市バスとして活躍後に,地方のバス事業者やスキー場などに移籍し,送迎専用のシャトルバスなど,役割を変えて第二の活躍を見せる車両を追いました.
送迎バス/シャトルバス |
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北海道札幌市郊外にある野外スポーツ交流施設「フッズ スノーエリア」では,来場者用の無料送迎バスとして元市バス車両を1台保有していました.
この車はいすゞ大型車U規制のラストナンバーである元S466号車で,港営業所から中川営業所を経て平成19年度に廃車となった後に,北海道に渡ってきました.
主に冬期スキーシーズンに,地下鉄真駒内駅と施設との間を往復し,ピーク時には増発便として走るじょうてつ元名市交車とのコラボレーションも見ることができました.
車内はステッカー類が剥がされた程度で,名古屋時代の雰囲気を残していました.
いすゞU-LV224M:名市交(S-466)→さっぽろ健康スポーツ財団(札幌200は821)※廃車済み
平成25年に廃車となっています.
▲黄色が目立つオリジナル塗装 |
▲フッズスノーエリアを強くアピール |
▲車内を見ると名古屋時代そのもの |
▲案内表示器もそのまま残置 |
▲オフシーズンは車庫で寝てばかり |
▲歯止めに名古屋時代の車番が残る |
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北海道 新千歳空港ロングターム駐車場<自家用> 1台 |
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北海道の空の玄関口,新千歳空港の南方に位置する民間駐車場「ロングターム駐車場」では,空港と駐車場との間を送迎するバスを複数台所有しています.
大都市圏で活躍した路線バスの中古車が多く,この中に市バス車両の姿を確認することができました.
車両は平成10年式の元都心ループバス専用車の三菱ふそう小型ワンステップ車です.
市バスとして平成22年3月頃廃車となり,平成23年4月に新千歳にやってきました.
車体表記を消し,正面に黄色を加えただけの簡易な塗装変更で走っていました.
車内は座席配置やシートモケット,木製ベンチなどそのままです.
ふそうKC-MJ218F改:名市交(TF-7)→谷岡緑化(室蘭230さ9501)※廃車済み
平成28年4月に運用を離脱し,平成31年2月に解体処分されています.
▲新千歳空港周辺を走る元TF7 (画像提供:OTBさま) |
▲車内の様子 |
北海道阿寒湖畔の温泉リゾートホテル「あかん遊久の里 鶴雅」「あかん湖 鶴雅ウィングス」は,ホテルと道内各駅を結ぶシャトルバス,また駐車場用送迎バスを複数台所有しています.
このうち,ホテル駐車場送迎用として,元市バスの小型車両が2両活躍しています.
車両は平成10年式の元都心ループバス専用車の三菱ふそう小型ワンステップ車です.
市バス引退直後の平成22年に新潟県の魚沼中央トランスポートに移籍し,約2年間は南魚沼市の市営無料バスとして活躍しました.
その後,再度売却され,平成24年7月に当地に渡っています.
塗装は塗り替えられましたが,車内の座席配置やシートモケット,木製ベンチなどそのままです.
令和2年1月現在,現役です.
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▼平成10年式 ふそうKC-MJ218F改 |
名市交(TF-8)→ |
魚沼中央T(貸切:長岡200か585)→ |
鶴雅グループ(自家:釧路200は168) |
名市交(TF-5)→ |
魚沼中央T(貸切:長岡200か584)→ |
鶴雅グループ(自家:釧路200は169) |
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魚沼中央トランスポート在籍時の情報は魚沼中央Tをご覧下さい.
▲ホテル駐車場送迎バスとして走る元TF8 |
▲ホテルのカラー&ロゴを再塗装 (元TF5) |
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青森県 イオンモール下田(つばめ交通)<乗合> 1台 |
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青森県おいらせ町にある大型商業施設「イオンモール下田」と,青森県八戸市の市街地に近いJR本八戸駅とを結ぶシャトルバスに,元市バス車両が活躍していました.
いすゞ中型ツーステップ車の元MS1号車で,ダッシュボードにMS-1の文字が残っていました.
運行は地元のつばめ交通です.
車体はピンクに白帯の入るつばめ交通カラーとなっており,とても目立っていました.
いすゞKC-LR233J:名市交(MS-1)→つばめ交通(八戸200か597)※廃車済み
平成31年4月頃に運用を離脱し,令和元年11月に解体処分されています.
▲元MS-1 つばめ交通 |
▲ピンクの車体がとても目立つ |
岡山県瀬戸内市の貸切バス会社において,平成23年夏から平成24年まで活躍した元市バス車両を紹介します.
ネイチャーワールド自動車が保有するこの車両は,平成10年式の三菱ふそう製エアロスターノンステップバスで,平成22年まで初期ノンステ車の一員として名古屋市内で活躍しました.
