広島県の呉市で活躍した車両を紹介します.
呉市交通局 → 広島電鉄 |
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呉市は広島県の南西部に位置する瀬戸内海に面した臨海都市で,軍港のある街としても知られています.この呉市とその周辺部で,古くから路線バスを運行していたのが呉市交通局です.車両200両弱を保有する広島県内最大の公営バス事業者でした.
呉市交は新車を投入する一方,コスト削減のため中古車も同時平行で投入しており,平成22年には元名古屋市バスの車両も2台導入しました.
しかし慢性的な赤字から抜け出せず,平成24年4月に交通局を廃止.バス事業は民間移譲されました.
呉市のバス事業を引き継いだのは,広島県で軌道・バス事業を営む広島電鉄です. バス全路線を譲受したほか,元名古屋市バスなど車両の多くも引き継ぎました.
平成10年式の日野自動車製の一般中型ツーステップ車「レインボー」が2台移籍しています.
名古屋市バスとして平成22年春まで活躍した後に,呉市へやってきました.
呉市交通局への移籍後は系統独立の字幕式行先方向幕はLED式に交換されました.それ以外は手を加えていないようで,銀サッシのメトロ窓と横引きカーテン,腰部3連テールランプや青色モケットのローバックシートなど,名古屋市営仕様そのままに活躍しています.
塗装は白&青の呉市バス標準塗装を経て,現在は白&緑の広島電鉄標準塗装となっています.
平成22年7月に登録され,2台とも呉市交通局中央出張所を経て広島電鉄呉中央営業所に配置され,呉駅を発着する三条二河長迫循環線や辰川線を中心に運用されていました.
晩年は,同じ呉営業エリアの焼山営業所にて活躍しました.
平成30年までに廃車となっています.
日野KC-RR1JJAA:名市交(元MH-11)→呉市交(Hs9817)→広島電鉄(90120:広島200か1370)
日野KC-RR1JJAA:名市交(元MH-25)→呉市交(Hs9818)→広島電鉄(90121:広島200か1371)
■呉市交 Hs9817 → ■広島電鉄 90120 |
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名古屋市営時代の車番はMH11.中川営業所から,大森,稲西と渡り歩いた車両です.
呉市交通局移籍後はHs9817を名乗り,広島電鉄では90120号車となりました.
平成29年8月末に廃車となり,10月に解体されました.
▲広島電鉄カラーに塗替えられた現在の様子 白+緑ストライプという,名古屋市営と良く似た塗り分け |
▲広島電鉄カラー リア側 |
▲広島電鉄へ譲渡直後の様子(H24年4月) 呉市交マークを削除し,広電車番と社名を追記したのみの姿で走っていた |
▲呉市交時代の様子(H24年3月以前) 正面に呉市交マークが入る |
▲メトロ窓と3連テールが特徴的(呉市交時代) |
▲改造内容は必要最小限のみ |
▲名古屋時代の面影を残す車内 |
▲優先席には新たに黄色カバー |
■ 呉市交 Hs9818 → ■広島電鉄 90121 |
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名古屋市営時代の車番はMH25.大森営業所から,港,稲西と渡り歩いた車両です.
呉市交通局移籍後はHs9818を名乗り,広島電鉄では90121号車となりました.
平成30年秋に廃車となり,11月に解体されました.
▲広島電鉄カラーの90121号車 |
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▲環状線や辰川線で活躍(呉市交時代) |
▲呉駅前を発着している(呉市交時代) |
▲駅前に集う元名市交の2台(呉市交時代) |
▲中扉には整理券発行機を設置 |
▲奇しくも同種の運賃箱を装備 |
▲運賃表示器とLED設定機 |
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