合わせて大量導入した中型車両で,猪高営業所や大森営業所に所属し,市内北東部の路線で活躍しました.晩年は御器所営業所にて活躍し,平成22年春に廃車となっています.
日野KC-RR1JJAA:名市交(元MH-19)→ 十勝バス(帯広230あ2810)
移籍後は十勝バス路線車の標準塗装である明るい黄色一色に塗り替えられました.
系統独立の字幕式行先方向幕はLED式に交換されました.また,側面方向幕は前扉後ろにあったものを中扉後ろに移設しており,公式側の窓配置が変化しています.非公式側のメトロ窓配置はそのままです.

▲十勝バスカラーの元MH19 |

▲リアビュー |

▲ダッシュボードに微かに残るMH19の文字 |

▲十勝バス本社車庫に配置 |
車内の座席配置は,中扉正面の横向き座席が撤去されており,代わりに前向き一人掛座席が設置されています.
また,前扉後ろの最前席が撤去されて荷物棚になりました.
ここに家庭廃油の回収箱(写真に写る黒い箱)が置かれています※.
(※補足:十勝バスでは産消協働の取り組みとしてバイオディーゼル燃料のバスを運行しており,バス利用者の家庭から出た廃油を車内で回収しています.)
座席シートは交換された2脚を除いてそのまま使用されています.
横引きカーテンは撤去され,カーテンレスとなったようです.
車内にあった注意喚起の各種ステッカー類はほぼそのまま流用され,ハッチーの姿も確認できます.

▲車内の様子 |

▲移設された側面方向幕 |

▲流用されたステッカー類 |
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上記整備が行われたのち,十勝バス本社営業所に配置され,平成22年9月より活躍を始めました.
同年10月現在,平日ラッシュ時のみしか固定運用がなく,予備車的存在となっていました.
(2)あつまバス |
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あつまバスは,北海道勇払郡厚真町に本社を置き,厚真町から千歳,苫小牧へ路線バスを運行する事業者です.
ここでは日野1形式2台の元市バス車両が活躍していました.
平成11年式の日野自動車製の一般中型ツーステップ車「レインボー」が2台移籍しました.
これら車両は,中川営業所に所属し名古屋市西部を中心に活躍しました.平成23年春に廃車となっています.
道南バス88号車と同年式かつ同時期に移籍したようで,登録番号も連番となっています.
707号車(元MH-27)は,平成30年8月に廃車となりました.
日野KC-RR1JJAA:名市交(元MH-27)→あつまバス(室蘭200か707)→廃車
日野KC-RR1JJAA:名市交(元MH-29)→あつまバス(室蘭200か708)
移籍後は白ベースのあつまバス塗装に塗り替えられました.
行先表示器の移設は行われず,LED化されました.メトロ窓配置に変化はありません.
車内は手を加えられておらず,座席配置や横引きカーテンもそのままです.

▲あつまバス707(画像提供 黒崎さま) 現在は元車番は消されている |

▲あつまバス708(画像提供 OTBさま) |

▲あつまバス708 後方より |

▲あつまバス 車内の様子 |
画像・情報提供: ブログ「北中模型」黒崎さま
ブログ「北の風に乗って」OTBさま
(3)富士交通 |
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富士交通(旧社名:富士ハイヤー)は,北海道恵庭市のハイヤー・バス事業を行う会社です.
車両は,平成11年式の三菱ふそう製,元都心ループ系統専用車である「エアロミディMJワンステップ(7m)」です.
名古屋市バスとして都心ループ系統で活躍した後に,平成23年春に福島県「はらまち旅行(社名変更:東北アクセス)」に2台が移籍し,東日本大震災後のJR代行バスや仮設住宅巡回バスとして使用されました.
平成30年度末で南相馬市の仮設住宅供与と巡回バス運行が終了したことに伴い,1台が再売却され,令和元年夏に北海道にやってきました.
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▼平成11年式 ふそうKC-MJ218F改 |
名市交時代 |
はらまち旅行→ 東北アクセス時代 |
富士交通移籍後 |
登録番号 |
登録年月 |
TF-10→ |
福島230う10→ |
札幌200か5261 |
令和元年8月 |
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再移籍後はアルピコカラーのような,白ベースに5色ストライプの入った塗装となりました.
正面の行灯も活用され「富士交通」を表示しています.
車内は大きな改造はされず,都心ループ系統の特徴である座席モケット(赤色・灰色),木製ベンチシート,固定窓と横引きカーテンはそのままです.
移籍2社目となりますが,車内ステッカー類も残存しており,「名古屋市交通局」の文字やハッチの姿も残っています.

▲(左側の車両)ふそう製ワンステップ小型車 移籍2社目 富士交通 |

▲後部より 白ベースに5色ストライプ入り |

▲富士交通の観光車両と並ぶ |

▲車内の様子 |

▲運転席付近の様子 |

▲交通局時代のステッカーも残っている |
令和2年現在,富士交通が運行を受託する,恵庭市「えにわコミュニティバス:エコバス(Aコース)」の予備車となっています.
「エコバス(Aコース)」は主に青色塗装の専用車3台で運用されており,これらが故障した際に代車として走ります.
このため専用車にある運賃箱やLED行先表示器は搭載されておらず,常時,車庫留置されています.

▲恵庭市エコバス(Aコース)専用車の例 |
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