移籍後,平成23年8〜9月は地元の「長船刀剣博物館」シャトルバスとして運行されました.この時は白色ボディに鍔(つば)をデザインした塗装で,余白部分に落書きもあるお絵かきバスのような使われ方をしていました.
その後は白一色の姿となり,契約輸送に使用されていました.
約1年半の短い役割を終えた現在は,北海道中央バスに再移籍して路線バスとして活躍しています.
KC-MP747M:名市交(元NF-5)→ ネイチャーワールド自動車(岡山200か1122)※売却済み
▲契約輸送専属となった元NF5 (画像提供:ρさま) |
▲白のみの塗装 (画像提供:ρさま) |
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【転用済】 沖縄県 那覇空港ランプバス(那覇バス)<特定> 2台 |
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沖縄県の玄関口である那覇空港で活躍するランプバスの中に,かつて元市バス車両がありました.
運行事業者は地元の那覇バスで,那覇空港内におけるスカイマーク社のランプバス運行を請け負っています(特定バス事業).
この専属車両として,平成10年式のいすゞ製の一般大型ツーステップ3扉車が2台在籍していました.
車体は白をベースにしたスカイマーク塗装です.
いすゞKC-LV280N:名市交(元S-530)→ 那覇バス(沖縄200か822)
いすゞKC-LV280N:名市交(元S-536)→ 那覇バス(沖縄200か823)
平成25年に2台ともランプバス仕様から那覇市内線仕様(一般塗装化)に転用され,現在ではこの塗装は見られません.
転用後の情報は那覇バスをご覧下さい.
▲那覇空港内を走る元市バス |
▲かつての822号車
3扉を活用し乗客を大量に運ぶ |
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宮崎県 宮崎空港ランプバス →北海道 新千歳空港内車両 <構内専用> 1台 |
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名古屋時代は都心ループ系統専用車として活躍した「エアロミディMJ7m」1台(平成10年から平成22年春まで在籍)が,各地を転々としています.
平成22年(2010年)秋に,鹿児島県の南国交通鹿児島空港自動車営業所に移籍し,南国交通の一般路線バス(鹿児島200か1130)として鹿児島空港を発着するローカル路線で約1年半使用されました.
南国交通在籍時の情報は鹿児島県の事業者をご覧下さい.
平成24年(2012年)夏に,同じ鹿児島空港に拠点を置く日本航空グループの航空会社「日本エアコミューター」に再移籍しました.
活躍の場を鹿児島空港周辺から宮崎空港内に移し,宮崎空港内の専用車両(ランプバス:未登録)として活躍しました.
日本エアコミューター再移籍後の車体塗装は,白一色にJALロゴマーク(鶴丸)入りとなっています.
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▼平成10年式 ふそうKC-MJ218F改 |
名市交(TF-3)→ |
南国交通(乗合:鹿児島200か1130)→ |
日本エアコミューター(構内専用) |
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▲宮崎空港構内の元市バス車両 側面幕は「空港内送迎」 (画像提供:抹茶テラ様) |
▲鶴丸ロゴと「日本エアコミューター」表示 活躍の機会は少ない (画像提供:抹茶テラ様) |
その後,宮崎空港において,いつまで活躍したのか不明です.
令和5年(2023年),同一車両と思われるバスが,新千歳空港において確認されています.
車体塗装は宮崎空港時代と同じく,白一色にJALロゴマーク入りです. (日本エアコミューターの文字は消された模様)
「BUS-SPK3」の文字入りです.
用途等の詳細は調査中ですが,車内には資機材が積み込まれており,一般的なランプバス用途ではないようです.
令和5年(2023年),大阪国際空港(伊丹空港)内において,元市バス車両と思しきランプバスが目撃されています.
平成18年(2006年)1月式のいすゞ自動車製,大型ノンステップ車「エルガ」です.
令和5年(2023年)3月までに廃車となった車両です.
ANAのランプバス「BU-3号車」として,構内のみで運用されています.
名市交(元NS-?)→ 那覇空港内ランプ(BU-3号車)
令和5年(2023年),那覇空港内において,元市バス車両と思しきランプバスが目撃されています.
平成18年(2006年)1月式のいすゞ自動車製,大型ノンステップ車「エルガ」です.
令和5年(2023年)3月までに廃車となった車両です.
ANAのランプバス「28号車」「30号車」「31号車」として,構内のみで運用されています.
名市交(元NS-?)→ 那覇空港内ランプ(ANA28号車)
名市交(元NS-?)→ 那覇空港内ランプ(ANA30号車)
名市交(元NS-?)→ 那覇空港内ランプ(ANA31号車)
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